何も残せなかった23年シーズンを経てFC東京は正真正銘の本気度を示せるか。改めて堅守速攻にこだわる手も【コラム】
アルベル監督の下で「ボールを愛するサッカー」をあまり実践できず、6月以降のクラモフスキー体制ではどう組み立て、どう崩すか、それさえぼやっとしている有様だった。とりわけ、北海道コンサドーレ札幌とのホーム最終戦の後半は酷い内容だった。
しかし、チームとして“どこに向かっているのか”も不透明な現状を考えると、彼らの活躍を素直に喜べない部分もある。特定の個に依存しすぎではないか、と。
こうして厳しい言葉を並べるのも、長年FC東京の担当として試合を追っているから。情も移るし、できればリーグタイトルを獲得してほしいと願っている。しかし、現時点でその可能性への期待があまり膨らまない。
過去を振り返れば、FC東京がリーグタイトルに近づいたのは、2015年と2019年。マッシモ・フィッカデンティ監督と長谷川健太監督の時代だ。いずれもスタイルは堅守速攻で、2015年に武藤嘉紀を、2019年に久保建英を引き抜かれなければきっとJリーグの頂点に立っていたと、勝手ながらそう考えている。
2023年シーズンのFC東京は攻撃的に戦いたいスタンスは伝わってくるが、その方法論に問題を抱えているように映った。ならば、改めて堅守速攻にこだわっていいのではないかと思う。過去の戦績を見ても、だ。
ホーム最終戦のセレモニーで、森重は「FC東京がどこを目指しているのか、それはもちろんリーグ優勝であり、その先にあるアジア制覇だと思っています」とコメント。その目標に向かってチーム一丸となれるか。とにかく、ファン・サポーターに“本気度”を示したい。
来季のJ1リーグは、FC町田ゼルビア、東京ヴェルディを含め首都クラブが3つになる。黒田剛監督(町田)、城福浩監督(東京V)と確固たる信念を持った指揮官の下で鍛えられたチームに負けないためにも、FC東京は正真正銘の本気度を見せないといけない。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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