佐々木朗希(C)共同通信社

写真拡大 (全2枚)

「ピッチングにミスはつきもの。ただ、カウントは0-2。あの場面はボール球を要求した。自分としては地面にたたき付けて欲しかった。(ベースより投手寄りの)芝生にバウンドしても構わない。あのカウントでは優位な状況を考慮して攻めるべき。選球眼に苦しんでいる打者に対してはなおさらだ」

【もっと読む】佐々木朗希、ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

 ドジャースの捕手・ラッシング(25)は辛辣だった。

 日本時間6日のナショナルズ戦に先発、5回5安打6失点で降板した佐々木朗希(24)の投球に関してだ。

「あの場面」とは2点ビハインドの四回2死一、二塁、打者は昨季31本塁打のウッド(23)のシーン。佐々木は0-2と追い込んだだけに、打ち気にはやる打者に対してストライクを投げる必要はどこにもない。ラッシングはボールになるスプリットを要求したものの、ど真ん中へ。痛恨の3ランを浴びた佐々木は、「早めに勝負したかった焦りもあった」と、本音を漏らした。

 地元放送局の解説を務めた通算204勝のドジャースOB・ハーシュハイザー氏も、

「落ち切らないスプリット。その直前はハーフスイングのストライク。打者は打ち気だと理解できるだけに、必ずワンバウンドさせなければいけなかった。こういう過ちを犯すと代償を払わされる」

 と、佐々木の制球ミスをやり玉に挙げた。

 もちろん、致命的な制球ミスは批判されてしかるべきとはいえ、それ以上に問題なのは佐々木の人間性だという指摘がある。

 試合後、米メディアとの会見でこう言ったのだ。

「1巡目にスライダー系が多かったので後半、真っすぐとフォークで組み立てられなかった分、2巡目に手詰まりだったのかな」

 投球の組み立て、つまり配球に問題があるというのだが、

「この発言は捕手批判と受け取られかねない」

 と、特派員のひとりがこう続ける。

周りが見えていない子どものようなスタンス

「佐々木は自分で配球を考え、その通りに投げたいタイプ。実際、オープン戦までは自らサインを出して投げていたのですが、開幕後は捕手がサインを出しています。なのに投球の組み立てが悪いと言わんばかりではバッテリー間はもちろん、チーム内の火種に発展しかねない。実際に開幕からバッテリーを組んでいるラッシングは、佐々木のスプリットに関して『まだ完全ではない』と話している。この日のような制球ミスが多いという判断でしょう。だからこそ真っすぐとスプリットの組み立てでは危ないと考えている。サインを出すのが佐々木から捕手に変わったのは首脳陣の意向だろうし、佐々木の発言は首脳陣批判につながる可能性まである」

 自らの不甲斐なさは棚に上げ、思うようにならなかった結果を捕手のリードに責任転嫁する。自己チューというか、周りが見えていない子どものようなスタンス。思えば昨年の本拠地デビューは、そんな佐々木の人間性が浮き彫りになった試合だった。

 3月30日のタイガース戦に先発するも、1回3分の2を3安打2失点、押し出しを含む4与四球でKO。降板の際にボールを指揮官に手渡さなかったばかりか、2番手の投球を見届けることなくベンチ裏へ。その佐々木をロバーツ監督が追い掛けたり、ベンチに戻ると目に涙を浮かべたりしたシーンが米メディアを賑わせた。「すぐにスターになるような選手ではない」と。

「配球や投球の組み立てが気に入らなければ、直接、首脳陣やラッシングと話せばいいのに、それをしない。昨季、右肩のインピンジメント症候群で4カ月強、離脱したときもそう。実際は5月4日のブレーブス戦から異常があったにもかかわらず、首脳陣に報告したのは10日のダイヤモンドバックス戦の後。『我々と選手のコミュニケーションは双方向であるべき。我々は知らないことを知ることはできないのだから。彼は率直にコミュニケーションを取るべきだったと学んだはず』とロバーツ監督が言ったように、恥ずかしがっているのか、臆しているのか、彼はチーム内でコミュニケーションを取ろうとしません」(前出の特派員)

 ワールドシリーズ3連覇を目指すドジャースの首脳陣や選手は団結心が強い。それが強力な武器でもあるだけに、佐々木がチームの輪からはみ出ないか心配だ。

  ◇  ◇  ◇

 佐々木が苦しむ様子を、古巣ロッテはどのように見ているのだろうか。というのも、佐々木は“ゴネ得”でメジャー切符を手にしたうえに、ロッテのスタッフを3人も引き抜いてドジャース入りしたからだ。いったいどいうことか。あの時、何が起きていたのか。

●関連記事 【もっと読む】佐々木朗希、ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋 では、それらについて詳しく報じている。