立民代表選の全候補者が共産党との共闘に「見直すべき点」 維新との関係では意見分かれる - BLOGOS編集部
※この記事は2021年11月24日にBLOGOSで公開されたものです
枝野幸男氏の辞任に伴う立憲民主党の代表選が始まり、22日、日本記者クラブ主催の討論会で4候補者が論戦を交わした。この中で選挙戦における「野党共闘」について各候補者が自身の考えを説明した。
先の衆院選で選挙区の候補者一本化などで選挙協力をした共産党との関係について、「間違っていたと思う方はいるか」という問いで挙手を求められると、候補者のうち1人も手を挙げなかった。一方で、「見直すべき点はあったという方はいるか」という問いには、全員が手を挙げた。
衆院選の結果をめぐっては、逢坂誠二氏、小川淳也氏、西村智奈美氏の3名が一人区での候補者一本化の成果があったことを強調した。しかし泉健太氏、逢坂氏の2名は「政権交代」を掲げたことについて、国民の意識とズレがあったと述べ、小川氏は「野党共闘という言葉が何を意味するのかを伝えられなかった」と振り返った。西村氏は「上から急に決まったという形では、党員の理解を得るのは困難」とし、共闘の進め方をめぐる課題を指摘した。
また、日本維新の会、国民民主党との関係については、小川氏、泉氏、西村氏の3名が国民民主との関係をより密に考えていると説明した。さらに小川氏と泉氏は維新との連携も視野に入れる考えを示したが、西村氏は「考え方が相容れない」とし、維新には積極的な呼びかけをするつもりはないと説明した。逢坂氏は「どこの党とも等距離で話し合いをしていく中で、野党のあり方が決まっていく」としている。
共産党、維新、国民民主といった野党、そして連合との関係をめぐる4候補者の発言全文は以下の通り。
――衆院選の総括に入りたいんですけど、選挙前の世論調査では与野党伯仲の状況を望むという声が1番多かったんですね。しかし残念ながらこういう状況になっている。特に比例代表で議席を減らした敗因、これの1番の原因は何か。
小川:逢坂さんのおっしゃった通り、4年前が発射台になりますので、旧立憲で約1000万票、旧希望で約1000万票、合わせて2000万票近い得票が発射台になっていました。ですからそれからすると今回の1200万(票)弱というのは、かなり取りこぼし、取り逃がしたものが大きい。それはいわゆる、例えば穏健保守層、自民党に入れようかどうしようか迷っているような人たちから、吸引力、引きつける力が弱かった。そして、結果としてウイングが狭まってしまった。それ自体が党の現状の魅力であり、また地力の弱さが出たんじゃないか。ですから政権の受け皿として認知されていれば、その辺りを全部取りこぼさなくて済んだと思うんですが、結果として政権の受け皿として認知されず、一定のウイングの方々から支持、得票を得られなかった。そういう結果として受け止めています。
泉:小選挙区では議席を伸ばしたので、選挙の結果というのは紙一重だなという風に思いますけど、今になって思えば、比例で議席を獲得しきれなかったということについては、「比例区は立憲民主党」という訴えが弱かった、(訴えを)できなかったんじゃないかと思います。これは国民民主党と一緒に、選挙区で協力し合いながら闘っていくときに、比例区の訴えかけはしにくくなるというのは当然出てきますし、共産党さんやれいわさんや、社民党さんと一緒に街頭演説をするときには、候補者としては「比例区はどこどこ」と特定の名前を言いにくい環境っていうのがあったと思います。そういう中で選挙区での活動は活発に行われたんですが、比例区の取り組みっていうことについて、活動が十分ではなかった点があったのではないか。この辺り今後よく検証したうえで見直しをしていく必要があろうかと思います。
西村:今回の総選挙で立憲民主党は確かに議席を減らしました。しかし立憲民主党としての訴えが、あるいは目指している社会像が否定されたわけではないと考えています。ただ議席を減らしたということは厳然たる事実ですので重く受け止め、この選挙を通して私たちの考え方が本当にクリアに有権者のみなさんに届けきることができたのかどうか、そこはよく反省をしてみる必要があると考えています。それぞれの選挙区で全国の仲間たち、候補者、本当にいい闘いをそれぞれされました。しかし党として見直していくべきところは、戦略、戦術、訴え方、スケジュールの見通しの立て方、こういったことはあると思っております。
――逢坂さんは先ほど、日常活動が足りないという風におっしゃいましたけども、これをきっちりやっていくということはかなり時間がかかるということだと思う。各地の首長選で自民党と相乗りをしているところが結構ある。そういうところも見直さないと、立憲民主党としての地域の基盤はできないのではないか。日常活動を党の基盤としていくためには、どういう努力が必要になるか。
逢坂:我々は様々な方々に支援をいただいているんですが、支援をしていただいている方のところだけを回るんでは日常活動が強化されないんですね。だから支援をいただけないようなところにもどんどん日常からアプローチをしていくことが非常に大事だと思っています。それから加えて今お話のあった地方議員や地方の首長さん、我々のことに対して親和性をもってくれる地方の首長さんや議員を増やしていくことが非常に大事なことだと思っております。ただその活動が我が党は少し弱いと思っていますので、この2つですね、支援をいただけないところにもどんどん行って課題を発掘する、そしてそれに対して具体的な解決をしていくということ。それから首長や議員を増やすための努力は今まで以上に重ねるということは大事なことだと思っています。
――共産党との共闘の是非が選挙後問われて、連合は共闘に反対しているということ。挙手でお答えいただきたいんですが、今回の衆院選での共産党との共闘は間違っていたと思われる方(全員手を挙げず)。では見直すべき点はあったという方(全員挙手)。ではどこを見直して、参院選でどうするのか。
泉:共産党との2党の共闘ではそもそもないわけですね。立憲民主党としては野党全体の協力、連携を目指してきたということがまず一つです。そういう中で、では訴えるときに各政党と歩調を合わせて訴えることができたのだろうかということがまず大事だと思います。例えば我々は政権選択選挙を目指して、立憲民主党で単独過半数に届く候補者を擁立しましたが、一方では正直なことを言えば多くの国民のみなさまは選挙中盤辺りからは、政権交代ということではなく、むしろ与野党伯仲を望んできていた時期があったと思います。一方で、にもかかわらず「野党政権」「政権交代」ということがどんどん世の中に発信されることが本当に国民のみなさまが求めていたメッセージなのか。こういうことも含めて、各党の訴え方を合わせていく必要があるんだろうなと思います。
西村:今回の総選挙で直前になって候補者調整が行われて、他党の方が候補者を降ろしてくださったり、他党の方が立憲民主党の候補者の名前を書いてくださったりした。これは大変大きな成果があったと考えています。ただし基本的政策が違う政党、政党ですからそれぞれ基本的政策は異なっております。そこを踏まえたうえで、地域の事情も色々ありますし、丁寧にやっていく必要があったのではないかと考えています。先ほどの逢坂さんへのご質問とも関連しますけど、上から急に決まったという形では、地域で頑張ってくださっている党員のみなさんのご理解などを得るのはなかなか困難かという風に思います。党運営に地方の声をしっかりと強化して、活かしていく、その方式を合わせて考えていきたいと思っています。
――「地域の事情」というのはみなさんおっしゃってよく分かるんですけど、最終的には党首間での合意というところで、合意されるんですよね?ここはどう整理されるんですか。
西村:地域の声を聞きながらエッセンスのところで合意できるものは党の本部同士で丁寧にやっていかなければいけないことだと考えています。
逢坂:一つは、一人区において一対一の構図が作れたことによった成果はあったと思っています。もう一つ大問題は「政権交代」という言葉に囚われすぎているんですね。衆議院選挙は政権選択選挙だと。国民のみなさんが今回の選挙に臨むにあたって果たしてそういう現実感があったか。国民のみなさんはそこまでそうは思っていなかったと思います。にもかかわらず政党の側が、「これは衆議院選挙だから政権選択選挙だ」「政権構想を作らなければならない」。そして各党間でそういうことに踏み込んだ話し合いをし始めた。これは国民感覚からすると相当ズレていたと思っています。だから国民のみなさんは何を求めているのかっていうところを読み誤ってしまったと私自身は反省をいたしております。したがいまして、次の選挙に臨むにあたってどういう構えで、野党が様々な立ち位置を確保するかっていうのは丁寧に議論したいと思います。
――政権構想でいうと、共産党との限定的な閣外協力っていう、これの説明が非常に難しかったかなと思うんです。次の参院選に向けては、これは維持されないというお考えでしょうか。
逢坂:これまでの選挙の例を見ると、前回の参院選挙でも似たようなことをやっております。それから今回もやっております。選挙の都度そういう話し合いをやっておりますので、今回そういった限定的閣外からの協力ということをやったことは事実は事実として残っていますが、次の選挙に向けてはもう一度話し合いというものがスタートするんだと思います。
――はい。小川さん。
小川:一人区を一本化する努力をしたこと自体はそれなりに意味があったと思っています。ただ野党共闘という言葉が安保法制以降語られるようになっていますが、今随分多義化していまして、かたや連合政権、連立政権をいう人もいれば、国会協力、そして閣外協力、今回は部分的閣外協力ですから、それが何を意味するのかということが伝わらなかった。したがって私は選挙区調整、一人区の調整は必要だと思いますが、それ以上の共闘の深化をいうなら、やはり政策的な議論、そして丁寧なプロセス、国民的な理解が必須だと思います。そういう意味で見直すべき点があるんじゃないかという気がしています。
――穏健な中道が逃げているとおっしゃいますが、投票率が55.93%と非常に低い。その人たちは棄権に回ったという風にご覧になっているのか。それが維新だとかそういうところに行ったと思っているのか。
小川:やはり投票率が高い方が無党派層の投票傾向がきちんと捕まえられるという意味では、私どもとしては決して不利ではない。ちなみに政権交代選挙のときは投票率が70%ありましたから。やはりそれが理想だろうと思います。しかしかたや50%台だと仮にあっても、自発的な求心力、積極的魅力あればそのパイの中でももう少し取り込んでいける余地はあるんじゃないかなと思っています。ですから投票率が低いことに甘えるつもりはありません。
――国会対応について伺いたいと思いますが、日本維新の会が躍進をした、国民民主はこれまでの野党共闘から離れるという方向を示しています。野党第一党としてどうしていくか。国会対応を維新の会と、国民民主、同列に扱っていくのかどうか。
西村:国会対応は自民党政権に対する行政監視をやるのと同時に、私たちが考える政策について一緒に取り組んでいくということもありましょうし、また私たち自身の提案として行うことによって社会を少しずつ良い方向に変え、命と暮らしを守る。これが大前提だと考えています。その中で国民民主党は、私ともかつて同じ政党として一緒に活動していた仲間が多いです。維新の党さんと連携するというような報道も聞いておりますけれども、引き続き私は連携の可能性はないか、その可能性を模索して、働きかけをしていきたいと考えています。維新の会については、その方々に投票した方々の思いを含めつつ、しかし公を大事にしたいと考えている私の思いとはなかなか相容れないところもあると思っておりますので、積極的な働きかけは今のところ考えていません。
――逢坂さんはこの2党との関係は温度差があるのでしょうか。
逢坂:2017年のあの選挙以降、予算委員会の筆頭理事を務めておりました。あのとき野党がバラバラだったんです。相当苦労しましたけれども、私は等距離で各党と話をして、野党内をある程度一定の方向へ導いていくということをやりました。維新のみなさんとも話をさせていただきました。だから基本的に今の段階でどこかの党と近づくとか、近づかないとか、そういうことは私の性質からするとそうではなくて、虚心坦懐にどこの党とも等距離で今後話し合いをしていく中で、野党のあり方っていうのは決まっていくんじゃないかって、自分の経験からはそう思っております。
小川:先方がどう思っておられるか慎重にと思っていますが、私どもとしては国民民主党におられる方は元々同じ党で長年やってきた方々でして、肉親といえばいいのか、親戚といえばいいのか、友人といえばいいのか、非常に近しい思いを持っています。向こうがどう思っているかは別として。これは支持団体、連合さんも色んなご意向を持っていますし、そういう意味では関係改善に努めたいという気持ちがあります。維新さんとの関係は、対話のチャンネルをこちらから閉ざす必要はないと思いますが、こちらから何か軸足をずらして、寄っていったりとか、阿ったりというつもりはありません。
――泉さんも、悩ましいと思いますがどうですか。
泉:そんなに悩ましくはないですね。私も国会対策委員長をしてきたこともありますので、基本的には全党、全会派と良好な関係を国会内では築きながら、賛否は色々あるわけですね。そういう中で文書通信費については、維新さんが問題点を発見した。しかし立法という意味では立憲民主党がリードしているというところもありますので、むしろこちらから文書通信費の日割りについては、各党に呼びかけをしていきたいと思っております。そういう部分では維新さんとも一緒にやることもあると思いますが、基本的には国民民主党さんの方がやりとりが増えていくのかなという風に思っています。
――ちょっと話に出たんですけど、連合との関係も簡潔に聞いておきたい。依存が強すぎるという指摘もありますが、見直しますか。
逢坂:ポイントは2つ。今回神津(里季生)会長から新しい芳野(友子)会長に変わったことによってコミュニケーションが不足していたのではないか。それはお互いこちらも選挙直前、向こうも変わったばかりということもあって、コミュニケーションはこれから深めていかなければならない。これが1点です。それから2点目が、我々は働くみなさんのためにこれまで一緒に仕事をする政党だったんですが、国民の人口構成を見てみると、リタイアされて働いていない方々もものすごく多いんですね。それから働きたくても働けない方も多い。それからこれから働こうとして色々努力している方もいっぱいいるわけですから、そういう意味では連合さんとの関係もきちんとしながらウイングを広げていかないと我が党は政権交代できる、その立場になれる党にならないと思っています。
――小川さんにも伺います。組合依存とも言われる体質は批判もありますが、変えていく必要はあるんでしょうか。
小川:人によると思いますが、例えば選挙で連合に依存しているのか、人によると思います。できるだけまず地力があって、そして支持団体は広い方がいいということにすべきだと思います。同時に私どもは労働基本権はすごく大事なことだと思っていて、使用者側と働く側は対等ではありませんから、組合運動そのものは支持基盤であると同時に、社会的重要な価値だと堂々と申し上げたい。ただし野党も変わらなければいけないんですが、連合さんにもこれから変わっていただく努力も必要だと思っています。今、大企業の正社員の方がほとんど中心なんですね。今、中小零細事業所、それから拡大している非正規の方々。この方々の労働基本権をどうやって実質的に担保していくのか。こうした連合さんの努力が見えることで、国民的な運動になるし、その上に立脚した新しい政治運動を展開したい。そういう思いを持っています。
――泉さん、どう思っていますか。
泉:連合というのは現場の働く方々の声を集めている組織だと思いますし、政策的には非常にありがたい存在だと思っています。36協定の推進ですとか、勤務間インターバルを進めていく、そして今副業とか兼業が話題になっているときに、失業なき労働移動、こういうのも大事ですのでこれからも政策的にはしっかり連携をしていきたい。恐らく連合さんも選挙のときに連合にばっかり依存するなよときっと思っておられると思います。政治家たちは地域に根差して、働く者のみなさんと協力しながら選挙態勢を作っていくということが大事であって、おんぶに抱っこというのは、連合のみなさんもそういうことは望んでおられないと思いますので、体質強化をしていきたいと思います。
――西村さんはどうですか。
西村:連合のみなさんとは労働法制の分野、あるいは社会保障の分野で政策的には様々意見交換をさせていただきながら、これまで国会活動を行ってまいりました。そして私にとっては、あるいはここにいる4人ともが恐らく、いいときも悪いときも支援してくださった大変心強いパートナーであります。ですので大事にしていきたい。その上で新しい会長がご就任をされましたので、今後の党と連合との付き合い方、あり方についてはじっくりと一度新しい会長とお話し合いをさせていただきたいと考えています。
