ほとんど話題に上っていないが、カタールW杯アジア予選の日程が明らかになっている。

 日本などのFIFAランキング上位国は、2次予選から登場する。2次予選は5か国ずつ8つのグループに分かれ、ホーム&アウェイを戦う。各グループの首位と成績上位の2位のうち4か国が、3次予選(最終予選と同意)へ進出する。予選の進め方としては、前回と同じだ。

 ちなみに、本田圭佑が実質的な監督を務めるカンボジアは、6月開催の1次予選からの参加となっている。パキスタンとのホーム&アウェイに勝利すれば、2次予選へ進むことができる。

 気になるのは日程だ。
 
 9月、10月、11月、来年3月、6月のインターナショナルマッチウィークが、ほぼそのまま2次予選に充てられることになる。同期間に消化する10試合のうち、実に8試合までが2次予選だ。ヴァイッド・ハリルホジッチ元監督のもとで戦った前回予選を考えれば、残りの2試合も予選を意識したマッチメイクになるだろう。アウェイへ出かけて格上と対戦する、といったトライはできそうもない。
 
 2次予選への準備はどうなるかと言うと、これが不透明感を増している。6月のキリンカップとコパ・アメリカ(南米選手権)が助走になるはずだが、コパ・アメリカは海外組の招集が困難だ。国内組もJ1リーグが開催されているため、1クラブから複数人を招集しないと見られる。ベストメンバーを編成するのは不可能で、東京五輪世代を中心としたチームでの出場も検討されている。
 
 南米王者を決める真剣勝負に五輪世代のチームを送り込むというのも、ずいぶんと贅沢な気はするが。対戦相手からすれば、日本戦には最初から勝点3を計算しているので、どんな編成でも関係ないということだろうか。
 
 それはともかく、コパ・アメリカ後の招集は、9月のW杯2次予選となる。5日、10日の連戦だ。先のアジアカップ以来の合流となる選手も、おそらくはいるだろう。

 対戦相手との力関係を考えれば、それでも勝利は見込めるだろう。しかし、チームの練度を高めるのは難しそうだ。

 思い出されるのは、前回の予選のスタートである。シンガポールをホームに迎えた一戦で、日本はスコアレスドローに終わった。ハビエル・アギーレ監督との契約解除に伴ってハリルホジッチ監督が招へいされ、就任から4試合目でシンガポール戦に臨んだ。直前のテストマッチでイラクに快勝していても、格下から勝利をつかめなかった。

 シンガポールのGKが生涯最高と言っていいプレーを見せたものの、ホームで負けられないという重圧をはねのけることができなかった一戦である。キャプテンの長谷部誠は「アジアの厳しさは分かっていたけれど」と話し、本田圭佑も「予選の難しさを再確認させられた」と語った。

 6月のキリンカップとコパ・アメリカのメンバーは、基本的に同じものであるべきだろう。コパ・アメリカに五輪世代中心の編成で臨むなら、実戦経験を積ませるためにキリンカップも同じメンバーで戦うべきだ。しかしそうなると、9月にW杯2次予選を控えるフル代表が貴重な強化の機会を失う。

 森保一監督は難しいかじ取りを迫られている。