2024年頃から、ポケモンカードのプレイテストに用いられたと思われる初期プロトタイプカードが大量にオークションへ出品されており、オークションサイト全体での総売上はおそらく1000万ドル(約15億5000万円)を超えるといわれています。しかし、こうしたカードの多くが2024年に印刷されていたことが判明したと、カードゲームファンフォーラムのElite Fourumで指摘されています。

Many of the Pokemon playtest cards were likely printed in 2024 - Articles - Elite Fourum

https://www.elitefourum.com/t/many-of-the-pokemon-playtest-cards-were-likely-printed-in-2024/52421

以下は、イーブイのプロトタイプカードで、ポケモンカードゲームの開発に関わった赤羽卓美さんのサインが入っている「赤羽卓美コレクション」と呼ばれるアイテムの1枚。状態評価は10段階中の10点となっています。レイアウトはポケモンカードの旧デザインとほぼ同じで、エネルギーの概念、にげる、コイントスのシステム、抵抗力や弱点の設定など、ポケモンカードゲームの基本ルールが整っていることがわかります。



フォーラムユーザーのpfm氏によれば、2024年頃からこのプレイテスト用カードやプロトタイプのカードが市場に出回り始めたとのこと。こうしたカードの多くはあくまでもプロトタイプなので、工場の業務用印刷機で量産されたものではなく、家庭用あるいはオフィス用のプリンターで印刷されたものです。

実は、家庭用やオフィス用のプリンターの多くには、非常に小さな点によるパターンが印刷されています。このパターンは、印刷時間やプリンターのシリアル番号を示すメタデータになっており、何者かによって印刷された文書の証拠として警察などの法執行機関が使用することもあるそうです。

例えば、オークションサイトに出品されているニドクインのテストプレイ用カードが以下。プロトタイプなので、ニドクインのイラストには背景がありません。



この背景部分をカラーチャネルで調整しながら拡大してよく見ると、以下のように小さな点によるパターンが入っていることがわかります。



このパターンを抽出するとこんな感じ。



このパターンは印刷した時間(mm・HH)と日(DD)、月(MM)、年(YY)、そしてシリアルコードを2進法で表わしており、「2024年6月29日8時17分に、シリアルナンバー704641508のプリンターで印刷された」ことを示しています。つまり、出品されているニドクインのテストプレイ用カードは2024年に印刷されたものであり、偽造品であることがわかるというわけ。



先述のイーブイのプレイテスト用カードの写真をチェックすると、以下のようにドットパターンが表示されていました。pfm氏によれば、ニドクインのプレイテスト用カードに印刷されていたパターンと比較すると、印刷年は2024年で、シリアルナンバーが同じだったとのこと。



初期プロトタイプカードはMac用の文書作成ソフトであるクラリスワークス 4で作成されたといわれています。pfm氏は実際にクラリスワークス 4でピカチュウのカードを作っており、「背景のドットに注目してください」と述べています。



そして、実際に出品されているピカチュウの初期プロトタイプカードがこれ。背景のドットが明らかに異なるため、偽造である可能性が高いとpfm氏は指摘しています。



他にも、出品されているプロトタイプカードの多くが印刷されたパターンから2024年に印刷されたと思われるとpfm氏は指摘しています。フォーラムでは「こんな見破り方があったのか」「カードを鑑定した格付け会社は責任の追及を免れられない」などのコメントが投稿されています。