トマトは夏野菜の代表する食べ物ですが、冬でも多く出回っています。トマトは緑黄色野菜のひとつで、豊富なビタミン類を含みます。また、抗酸化作用もあるため、美肌効果も期待できます。人気が高いトマトは、食事に取り入れやすく、ダイエットにもおすすめです。



○トマトは手軽に栄養を摂れる野菜

トマトは野菜消費量が全体的に伸び悩む中でも、消費支出が増加傾向にある野菜のひとつです。美肌、ダイエット、アンチエイジングなどトマトに含まれる栄養に注目が集まり、野菜の中でも人気が高い食材です。

また、昔のトマトは青臭い、硬いなどと言われていましたが、現在のトマトはフルーツに近く、甘いものも多くなっています。ミニトマトや中玉サイズのトマトが増えており、サラダに使用したり、お弁当に入れたりと、彩りとして人気が高まっています。

○トマトのうま味成分

生で食べるだけでなく、料理としても使われるトマトは、うま味成分が含まれていることがわかっています。そのため、日本料理で使われる昆布やかつおのように、うま味を足すように煮込み料理などにもよく合います。

おいしいトマトの選び方は、ヘタやガクが濃い緑色をしており、枯れていないものを選ぶことです。また、全体に色が均一で、皮に張りがあり、持ってみるとずっしりと重たいものがおすすめです。

○トマトに豊富なリコピン

トマトやトマト製品に多く含まれるリコピンは、カロテノイドのひとつです。植物に含まれる赤色やオレンジ色の色素に含まれています。β-カロテンのようにビタミンAには変わりませんが、β-カロテン以上の抗酸化作用があることがわかっています。また、同じ抗酸化作用のあるビタミンEの100倍以上の抗酸化作用があるとも言われており、美容、健康によい効果があるとして注目されています。

トマトはそのまま生で食べてもよいですが、すりつぶすことで細胞壁が壊れ、吸収率が上がります。また、リコピンは油に溶けやすい性質があり、植物油と調理して食べるほうが、吸収率が上がり、効率よく摂取することができます。トマトソースにしたり、シチュー、スープなど煮込み料理として食べるのもおすすめです。また、加熱調理することで、うまみ成分が増加することがわかっていますので、おいしく食べることができます。リコピンは、トマトの色や品種によって量が変わります。加工用の赤色のトマトで作られるトマトジュース、トマトピューレ、ケチャップなどもリコピンを含みますので、生のトマトと合わせて料理に使用するのもよいでしょう。

それでは、冬におすすめの簡単トマト鍋をご紹介しましょう。

白菜と豚肉のトマト鍋

<材料>  2人分

トマト      1個

白菜       1/4個

豚バラ薄切り肉  300g

エリンギ     1パック

小ねぎ      適量

ゆずの皮     適量

カットトマト缶  1缶

白だししょうゆ  大さじ3

酒        大さじ2

みりん      大さじ2

<作り方>

1:カットトマト缶、白だししょうゆ、酒、みりんを合わせておく。

2:白菜と豚肉を交互に重ねてミルフィーユのようにして、食べやすい大きさに切る。

3:鍋に2を放射線状にすき間なく詰めて、中央に輪切りにしたトマトを置く。

4:3に1を入れて、肉に火が通るまで15分程度煮込む。火が通ったら、小口切りにした小ねぎ、すりおろしたゆずの皮を散らしてできあがり。

<ポイント>

お鍋をいただいた後は、しめにパスタがおすすめです。鍋から大きな具材を取り出して、茹でたパスタをからめます。お好みで粉チーズをかけてもおいしくいただけます。

寒い時期は、お鍋の出番が多くなります。低カロリーでお野菜もたっぷり食べられるお鍋はダイエットにおすすめです。いつものお鍋をトマト鍋に変えて、リコピンを取り入れながら、

おいしく、きれいにダイエットしていきましょう。

○著者:岡田明子

管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など