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発売日は9月2日 ホンダが正式発表

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

ホンダが、新型シビック・タイプRを9月2日に発売すると明らかにした。

【画像】ソニックグレーの新型「シビック・タイプR」【細部まで見る】 全135枚

新型シビック・タイプRについては、すでに今年の7月に世界初公開でスタイリングが公開されていたが、今回、スペック・車両価格などの詳細が発表された形だ。


ホンダ・シビック・タイプR(チャンピオンシップホワイト)    宮澤佳久

ホンダでは、各車両において、究極のスポーツモデルを「タイプR」と名づけてラインナップしている。

最初にタイプRの名が与えられたのは、1992年に発表された「NSX(初代)タイプR」。つづいて、1995年に発表された「インテグラ(3代目)タイプR」。

そして1997年に、6代目シビックがマイナーチェンジされたときに、シビックにも初めて「タイプR」が設定された。

以来、シビックでは2001年(7代目)、2007年(8代目)、2009年(8代目欧州シビックのタイプRユーロ)、2015年(9代目)、2017年(10代目)にタイプRが設定されてきた。

今回の新型は、ユーロRを除けばシビック・タイプRとしては6代目にあたるが、ホンダではとくに「○代目」とは明記していない。いずれにしても、タイプRが歴代のシビックにおいて、最強のモデルであることは間違いない。

では、新型シビック・タイプRは先代からどう進化したのか、その概要を紹介していこう。

サイズを比較 90mmもワイドに

新型シビック・タイプRのボディサイズは、全長4595×全幅1890×1405mm、ホイールベースは2735mm。

ノーマルの現行型シビックと比べると、全長は45mm長く、全幅は90mm幅広く、全高は10mm低い。ホイールベースは同じだ。


先代シビック・タイプR(FK8)と比較すると、全長は35mm長く、全幅は15mmワイドで、全高は30mm低い。    宮澤佳久

外観は、高性能マシンとしての質感・純度を高め、官能美を追求。フロントは、ひと目でタイプRとわかる迫力と、これまでにない色気を感じさせる表情とした。

また、フェンダーアウターとリアドアをタイプR専用に新作することで、圧倒的な性能を予感させるだけでなく、色気と一体感に満ちたデザインを実現。冷却性能向上のため、グリル開口部は大きくされている。

リアデザインは、ベースモデルのスリークなシルエットを活かしながら、迫力あるロー&ワイドフォルムとグラマラスなリアフェンダーによって地を這うレーシングカーのような佇まいを目指した。

また、サイドシルガーニッシュ、リアスポイラー、リアディフューザーといったタイプRのパフォーマンスを実現するために作り込まれた空力パーツは、ブラックにペイントされ全体を引き締めている。

ボディカラーは、チャンピオンシップホワイト、ソニックグレー・パール、クリスタルブラック・パール、フレームレッド、レーシングブルー・パールの5色を設定している。

2Lターボ どうやって330馬力?

パワートレインは、先代シビック・タイプRに搭載されていた2.0LのVTECターボの骨格をベースに開発。

ターボチャージャーの刷新などにより、最高出力は330ps/6500rpm、最大トルクは42.8kg-m(420Nm)/2600-4000rpmを発生。


新型シビック・タイプRの前席内装。フロアマットを装着。ホンダはパワーウェイトレシオだけでなく、最高速度もFFモデルNo.1と発表(9/1時点)。    宮澤佳久

先代よりも、10ps/20Nmのパワーアップを果たしている。

これにより、パワーウェイトレシオと最高速ともに先代から進化させ、FFモデルNo.1(9/1時点ホンダ調べ、以下同)を達成したという。

ターボエンジンでは、過給圧を上げて出力値を向上させても、タイプRで重視するレスポンスが犠牲となる。

そこで、先代エンジンの骨格をベースに、タービンの羽根の枚数を減らしながら、コンプレッサーホイールの小径化・タービン側スクロールの小型化を図り、強度・バランスを見極めながら軽量化。あわせてベアリングの構造変更も行いフリクションを低減した。

さらにインテークの管径アップとストレート化による吸入抵抗の低減や、ラジエーター/インタークーラーの冷却性能をアップ。

レスポンスの良さ・力強さ、高回転域までの伸び感を重視し、ターボまわりをトータルで最適化。2.0Lターボでトップクラスとなるツイン・スクロールターボ次元の出力/レスポンスを、軽量なモノ・スクロール・ターボチャージャーで実現した。

ギアボックスは6速MTのみだが、新設計のレバー構造によりシフトレバーの高剛性化と横方向のガタつき成分を排除し、ダイレクト感・節度感の向上を目指した。また、ゲート形状をストレート化させて、5速から4速といった斜めシフト時のスムーズ感を最大化した。

FF最速の鍵、シャシーの進化

フロントタイヤの負担が大きいFFモデルにおいて、旋回限界を高めるためには高い荷重領域でのタイヤパフォーマンスをいかに確保するかが鍵。

今回、FFであるタイプRの荷重移動特性から、最適なタイヤ特性を導き出し、ミシュラン社と共同開発を行い、旋回時最大Gにおいて、FFモデルNo.1を実現した。


ドライブモードは、「コンフォート」「スポーツ」「+R」「インディビジュアル」という4種類。エンジン、ステアリング・アシスト量、サスの減衰量、サウンド、レブマッチ、メーター表示の設定が変更される。    宮澤佳久

サスペンションの反力をタイヤに伝えるアルミホイールにも新たな技術を投入。

ノーマルタイプのリムに対し、インナー/アウターの形状を反転させた「リバースリム構造」を採用。ホイール・イン側の歪みを低減し、旋回Gや加減速時のタイヤ内側の接地圧を安定させて接地性向上を図り、タイヤの能力を高く引き出した。

また、エンジン出力アップとワイドタイヤの装着に対応し、デュアルアクシス・ストラットサスペンションを進化。

ワイドタイヤの採用によりホイールセンターが外に移動するため、そのままではホイールセンターとキングピン軸の距離(センターオフセット)が増大してしまう。そこで、タイヤの転舵軸となるキングピン軸を外に移動し、センターオフセットの増大を抑制。

あわせてサスペンション・ジオメトリーも最適化し、強大な駆動トルクをしっかりと路面に伝え、狙ったラインを外さない“駆動力タフネス”を実現した。

また、サスペンションアームも剛性・形状のさらなる最適化を行いキャンバー剛性を向上。グリップアップしたタイヤ性能を高荷重領域まで余すことなく発揮できる、タイプRにふさわしいフロント・サスペンションを新設計した。

内装・シート・インパネも本気

インテリアでは、「乗り込むときの高揚感」と「運転時に集中できる空間」を、赤/黒を用いてハイコントラストに表現した。

シートとフロアカーペットの色は赤として、気持ちの高ぶりを演出。


ホンダ・シビック・タイプRの前席内装(内装色:ブラック/レッド)。    宮澤佳久

また、サーキットでの限界走行時においても運転に集中できるように、直感認知性を向上させたノイズレスな視界を追求。反射を抑えた偏光ガンメタリック塗装を採用するなど、インストゥルメント・パネルはブラック基調としている。

シートは、軽量化を実現しながら、骨盤の支持やステアリングを転舵するときの上腕部分のサポート性に優れ、長時間運転しても疲れにくい造形がポイント。

ノーマル・シビックのボディ・スタビライジングシートをベースに専用開発を進めた。

具体的には、テストコース/サーキットを徹底的に走り込み、多面体のシートバックや座面、サイドサポートの形状、ウレタンの硬度を場所によって変化。さまざまな体格の身体を包み込む“タイプR史上究極”のサポート性能を獲得したという。

なお、リアシートは2人掛けとして、乗車定員は4名になる。

その後席には、密着性が高く摩擦抵抗の高いスエード調表皮を用いることで、コーナリング中に横Gがかかったときのリア席乗員のホールド性を高めた。

ADAS/装備 「ホンダ・ログR」とは

新型シビック・タイプRは、先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備。

広い範囲・高い精度で対象物を検知するフロントワイドビューカメラや、ガラスや外壁など非金属も高精度で検知する前後ソナーセンサー、リアのレーダーを採用。「サポカーS<ワイド>」に相当する機能を備えた。


ホンダ・ログR「パフォーマンスモニター機能」の3Dモーション表示。これ以外にも、Gメーター/タイヤ摩擦円、計器、「スコアリング機能」ではオートスコア、データログ、VSモードの画面が用意されている。    宮澤佳久

タイプRならではのユニークな装備としては、専用データロガーである「Honda Log R(ホンダ・ログR)」を車載ナビにアプリとして搭載。

自身の運転操作によるクルマの機械的な運動情報などをリアルタイムに知ることができ、また、その情報をタイプRユーザー同士でシェア可能。人とクルマとの新しいあり方を提案する。

なお、ホンダ・ログRの機能としては、以下のようなものがある。

1. 水温・油温、ステアリング舵角、ブレーキ圧、アクセル開度、ヨーレートなどの情報を表示して、スキルの向上に貢献する「パフォーマンスモニター機能」。

2. 一般道向けの「オートスコア機能」と、サーキット走行向けの「データログ機能」を搭載し、走行中の車両・操作情報をスコアリング。ドライビングスキル向上をサポートする「スコアリング機能」。

3. スマホにログRのアプリをインストールすれば、走行データをいつでも確認でき、アプリで走行動画を撮影すると、走行データと同期させた動画を作成し、SNSなどでシェアできる「スマートフォン用ホンダ・ログR・アプリ」。

価格について

新型シビック・タイプRはモノグレードで、税込みの車両価格は499万7300円。

4色のボディカラーのうち、「ソニックグレー・パール」のみ3万8500円高となる。


シビック・タイプRのホンダアクセス用品装着車(ソニックグレー・パール)    宮澤佳久

販売計画台数は、月間400台とされた。

新型シビック・タイプRのプロトタイプは、すでに鈴鹿サーキット本コースでのFF最速ラップタイムをマーク。今秋には、ニュルブルクリンク旧コースでのFF最速ラップ更新を目指して、タイムアタックに挑むことも考えられる。

新型シビック・タイプRが、正真正銘の「FFモデルNo.1」を標榜するのは、もうすぐのことかもしれない。

新型ホンダ・シビック・タイプR スペック

価格:499万7300円
全長:4595mm
全幅:1890mm
全高:1405mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費(WLTC):12.5km/L
CO2排出量:185.7g/km
車両重量:1430kg
エンジン形式:1995cc直4ターボ
使用燃料:プレミアムガソリン
最高出力:330ps/6500rpm
最大トルク:42.8kg-m(420Nm)/2600-4000rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乗車定員:4名


ホンダ・シビック・タイプR(チャンピオンシップホワイト)    宮澤佳久