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オンラインのサポートやスクールを運営しながら、お悩みを解決するオンライン片付け専門家・伊藤かすみさんは「片づけの一歩は思考から!」と提唱し、これまで800名以上の片付けを手助けしてきました。今回の記事では、伊藤さんが考える「好きなものをどう片付けるか」をお伝えします。

この<ルール>で玄関がスッキリ!靴、傘、ディスプレイ…片付けコンサル直伝<収納の工夫と見せ方テクニック>

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好きなものと気持ちよく共存できる空間へ

推し活グッズ、趣味の道具、本、雑誌……。コレクションアイテムは、「好き」という気持ちが強いほど、どんどん増えていくものです。

それらは、どれも自分の世界を豊かにしてくれる、大切な存在ですよね。でも、気づけば部屋のあちこちを占領していて、「片付けたいのに手をつけられない」という声をよく聞きます。

好きなものほど、手放す理由を見つけにくいもの。けれど、そういったものの整理は「本当に好きなものを大切にするための見直し」にもなると思っています。

今回のテーマは、「好きなものをどう片付けるか」。それぞれのジャンルごとに、整理のコツをお伝えしていきます。

飾る・しまうを分けて、推し活グッズを心地よく整える

まずは、推し活グッズの片付けからお話ししましょう。「思い出が詰まっていて、どれも捨てられない」「ライブのたびにグッズが増えていく」――そんな声を耳にします。

推し活のアイテムは、感情と強く結びついているので、手放す・残すという判断が特に難しいものです。そういった場合は、無理に減らす必要はないと思っています。

大切なのは、「自分がどうしたいか」を考えること。飾って楽しみたいのか、それとも思い出として大事にしまっておきたいのか。まずはその目的をはっきりさせるところから始めましょう。

飾る場合は、スペースを決めて数を絞るのがポイントです。「3つまで」などと数を決めるだけでも、ぐっと見やすく整います。また、3つと決めた場合でも月が変わったら飾るグッズを替えるなど、展示する、という気持ちで入れ替えるようにすると、楽しくなるかもしれません。飾るスペースがない場合は、引き出しの中やリビングの一角など、小さな推しコーナーを作るのもおすすめ。ガラス扉のキャビネットやケースを使えば、見た目も美しく、グッズのホコリ対策にもなります。

一方で、飾らないけれど、ずっと持っておきたいグッズもあるでしょう。その場合は、「残す」と「飾る」を分け、箱にまとめて保管しておくと安心です。実家やトランクルームに預けておくのもひとつの方法です。

とはいえ、収納には限りがあります。スペースや数の上限を決め、それを超えたら見直すなど定量のマイルールを決めておくことで、好きなものを気持ちよく楽しめるはずです。

推し活グッズが乱雑に積まれたままの状態では、もしかしたらグッズたちも、ちょっと悲しんでいるかもしれません。せっかく推しを応援するために集めた大切な仲間たちです。だからこそ、きれいに飾って、気持ちよく過ごせる空間にしてあげたい。好きなものを大切に扱うことも、片付けの第一歩だと思います。

「いつかやるかも」の趣味は手放し時

趣味アイテムも、気づけばどんどん増えていく代表格です。

今も続けている趣味でモノが出しっぱなしになっている場合は、使いやすく整える片付けが必要ですが、それ以上に見直したいのは、手つかずのまま眠っているもの。手芸の材料や布、スポーツウェア、カメラの機材など、「いつかまたやるかも」と思って残しているうちに、実際は出番がないまま何年も経ってしまっている――そんなケースがとても多いのです。

そんな趣味のアイテムは、ジャンルごとにあらかじめ収納の上限を決めるのがコツ。

運動系なら、最新のウェア+予備1セットくらいがちょうどいいと思います。ウェアや靴は性能がアップデートされるのが早く、新しいアイテムが次々と発売されれば、やはりそちらが気になり、古いものは結局使わなくなります。

手芸やクラフト系なら、10年使っていないままの材料はいったん見直しを。布や糸も劣化します。ただし、手に入りにくいアンティークの布や思い入れのある糸など、特別なものは無理に手放す必要はありません。再開したくなった時は、そのときの自分に合うものを新しく選べばいいのです。


イメージ(写真提供:Photo AC)

家族の趣味が家の中を占領している場合は、無理に減らさせようとせず、まずは本人にどうしたいのが理想か?を聞いてみてください。持っておきたいだけなのか、本当は飾りたいのか。飾りたいという希望があるときは、「飾る場所を決める」ことから始めてみましょう。

たとえば、玄関に小さなディスプレイ棚を作るなど、「見せる化」すると当人は受け入れてもらえたという満足感が生まれ、最終的にご本人から自然と量を減らすことも起こります。

本は<ジャンル分け>と<上限決め>で整理

本もまた、「好きだからこそ手放せない」もののひとつです。「読みたくて買ったけれど、なかなか時間が取れない」「また読むかもしれない」「勉強になるから取っておこう」などと思っているうちに、本棚がぎゅうぎゅうになってはいませんか。

本棚には上限があるもの。入りきらなくなったら、そのぶん手放すサインでもあります。

まずは、「今の自分に必要な本」を見極めることから始めましょう。

私はいつも「5年以上読んでいない本があったら、いったん見直してみましょう」とお伝えしています。また、ジャンルや作家ごとに3つのゾーンに分けて整理するのもおすすめ。私自身もこの方法を続けています。

1.何度も読みたいお気に入りの本
2.資料として保管しておきたい本
3.人に譲ったり、売ったりできる本

本棚の見た目を整えるなら、本の高さをそろえて並べたり、棚一杯に詰め込むよりも、本のあいだに小さなオブジェを置くなど少し抜けをつくるなどの工夫も効果的です。

私は、お気に入りの表紙の本を前に立てかけて、後ろの背表紙を隠すように並べています。見た目がきれいな本は、それだけでインテリアになりますし、中身を読まなくても飾っておきたくなるもの。空間全体の印象も変わります。


写真:著者宅の本棚

雑誌の溜め込みすぎに注意

雑誌もまた、いつのまにか溜まっているもののひとつ。気づけばバックナンバーが積み上がり、取っておきたいと思って切り抜いたページも、うまく整理できずに、どこにあるのか分からないなんてこともあるでしょう。

雑誌は本とは少し違って、その時々の流行や空気感を感じるための「旬を楽しむメディア」です。ですから、気になるお店やレストランの記事は、「切り抜いて取っておく」より、「切り抜いてすぐに行く」くらいがベスト。あまり古い情報は変更になっている場合もありますから、「行きたい」と思った時が良いタイミングだと思います。

また、自動的に届く定期購読は、読むよりも先に積み上がってしまいがちなため、片付けが苦手な方は注意が必要です。今の自分に合う一冊を選んで楽しむくらいが、暮らしにちょうどいいバランスではないでしょうか。

「好きなもの」は、私たちの暮らしを豊かにしてくれる存在です。だからこそ、しまい込んで埋もれさせるより、気持ちよく大切にできる形で持ち続けたいもの。

すべてを減らす必要はありません。自分なりの基準を決めて、好きなものと気持ちよく共存できる空間を作っていきましょう。