Amazonが現地時間の2022年9月28日、非接触型の睡眠トラッカー「Halo Rise」を発表しました。Halo Riseは体に装着するのではなくベッドの脇に設置するタイプの睡眠トラッカーであり、レーダーを使って寝ている人の動きや呼吸を検知し、臨床データで訓練された機械学習アルゴリズムに基づいて入眠のタイミングや睡眠段階を追跡するとのことです。

Amazon Introduces Halo Rise-A First-of-its-Kind Bedside Sleep Tracker | Amazon.com, Inc. - Press Room

https://press.aboutamazon.com/news-releases/news-release-details/amazon-introduces-halo-rise-first-its-kind-bedside-sleep-tracker

Amazon Halo Rise advances the future of sleep - Amazon Science

https://www.amazon.science/blog/amazon-halo-rise-advances-the-future-of-sleep

Amazon’s latest Halo device is a bedside sleep tracker | TechCrunch

https://techcrunch.com/2022/09/28/amazon-halo-rise-sleep-tracker/

フィットネス市場への参入を進めているAmazonは2020年にフィットネス用リストバンドの「Halo」を発表したほか、2021年には「レーダーを用いた非接触型の睡眠トラッカー」を開発していると報じられていました。

Amazonがレーダーを用いた睡眠追跡デバイスを開発中であることが判明、一体どんなシステムなのか? - GIGAZINE



そして今回、Amazonは非接触型の睡眠トラッカー「Halo Rise」を発表しました。Halo Riseがどのような睡眠トラッカーになっているのかは、以下の動画を見るとよくわかります。

Introducing Amazon's Halo Rise | Amazon News - YouTube

Halo Riseは丸い形状をしており、スタンドで直立するようになっています。



Halo Riseは超低電力無線信号を安全に放射・受信する内蔵レーダーセンサーを備えており、複数のアンテナで反射信号間の位相差を検出することで、測定対象までの距離や対象の動き、呼吸などを測定することが可能。また、時計やスマートアラーム、起床ライトとしての機能も持っています。



ユーザーはセットアップの段階でベッドサイドにHalo Riseを置き、アプリで「ベッドのどちら側で寝ているのか」を入力する必要があります。



Halo Riseはレーダーと機械学習アルゴリズムの組み合わせでベッドの位置やベッド外の領域を検出し、ユーザーに接触することなく睡眠状況をトラッキングすることができるとのこと。



周囲の明るさや室内温度、湿度といった睡眠に影響するデータも収集し、ユーザーに科学的裏付けのある睡眠アドバイスを提供するほか……



起床時間になると光やアラームを発することで、ユーザーの概日リズム維持を助けます。Alexaと連携させてスピーカーから音楽を流すこともできます。



トラッキングできるのは睡眠時間だけでなく、動きや呼吸から入眠のタイミングを検出することも可能。



さらに、浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りの時間を測定することもできます。なお、Halo Riseにはカメラやマイクは搭載されておらず、誰かがセンサーの範囲内にいる場合のみ睡眠検出機能がアクティブになるほか、手動で睡眠トラッカーをオフにすることも可能です。



また、「寝る前にベッドで寝転がりながら本を読む」「ベッドに入ったままTVを見る」といったアクティビティと、本格的に寝ようとした段階を区別することも可能で、「寝ようとしてから入眠するまでの時間」といったデータも収集できるそうです。



同じベッドで複数人が寝ている場合でも、デバイスに最も近いユーザーを正しくトラッキングするとのこと。



Halo Riseは数千時間に及ぶ臨床睡眠データセットで訓練された機械学習アルゴリズムを搭載し、ユーザーの睡眠状況を適切にトラッキングすることが可能。睡眠データセットには、身体に測定装置をつけてデータ収集を行う終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)のデータが含まれており、非接触でありながら高い精度を実現したとのこと。



Halo Riseの販売価格は139.99ドル(約2万円)で、2022年中にアメリカのユーザー向けに出荷が開始される予定。なお、Amazonの健康管理サブスクサービスである「Halo Fitness」「Halo Nutrition」の6カ月間メンバー権も付属するとのことです。



Amazon Smart Home and Health担当ヴァイス・プレジデントのMelissa Cha氏は、「質の高い睡眠は、私たちの健康や幸福にとって非常に重要な要素です。忙しい現代社会においてより良い睡眠をとることは、お客様から最も要望が多いものの1つです」「Halo Riseはバックグラウンドでインテリジェントに動作するように設計されており、新しく簡単な方法で睡眠を管理し、睡眠と生活の調和を達成することができます」と述べています。

テクノロジー系メディア・TechCrunchのライターであるBrian Heater氏は、「ウェアラブルではない睡眠トラッカーにはやはり価値があると言いたいです。スマートウォッチの大半は寝る時に装着するのが不快で、睡眠を追跡しようとすることで睡眠そのものが変化してしまい、ウェアラブルデバイスの『観測者効果』のようなことが起きてしまいます」と主張。非接触型の睡眠トラッカーであるHalo Riseに期待を寄せていました。