ガソリンとハイブリッド「結局どっちが買い!?」新型ミニバンで選ぶべきは「ハイブリッド一択」な理由

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ひと昔前の常識「ハイブリッドの燃費差で価格差を埋めるのは無理」も今は違う!

 ひと昔前までハイブリッド車は「新しい物好きの人」や「エコに対する興味関心が高い人」が選ぶものというイメージがありましたが、いまではすっかり市民権を得たといっても過言ではありません。

 そんなハイブリッド車ですが、ガソリン車と併売されているモデルは「その価格差を燃費などの差額で埋めるのは難しい」というのが定説でした。いまはどうなのでしょうか。

トヨタ 新型「ノア」

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 10年前くらいまで、ハイブリッド車とガソリン車の差額は大きいものでした。

 例えば2代目のトヨタ「エスティマ」(2000年から2006年/ハイブリッドは2001年から)に設定されたハイブリッド車とガソリン車の差は、なんと46.5万円(ガソリン車:2.4リッター・4WD/ハイブリッド:4WDの同等グレード同士での比較)となっていたのです。

 そればかりでなく、今ほどガソリン単価も高くなかったこともあって、燃料コストなどだけで差額を回収するのは至難の業であったことは確かです。

 しかし、現在ではガソリン単価の高騰に加えて、ハイブリッド車とガソリン車の価格差もグッと小さくなってきました。

 これは意外とその価格差を吸収できるのではないか、と期待できそうな状況になってきました。

 トヨタのミディアムクラスミニバンである新型「ノア」のガソリン車とハイブリッド車の価格差は、2WD仕様で35万円-38万円となっています。

 新型ノアの最上級グレード「S-Z」で比較してみましょう。価格はガソリン/2WD車が332万円、ハイブリッド/2WD車が367万円となります(価格はすべて消費税込み、以下同)。

 まずは購入時の支払い総額です。

 税金や自賠責保険料、販売諸費用を含めた参考見積もり価格(販売諸費用は参考値で、地域等により異なります)で、現金一括支払い、値引き・オプション及び下取りなし、7月登録での試算をみてみましょう。

 新型ノア S-Zの支払総額は、ガソリン車が356万3550円、ハイブリッド車が378万2950円となりました。

 この時点で、すでにガソリン車とハイブリッド車の35万円の差額が、21万9400円まで縮まっています。

 これはハイブリッド車の自動車重量税と自動車税環境性能割が非課税となるためです。

 対するガソリンモデルはしっかり課税されるので、この税分となる13万600円を支払わなければなりません。

燃費差に加え、税金優遇や将来の下取り価格まで…もはや選択肢は「ハイブリッド」しかない!?

 続いては、燃費性能の違いにおける燃料コストの差を計算してみましょう。

 カタログ燃費(WLTCモード燃費)でみると、新型ノア(S-Z)のガソリン車は15.0km/L、ハイブリッド車が23.0km/Lとなっています。

 実燃費を8掛けと仮定すると、ガソリン車が12.0km/L、ハイブリッド車が18.4km/Lということになります。

 1000km走るのに必要な燃料は、ガソリン車が83.33リッター、ハイブリッド車が54.35リッターという計算です。

 新型ノアは、ガソリン車、ハイブリッド車ともにレギュラーガソリン仕様となっています。

 2022年6月22日時点の資源エネルギー庁の発表によると、レギュラーガソリンの全国平均は173.9円となっていますが、ここは分かりやすくするために「170円/リッター」で計算してみましょう。

 1000km走るのに必要なコストは、ガソリンモデルがおよそ1万4166円、ハイブリッド車がおよそ9240円ということになり、1000km走るコストの差は4926円となりました。

 もし月に1000km走ると仮定すると、1年で5万9112円の差額となり、4年間で23万6448円となります。

 つまり4年乗り続けると、購入時の差額である21万9400円を簡単にペイできる、という計算となるのです。

[※編集部注記:2022年7月8日、自動車税額の記載に誤りがあったため修正。加筆済み]

トヨタ 新型「ノア」

 また、最終的に車両を手放す際の売却額においても、差が出そうです。

 同程度のガソリン車とハイブリッド車では、20万円前後の買い取り(下取り)価格差があります。こちらは先代ノア/ヴォクシーでの中古車買い取りデータを参考にしたものです。

 場合によっては、3年乗って初回車検のタイミングで手放したとしても、ハイブリッド車のほうが結果的に少ない出費で乗ることができるということになる可能性も高そうです。

 ガソリン車に比べると複雑な機構を持つハイブリッド車ではありますが、新車で購入すれば3年はメーカーの保証が付きます。延長保証もプラスすれば、向こう5年間はトラブルが発生しても予定外の出費が発生することはありません。

 そういったことを考慮すると、よほどの理由がない限り、新型ノア/ヴォクシーにおいては、ハイブリッド車を購入したほうが結果的に少ない費用で、より快適なドライブを楽しむことができるといえるのではないでしょうか。

 クルマ選びをする際は、目先の支払い額だけでなく、中長期的なことも考慮することで、より賢い買い物ができるのです。