「宙ぶらりんのまま生活…」五條堀美咲さん行方不明から9年 捜査難航、父親が語る変わらぬ祈り
大分市の元会社員、五條堀美咲さん(33)が行方不明になってから2025年9月25日で9年が経過した。警察は延べ5万3千人の捜査員を投入したものの、未だ有力な手掛かりは見つかっていない。失踪当時のバッグや財布、スマートフォンも発見されておらず、捜査は難航。こうした中、OBSの取材に応じた美咲さんの父親(71)が胸の内を明かした。
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(2025年にOBSニュースで最も読まれた記事を再掲載しています)
行方不明から9年、続く捜索
「美咲がいなくなった時点から携帯電話を手放したことはありません。お風呂に入る時やトイレに行く時も、ポケット付きの服に入れるか、お風呂のときは脱衣場に置き、寝るときは枕元に置いています」
五條堀さんは2016年9月25日午後11時半ごろ、自宅アパートに来ていた友人が帰ったのを最後に消息を絶った。翌日午前1時頃まで複数の友人とLINEで連絡を取っていたが、出勤時間になっても姿を現さず、不審に思った同僚らがアパートを訪れて両親に連絡。捜索願が提出された。
部屋に荒らされた形跡はなく、訪れた父親は布団や洗濯物の様子から「すぐに帰ってくるような雰囲気を感じた」という。
県警の捜査本部は現在も25人態勢で捜査を続けている。これまで自宅周辺の公園の池や水田などを調査したが、五條堀さんが使っていたバッグや財布、スマートフォンなども見つかっていない。
「宙ぶらりん…」父親の思い
父親は自身の心境をこう語る。「気持ちが常に宙ぶらりんなんですよね。生きているのか、この世にいるのか、結果が出ていないので、この9年間、ずっと宙ぶらりんのまま生活してきました」
「娘は自分の好きなように働いたり、旅行に行ったり、自由にお金を使ったりすることもできなかった。この9年間は本当にかわいそうだと思うこともあります」
実際、美咲さんの預金口座からは一度も引き出しがなく、携帯電話も使用されていない。健康保険や年金の記録も止まったままだ。
また、当時の美咲さんについて、けんかをしたことはなく、実家に帰った際の迎え役は自分だったと父親は振り返る。「娘との繋がりを感じます」と話し、帰省に使っていた美咲さんのリュックを大切に保管している。
変わらぬ愛情と願い
両親は、美咲さんが行方不明になってから毎年9月25日に現場周辺でビラ配りを続けている。これまでに332件の情報提供があり、今年は3件にとどまっている。
「雲をつかむような行動かもしれませんが、警察も私たちが動くことで年に1回はそれに近い動きをしてくれるだろうと思っています。見つかるまで、というより私が動ける限りは続けたいです。早く結果が出ればいいですが、このままずっと分からなかったらどうなるかと思うこともあります」
「生きてどこかで生活している可能性も、万が一でも厳しい状況も理解していますが、それを認めたくない気持ちもあります」と複雑な胸中を吐露した。
美咲さんの誕生日である1月29日には、今も家族でケーキを買って毎年欠かさず祝っている。時が経っても、家族の思いは変わらない。
