日本が誇るレジェンドの偉業に世界も驚いている。

 9月23日に開催されたJ1リーグ第18節の川崎フロンターレ戦で、“カズ”こと三浦知良がスタメンで今季のリーグ戦で初めてピッチに。53歳6か月28日での出場となり、中山雅史(現J3沼津)の45歳2か月1日を大幅に上回る、J1での最年長出場記録を更新した。

 42歳の中村俊輔、39歳の松井大輔とともにピッチに立ったカズは55分までプレー。ゴールを挙げることはできなかったが、前線から精力的に守備をしたり、中盤に下がってボールを引き出したりするなど、チームのために懸命に役割を果たした。2-3で敗れたとはいえ、首位チームを相手に好勝負を演じられたのは、この大ベテランがもたらした効果が小さくなかっただろう。

 この偉大な記録達成に、かつてカズがジェノアで1年だけプレーしたイタリアのメディアも驚きを隠せない。

 有力スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「カズ・ミウラは不滅だ」と見出しを打ち、次のように綴った。

「彼はマルコ・ファン・バステンより2歳年上で、(ロベルト)バッジョ、(ポール)ガスコイン、(クラウディオ)カニーヒアと同い年だ。しかし、かなり前に引退した彼ら同年代の選手と異なり、元ジェノアのカズヨシ・ミウラはまだ現役でいる。日本のファーストディビジョンであるJリーグでプレーしているのだ。

 そしてスターターとして、53歳6か月28日で川崎フロンターレとの試合に出場し、2012年に“不死身の日本人”中山雅史によって確立された記録を破った」

【動画】川崎戦でカズが披露した身体を張ったポストプレーはこちら
 また一般紙『Corriere della Sera』も、「元ジェノアのミウラがナカヤマの記録を更新した」としてこう報じた。

「彼の年齢では、多くの同僚がブーツを掛けてきた。だが、元ジェノアのカズヨシ・ミウラは引退を考えていない。そして53年6か月28日となる“キング・カズ”は、日本のトップカテゴリーであるJリーグの試合でプレーした最年長選手となり、史上最高記録を更新した」

 26年前に港町ジェノバにやってきたサムライの偉業に、イタリアのファンも驚いていることだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部