【岩本輝雄】レイソル戦のマリノスを見て、一番気になったこと。昨年まではもっとパターンがあったはず。ちょっと単調すぎたかな

厳しい状況が続いているね。マリノスが延期分の14節でレイソルと対戦。0−2で負けて、これで5連敗。リーグ戦では9戦未勝利で最下位のままだ。
レイソル戦を現地で観戦したけど、これはどうにもならないな、というほど悪いサッカーをしているとは思わなかった。ほんの少し何かを変えるだけで、結果を出せるんじゃないかなって。
それはそれで全然いいと思うんだけど、ちょっと単調な印象も受けた。縦ばかりになれば相手も予測しやすいし、そこを抑えておけばいいんでしょって、守りやすかったはず。
そこが一番、気になったかな。昨年までは、サイドで起点を作ってから縦に行けば、中にカットインしたりとパターンがいくつかあった。タメを作ってボランチと連係して崩したりとか、相手に的を絞らせないアタックがもっと多かった気がする。
そういうプレーはエウベルやヤン・マテウスが得意としていたし、彼らの出場時間をもっと増やしてもいいんじゃないかな。スタメンのチョイスやユニットの組合せには、いろんな理由があるんだろうけど、自分たちの強みを思い出してほしいという感じだね。
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今は思うように勝てていないし、監督も代わって、ある意味、リスタートの時期だとは思う。あれもこれもといろんなことに手を出さず、一つひとつ積み上げている段階なのかな。
全38試合のなかで、まだ14試合。あと24試合ある。のんびりしているわけにはいかないけど、巻き返すための時間は十分に残されている。個々を見れば、力のある選手がたくさんいる。上位に絡んでいても不思議ではない戦力のマリノスが、このまま低迷し続けるとは想像できない。
ただ、現状は勝利から遠ざかっているから、好転するためのきっかけが欲しい。そこを早く見つけてほしいなと思う。
【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、53歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。