JRT四国放送

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日常生活に介助を必要とする「医療的ケア児」とその家族にとって、外食に出かけることは決して簡単なことではありません。

その外食の願いを叶えてもらおうと、あるグループが活動しています。

3月8日、徳島市で医療的ケアが必要な児童とその家族を対象とした、外食の体験会が行われました。

参加者は普段と違った時間を楽しんでいました。

慌ただしく会場の準備をするのは、県南部で子ども食堂などを運営するグループ「おにぎりの会」。

食べることを通じて、誰もが笑顔になれる社会を目指したいと、2年前に結成されました。

メンバーは現在6人。

全員が、管理栄養士や理学療法士などの専門的な資格を持っています。

「おにぎりの会」は、人工呼吸器や胃ろうなど、日常的に介助を必要とする「医療的ケア児」や、その家族らが集える憩いの場所を作りたいと考え、活動を続けています。

(おにぎりの会・井上奈緒美 代表)
「医療的ケアが必要なお子さんのいる家族というのは、外食はハードルが高いんですよね」
「ちょっと外出するくらいならいけるけど、外に出てご飯を食べようかとなると、入れるお店がないっていう」

そういった思いからこの日、「おにぎりの会」の発案で、徳島市にあるインクルーシブカフェ「tabi no otomo」とコラボして、医療的ケア児とその家族の外食体験プロジェクトが開催されました。

(tabi no otomo・榎本峰子 代表)
「やっぱり(お店に)来てミキサーにかけたりとか、ひと工夫をしなければいけない方々は、徳島においても全国的にもたくさんいらっしゃいます」
「そういった方々が安心して外食の楽しみを持ったり、家族と同じものを食べたりとかという喜びというのは、やっぱり必要なのかなと」


18歳以下の医療的ケア児は全国で2万人を超え、県内では2022年時点で87人、現在は100人を超えています。

この日の外食体験プロジェクトには、医療的ケア児のいる4家族が訪れました。

有持虹色ちゃん7歳。

先天性の病の影響で首が座らず、日常的に介助が必要です。

食事は口からも多少はとれますが、ほとんどはチューブを使って胃に直接注入します。

自身も管理栄養士である「おにぎりの会」代表の井上さん。

医療的ケアが必要なお子さんと家族が一緒に食事を楽しんでもらうため、お子さん用の料理にひと手間加えていきます。

(おにぎりの会・井上奈緒美 代表)
「できるだけ、元の食事に近い感じを残してあげたいのが一番」

(記者)
「元の食事に近いとは?」

(おにぎりの会・井上奈緒美 代表)
「普通の食事に見た目が近いような感じで」

(記者)
「やっぱり見た目は大事?」

(おにぎりの会・井上奈緒美 代表)
「見た目と味も、やっぱりあまり変わらないようにしています」

今回、提供されたメニューです。

カレーやポテトサラダ、それにデザートのケーキが医療的ケア児のためにムース状になっています。

先天性の病のある有持虹色ちゃん7歳も、この食事を気に入ったのか、この日は普段以上に口から食事をとることができました。

(おにぎりの会・井上奈緒美 代表)
「良かった、結構きょうお口からいけよるもんね」

(母・有持貴子さん)
「これいい感じ、甘いが好き」

(おにぎりの会・井上奈緒美 代表)
「こんなに口から食べるのは初めてみたような気がする。だいたいほとんど胃から注入しているほうが多い」

医療的ケア児のいる家族は、ケア児が他の家族と同じ食事ができないことに淋しさを感じると言います。

(記者)
「お子さんと一緒のものを食べるのはどうですか?」

(母・有持貴子さん)
「うれしいですよ、家だったらなかなか時間がなくて、まあいいかってなってしまうので、うれしいです」
「この子たちが同じものを食べているのがうれしい」
「同じ大変さを抱えている人たちが集まれる場というか、救われる場が増えたらいいなと思います」

医療的ケア児のいる家族にとって、外食はハードルの高いものと考えられる傾向にあります。

しかし、地域とつながることで、そのハードルは下げることができると代表の井上さんは話します。

(おにぎりの会・井上奈緒美 代表)
「おにぎりの会、最初は小さな居場所づくりというところから始めた会なのですけど、いろんな方にお手伝いいただいて」
「いろんな居場所が今できつつあるので、今後も みんながホッと集まれる場所になっていけたらいいなと思っています」

(おにぎりの会)
「栄養スイッチオン、おにぎりの会」