7月は変動幅の少ない「様子見」相場となるか? 外為オンライン佐藤正和氏
6月は、FRB(連邦準備制度理事会)の利上げ開始時期を巡って、ブラード・セントルイス連銀総裁の発言によって世界中の株式市場などが大きく下落しました。ところがその後、市場は再び「リスクオン」に戻り、ナスダックやS&P500が史上最高値を更新するなど、値動きの激しい相場が続きました。
FRBがいずれ資産購入を少なくするテーパリングに踏み切ることは間違いありませんが、金融マーケットはその時期が見えずに、様々な思惑が錯綜している状況といっていいでしょう。「ドル」も買われたかと思えば、また売られるなど、細かなニュースに左右される状況が続いています。
確かにインフレは、6月の「消費者信頼感指数」の数値が市場予想「119」のところ「127.3」と大きく上回り、5月の指数も「117.2」から「120.0」に上方修正されました。カリフォルニアやニューヨークといった大きな州での経済再開が本格化しており、経済全体に楽観的な見通しが広がってきたためといっていいでしょう。
――インフレ圧力は一時的、雇用市場の回復には時間がかかる、という見方が大勢ですが・・・?
米国の平均的な住宅価格の推移を示す代表的な指数である「ケースシラー住宅指数」では、統計開始以来30年で最大の伸びを示し、4月の価格指数は米20都市で前年同月比「14.9%」も上昇しました。全米ベースでも同「14.6%」上昇。統計開始以来、最大の上昇となっています。木材価格の上昇という要素もありますが、インフレ圧力は確かに強いと言っていいかもしれません。
その一方で、4月、5月と弱かった雇用統計ですが、今週末の7月2日に発表される6月分の雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想では70万人の増加となっています。周知のように、4月や5月は逆に予想よりも大きく減少してしまいました。
この背景には失業給付金の存在があり、給付金を受け取り終えてから働き始めようと言う人が多く、給付金の支給が続いている現在、雇用市場の回復は望めないかもしれません。ただ早い州では、すでに失業給付金の給付が終わり、遅くとも9月にはすべての州で給付金の支給が終わるとも言われており、給付金頼みの人々も一斉に仕事に復帰するのではないかと言われています。もともと人手不足の状況ですから、雇用市場の回復は早いかもしれません。
――7月は東京五輪がスタートしますが、7月のイベントで注意する点は?
東京五輪が行われることはもはや疑う余地はありませんが、問題はその時期の感染状況だと思います。緊急事態宣言が発令されているような状況下での開催では、無観客開催になってしまい、景気回復の助けになるのは難しいかもしれません。日本のワクチン接種状況が進んでいないことを考えると、少なくとも東京五輪の開催が為替相場に影響を及ぼすことは考えにくいと思います。
