全日本選手権FS終了後に手を取り合って笑顔を見せる長岡柚奈(右)、森口澄士組【写真:矢口亨】

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フィギュアスケート全日本選手権・ペアフリー

 フィギュアスケートの全日本選手権(長野・ビッグハット)は23日、ペアフリー(FS)が行われた。唯一の出場となった“ゆなすみ”こと長岡柚奈、森口澄士組(木下アカデミー)は会心の演技で117.57点をマーク。合計173.64点のシーズンベストを記録し、初優勝となった。11月のグランプリ(GP)シリーズ第6戦・NHK杯では合計135.39点だったが、1か月で38.25点も積み上げた。「自分たちができるほぼマックスの演技ができたんじゃないかな」と森口は喜びを口にした。

 出場1組だったから得られた金メダルじゃない。5月結成のゆなすみペアがショートプログラム(SP)に続いて進化を見せた。

 冒頭のダブルツイストに続き、3回転ループ、2回転アクセル、2回転アクセルの3連続ジャンプも息ぴったりに成功。スロートリプルループもきっちり決め、終盤に近づくに連れて拍手が大きくなる。フィニッシュが決まると、スタンディングオベーションが起きた。

 森口は手を叩いてガッツポーズし、長岡とハグで喜びを分かち合った。結成1季目。満員に近い会場に「圧倒されるかなと思ったけれど、なぜか気持ちが温かくなって、柔らかくなった。応援の力をすごく感じた」と感謝した。

 国際大会デビューだったNHK杯ではSP、FSともにミスが続いて8位。体力面、意識の違いに課題が見つかった。森口は悔しさからペアの練習に加え、以前シングルで使っていた曲を1日2回、ジャンプもフルで練習。体力をつけ「トレーニングの甲斐もあって、余裕があったように感じました」と胸を張った。

NHK杯後に意識揃った瞬間「ふと、2人で…」

 NHK杯の後、互いの意識も揃ってきた。森口は「ふと、2人で思いついて」と練習を回顧する。「誰かに言ってもらったわけじゃなく、たまたま同じことを2人で注意した時に凄くうまくいった。今、同じ方向に行けたから上手くいったよね?って。それがすごく大事なのかなと」。隣で頷いた長岡も「もっと良いコミュニケーションができるよう、自分の感覚をどう伝えるか2人とも気を付けた」と話した。

 表彰台ではお互いにメダルのリボンの向きを直し合い、長岡が落とした表彰状を森口が拾うなど信頼関係を感じさせた。今大会は世界のトップで戦う“りくりゅう”こと三浦璃来、木原龍一ペアが欠場。ゆなすみにとって憧れのペアだ。

 森口は「上手すぎてまだ足元にも及ばないというのが正直な僕の感想。見本にしようとしても難しい。だから、まずりくりゅう先輩を見本にしていいくらいのレベルになりたい」と語り、同じ大会に出るのが目標という長岡も「いっぱい練習して、ちょっとでも足元に行けるように頑張りたい」と決意を口にした。

(THE ANSWER編集部)