完全に「牛乳を味わうため」の飲み物だ...! SNS注目のJA全農「ミルクティー」がマジでうますぎ
今、ツイッターで注目を集めている人気の「ミルクティー」を、あなたはもう飲んだだろうか?
2021年12月1日から数量限定で販売している、JA全農の「ミルクティー」(税別158円/本)だ。
今年の年末年始は、生乳の需要が例年にないほど落ち込むことが懸念されるため、消費拡大の一助になればと開発されたものだという。
JA全農の公式アカウント(@zennohweekly)が1日にこの商品をツイッターで紹介したところ大きな反響があり、約2万5000件の「いいね」、2万弱のリツイートが集まっている(15日時点)。
最大の特長は、国産の牛乳を50%以上と、たっぷり使っている点。さらに、茶葉は神奈川県農協茶業センターの「箱根山麓紅茶」を使用。ミルクのまろやかな味わいと紅茶の爽やかな香りとの、絶妙なバランスが味わえる一品だ。
現在、JAタウン内の全農酪農部公式オンラインショップ「酪市酪座」の他、関東地方のAコープ(農協の購買部門。スーパーと同様の事業形態)や、神奈川県内のJA直売所でも購入できる。
さっそく記者も、Aコープ汐見台店(神奈川県横浜市)でこの「ミルクティー」を購入し、飲んでみると――驚きの体験が待っていた。
他社製品と飲み比べたら...
紅茶の中では、ミルクティーがいちばん好きな記者。ワクワクしながらひと口飲むと......かつてないミルキーさが広がった。
紅茶が主役で、そこにミルクを加えるミルクティーとは全く違う。
社内の自販機では「紅茶花伝」のミルクティーが買えるのでそれと飲み比べてみると、一目瞭然だった。
紅茶花伝は「紅茶」を楽しむための飲み物という感じ。一方で農協のミルクティーは、完全に「牛乳」を味わうためのミルクティーである。
茶葉の香りはしっかりあるが、あくまで「裏方」として主役の牛乳を支えている。濃厚なコクがありつつも、牛乳本来の甘みが活きていてしつこくない。パンにもよく合いそうだ。
2本しか買ってこなかったことを早くも後悔してきた。1箱買っても、あっというまに消費できそうなほど、おいしい。
コップに入れて並べてみると、色も全く違っていた。左側の、JA全農のミルクティーのほうが明らかにミルキーな色である。
ところで、このミルクティーが生まれる理由となった「生乳の需要の落ち込み」とはどういうことだろう?
Jタウンネット記者は15日、ミルクティーの製造・販売元であるJA全農(本所=千代田区)を取材した。
冷夏が牛の体調に影響し...
取材に応じた酪農部職員は、年末年始に牛乳の需要が落ちる原因をこう説明した。
「例年、牛乳の需要は暑い夏が最も多く、気温が下がるにつれて減っていく傾向があります。
それに加えて、年末年始は学校がお休みなので給食での消費もなく、さらに3が日はスーパーなどの量販店もお休みになるところがあるので、いっそう消費量が減ってしまうのです」
これ自体は例年もあることだったが、さらに、今年はいままで以上に牛乳が余る恐れがあると言う。
「酪農家さん方の努力で牛乳の生産量が増えたことに加えて、今年は夏が例年より涼しかったため、牛の体調が良く牛乳の生産が好調だったというのもあります。
一方で、コロナ禍のため消費量は減っていますから、大幅に余ることが懸念されます」(酪農部職員)
そこで、国内の牛乳の消費量を増やすために「ミルクティー」を発売。他社のミルクティーの多くが「紅茶飲料」に分類される中、JAの本商品は「乳飲料」に分類されるのもポイントとのこと。
「(飲料中の)乳固形分が3%以上の商品は『乳飲料』と表示できます。それだけ、このミルクティーは牛乳をたくさん使っているということです。
他社さんのミルクティーで『50%以上使用』というのは見たことがないので、特徴的だと思います」(酪農部職員)
なお、このミルクティーは牛乳の消費量アップだけでなく、国内で生産された牛乳が余っているという現状を、より多くの人に知ってもらうきっかけにする意味もこめて販売されているそうだ。
公式オンラインショップ「酪市酪座」では、1ケース(24本入り)税込み3900円で販売。関東地方のAコープと神奈川県内のJA直売所では、1本(275グラム)税別158円で販売中。
反響が大きいため、今後は他エリアでの販売も視野に入れているそうだ。
この年末年始は、お酒ばかりでなくミルクティーや牛乳も味わっては?