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イメージ刷新を図る実験的モデル

英国の自動車ブランドであるヴォグゾールは、高性能EVのコンセプトカー『コルサGSEビジョン・グランツーリスモ(Corsa GSE Vision Gran Turismo)』を公開した。

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量産化の予定はないが、今後展開していくサブブランド『GSE』のポテンシャルをアピールするもので、車重1170kgのハッチバックボディに、合計出力800psのデュアルモーターを搭載している。


ヴォグゾール・コルサGSEビジョン・グランツーリスモ    ヴォグゾール

プレイステーションのレースゲーム『グランツーリスモ』向けに開発された実験的なコンセプトカーだが、来年欧州で発売予定の新型コルサ(7代目)のデザイン要素も一部取り入れているという。

ヴォグゾールのデザイン責任者であるマーク・アダムスはAUTOCARの取材に対し、「適切なパフォーマンス」を備えた「手の届くポスターカー」を作り、「ブランドに対する人々の見方を変える」と同時に、若い世代にもアピールすることを目指したと語っている。

将来のデザイン方向性を予告

このコンセプトカーは、ヴォグゾールの親会社であるステランティスが開発中のSTLAスモール・プラットフォームを採用している。

ブランドの主力モデルとして英国で親しまれている『コルサ』の名前を付けたことには、ある意図があるのだという。


ヴォグゾール・コルサGSEビジョン・グランツーリスモ    ヴォグゾール

「コンセプトモデルを作るとなると、全高1m、全長5mといったものになることが多い。空想としては素晴らしいですが、人々にとって本当に意味があるのでしょうか? 『コルサ』のバッジを付けると、にわかに現実味を帯び始め、コンパクトなモデルになるのです」とアダムス氏は説明する。

注目すべきは、82kWhと大容量のバッテリーを採用している点だ。現行のEVモデルであるコルサeでは52kWhが最大だ。

エクステリアデザインは過激なものだが、将来の量産車を念頭に置いた要素も見られる。例えば、ライトには『コンパス(Compass)』と呼ばれるヴォグゾールのシグネチャーを取り入れている。

また、フロントエンドの『バイザー(Vizor)』デザインも再設計されている。現行型はブラックのパネルを使用しているが、コンセプトカーではデイタイム・ランニング・ライトを内蔵した透明のパネルとなっている。ブランドのモチーフであるグリフィンも点灯する。

ダムス氏によると、伝統的なデザインと新しい要素の融合を模索しているようだ。

インテリアは簡素なものだが、斬新なアイデアも見ることができる。例えば、バケットシートは大きく2つに分割されており、背もたれはロールケージから吊り下げられ、シートはフロアに固定されている。これにより「クルマの中で最も重い部品の1つ」が大幅に軽量化されたという。

タッチスクリーンは一切搭載されておらず、少数の物理スイッチのみが備わっている。

タイプR相当のサブブランドへ

7月、ヴォグゾールは最高出力280psの『モッカGSE』を英国で発売し、パフォーマンス重視のEVサブブランドとしてGSEを再スタートさせた。

今回のコルサGSEビジョン・グランツーリスモは、GSEの将来の方向性を示している、とアダムス氏は言う。


ヴォグゾール・コルサGSEビジョン・グランツーリスモ    ヴォグゾール

デュアルモーターパワートレインから合計出力800psと最大トルク81.5kg-mを発揮し、重量はわずか1170kg、0-100km/h加速は2.0秒とブガッティ・シロンよりも速い。最高速度は320km/h。

このクルマはゲームのグランツーリスモの中でしか運転できないが、アダムス氏によると、上記のスペックは「現実的」なものであり、「理論的には」量産モデルにも採用できるという。

空力性能も重視しており、リアのアクティブスポイラーは高速走行時の空気抵抗を減らして安定性を高めつつ、コーナリング時にはエアブレーキとしても機能する。

さらに、減速時に運動エネルギーを回収するKERS(キネティック・エナジー・リカバリー・システム)を採用。レーシングスタイルの四角いステアリングホイールも特徴的だ。

GSEの全体的な目標は、ホンダの『タイプR』のように、唯一無二のパフォーマンスバッジに成長することだ。

「それがヴォグゾールが目指すところです」とアダムス氏は語る。「このコンセプトは、未来を見据えたビジョンと、わたし達が常にGSEに求めてきたものを体現しています。わたし達の決意の表れなのです」