ついにリッター160円突破!これからの冬シーズン、ガソリン価格はどうなる!?

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リッター160円台は3年ぶりの高値水準

 2021年10月4日時点のレギュラーガソリン価格がついに160円を突破しました(1リッターあたり全国平均/石油情報センター調べ。以下同)。

 2019年は140円台で推移していたガソリン価格は、2020年初頭にかけて値上がりし、2020年1月20日には151.6円になりました。その後、コロナ禍の拡大にともない2020年5月11日に124.8円まで下落。その後、秋口まで135円前後の水準が続きました。

ガソリン価格が上昇を続けている理由とは?

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 しかし2020年10月からガソリン価格は値上がりに転じ、ほぼ一本調子の上昇となります。そして2021年3月には150円台に乗せ、直近の10月4日には160円と、およそ3年ぶりに160円台に突入しました。

 その理由について、石油情報センターは以下のように話します。

「日本のガソリン価格を決める最大の要素は、ガソリンの原料となる原油の輸入価格です。今回のガソリン高の背景には、その原油価格の高騰があります」

 10月8日のニューヨーク市場でのWTI原油先物取引価格では1バレル80ドルを突破、およそ7年ぶりの高値で推移しています。それにともない、東京原油市場でも2021年の最高値を更新しました。

 コロナ禍の影響で、2020年4月には原油の先物価格が史上はじめてマイナス(販売者が購入者にお金を払って原油を引き取ってもらう)となったことが大きなニュースとなりました。なぜここにきて、原油価格が高騰しているのでしょうか。

「ワクチン接種が進んだこともあり、欧米を中心にコロナ禍からの景気回復が順調に進み、それにともない石油の消費も伸びています。そうした需要の動向が、原油価格に反映されているのです」

 さらに、原油価格の先高感を見込んだ投機資金の流入も、要因のひとつとして挙げられるそうです。

「世界的にはコロナ禍の影響による金融緩和が続いており、いわば“金あまり”の状況です。一方、コロナ禍からの景気回復が進めば、原油価格はさらに上昇を続けることになるでしょう。つまりそうした考えから値上がりで利益を得ようとする投機的な資金が原油先物市場に流れ込んでいることも、今回の原油高の要因のひとつに挙げられます」

世界的に厳冬になったらさらなる値上げの可能性も

 しかし、アメリカを中心としたシェールオイル(地下深くの泥岩に含まれている有機物を加工して取り出すオイル)採掘技術が進み、低コストでの生産ができるようになったことで、原油価格は一定の水準で頭打ちになるという見方がありました。今回の原油高には、そうしたシェールオイルの動向は影響しなかったのでしょうか。

ガソリンも軽油も、原油を精製して作られる

「2010年まで、1バレルあたり100ドルを超える水準で動いていた原油価格が、2011年に突然50ドル前後まで暴落したのは、シェールオイルの増産が大きく影響したことによるものです。以降も、原油が値上がり基調になると、シェールオイルの増産が追いつき、価格の上昇をとどめる傾向がありました。

 しかし不思議なことに、今回はシェールオイルの生産回復の動きが鈍いのです。採掘業者の資金がショートしているとか、アメリカの脱炭素の流れのなかでシェールオイル採掘への新規投資が抑制されているからといった説はありますが、本当の理由はよくわかっていません」

 その一方で、原油産出国で構成されるOPECプラスの生産調整はうまくいっていることが、原油高につながっているそうです。

「昨年のコロナ禍での需要減に対応するため、OPECプラスは協調して減産しました。その足並みが揃ったことで、価格の上昇がここまで続いているとみられます」

※ ※ ※

 そしていまもっとも気になるのが、これからの冬シーズンに、こうしたガソリン価格の上昇がさらに続くのかということです。

「じつは原油価格はやや不透明な情勢にあります。まずは新型コロナウイルス変異株による感染再拡大への懸念です。日本での感染者数はこのところ落ち着いてきましたが、たとえばイギリスでは経済活動回復とともに感染者が増加、いまも1日平均3万人を超える新規感染者が報告され、国民に不安を招いています」

 そしてもうひとつの懸念は、中国の動向です。中国ではいま、電力不足が深刻化しています。石炭の供給不足により石炭火力発電による発電量が低下。そのためLNG(液化天然ガス)や原油での発電をおこなっているため、原油だけでなくLNGの価格も世界的に高騰を続けているといいます。

 今後、市場がどう反応するか現段階では先行きが不透明ですが、この冬シーズンがもし世界的に厳冬になった場合は、これまで以上に原油の需要が拡大し、原油価格がいま以上に高騰する可能性もあります。

 過去のデータを見てみると、2008年8月4日にレギュラーガソリン価格が185.1円、ハイオクガソリン価格が196.0円になったのが最高値です。

 ようやく新型コロナウイルス新規感染者数も落ち着きを見せ、これから経済回復へのさまざまな施策がおこなわれるようなタイミングでのガソリン価格高騰。今後の動向に注目です。