カネのためなら「強盗殺人」も厭わない…「特殊詐欺の3種の神器」に恵まれなかった匿流グループの”闇バイト応募者”が辿る末路

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かつて20万人もの構成員を擁した暴力団。   

覚せい剤の輸入や賭博、みかじめ料の徴収で莫大な収益を上げ、1980年代の年間収入は推計8兆円に達したと言われる。だが平成に入って以降、暴対法の制定や警察の行き過ぎた捜査、メディアによる批判的な報道が原因となり、暴力団は衰退の一途をたどってきた。

では、暴力団が社会から消えていくことは、我々一般国民にとって「良いこと」だけなのだろうか?しばし「必要悪」として語られてきた“やくざ”の実態を、『やくざは本当に「必要悪」だったのか』より一部抜粋・再編集してお届けする。

【前編を読む】なぜ匿流は逮捕されないのか?…あの手のこの手で一般人を破滅させる「特殊詐欺」の想像を超えた多様化

国際的な特殊詐欺は「レアケース」

2025年、ミャンマーの中国人犯罪グループの拠点に日本の高校生が誘い出され、特殊詐欺に加担させられた事例がニュースになったが、これなどはレアケースというべきだろう。

外国人によるロマンス詐欺などを除き、日本人をターゲットにする特殊詐欺は日本語を母語にする者にしか成功は望めない。架け子は機敏に相手の言葉に切り返して説得や弁明をするなど、相当日本語に得手で、瞬発力が必要とされる。

だからこそ架け子はグループの中核であり、稼ぎ手の柱なのだ。アポ電強盗などに動員される闇バイトなどとは別格である。中国人やミャンマー人に脅され、東南アジアに幽閉され、課されたノルマを消化するため、日夜、ターゲットに詐欺電話を架けまくるなどは一時的な現象に過ぎない。

母語同士でしかダマせないという特殊詐欺の特質から、外国人の最高指令者が事情ある日本人を拘束して命令し、日本人の被害者から大金を貪り尽くす、実際に活動した日本人の架け子も唯々諾々と外国人のいいなりになるなどの筋書きは、経済ルールからあり得ないことである。

時に強盗殺人事件にまで及ぶ

特殊詐欺は東アジアの各国で流行っているようだが、優れて国内的な犯罪であり、国際的に統合されていくなどという予測はあり得ない、と筆者は考える。現実にあり得たとしても、特殊な事情がある一時的で、短期で終わる現象だろう。

かつて特殊詐欺の3種の神器はトバシの携帯、第三者名義の銀行口座、富裕層の名簿などといわれてきた。名簿はターゲットを絞り込むために不可欠だが、最近は使える名簿が少ないらしい。同業者が使い古した名簿などは安価に入手できるが、要するに荒らされた跡だから使い物にならない。そこで下手な鉄砲のように闇雲に闇バイト応募者を犯罪現場に出し、強盗殺人事件までしでかしている。

いい名簿に恵まれれば、ターゲットはカネを差し出す。だが、金のない者に向かってカネを出せと脅しても、ないものは出せない。ターゲットの内情と心情がわからない者はむやみに人を殺す。闇バイトの募集者にとっても、決して望ましい結末ではないはずだが。

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