27日、新華社の取材に応じる渡部康人氏。(ボアオ=新華社配信/王雯君)

 【新華社ボアオ3月29日】中国海南省の全域を自由貿易港として独立した税関管理区域とする「封関」運営が27日、開始から100日を迎えた。東南アジア諸国連合(ASEAN)と中日韓のマクロ経済研究を行う国際機関であるAMROの渡部康人事務局長兼CEOは同日、海南省博鰲(ボアオ)で新華社のインタビューに応じ、地域経済の統合が進む中、海南自由貿易港は地域的な包括的経済連携(RCEP)協定などの枠組みと促進し合い、アジア太平洋地域の貿易・投資協力に新たな原動力をもたらすとの見方を示した。

 渡部氏は海南自由貿易港について、「封関」運営に伴い、観光やトランジットの拠点から、生産、サービス、産業高度化の中心へと転換が進んでいると述べた。また、ASEANの中間財と中国の巨大な内需市場を結ぶ上で、海南が重要な橋渡しの役割を果たしていると指摘。日本や韓国を含めた「ASEAN+3」の観点からも、輸出主導型から、生産と需要がより均衡した構造への転換を支えていると評価した。

 RCEPの実施効果については、関税引き下げにとどまらず、15カ国をカバーする統一原産地規則を整備し、中日韓を初めて同一の貿易枠組みに組み込んだと指摘した。ASEAN+3地域が生産だけでなく需要の中心ともなる中、RCEPは同地域、さらにはアジア太平洋地域の結びつきを一層強化する役割を果たすとした。RCEPは「進化するプラットフォーム」であり、サービス分野やデジタル貿易、貿易円滑化での協力を深め、より実効的で利用しやすいものへと発展するとの見通しを示した。

 また、海南自由貿易港とRCEPは補完関係にあるとし、「海南は貿易、投資、物流、接続性を促進する実践的なプラットフォームとして機能する一方、RCEPはより広域的な地域枠組みを提供する」と説明した。例えば、海南のゼロ関税政策の下では、対象となる商品を免税で持ち込み、加工によって付加価値を高めて中国市場に再投入できる一方、RCEPの統一原産地規則は、企業が投入財の調達や生産配置を広域的かつ効率的に行うことを可能にするとした。

 渡部氏は、世界的な不確実性が高まる中、地域協力の強化が一層重要になっていると強調した。「税関手続の円滑化、サービス分野の開放、デジタル化の進展といった取り組みがさらに進めば、海南とRCEPが一層の相乗効果を発揮し、地域の貿易・投資の規模と質の向上に貢献していくことが期待される」と語った。(記者/邱虹、陳子薇、張瑜)