亡くなったガッツ石松さんの“OK牧場”伝説 防衛戦前夜ウイスキーを一気飲み「一瞬で天国に駆け上がった」
元プロボクサーでタレントのガッツ石松さん(本名・鈴木有二)が6月2日、肺炎のため亡くなっていた。76歳。所属事務所は葬儀について、故人および遺族の強い意向により近親者のみですでに営まれ、お別れ会などの開催も未定とし、「故人に代わりまして、これまで温かく支えてくださった皆様に心より深く感謝申し上げます。ガッツポーズをするたびに、ガッツ石松を想い出していただければ幸いです。OK牧場!」とのコメントを出している。
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ガッツさんは1949年栃木県生まれ。1974年にWBC世界ライト級王座を獲得、連続5度の防衛に成功と輝かしい足跡を残し、78年に引退後は芸能界に転身し、バラエティー番組やドラマ、映画などで活躍。親しみやすいキャラクターで幅広い世代から愛された。日刊ゲンダイにもたびたび登場し、2011年9月掲載の長期連載「今だから語れる涙と笑いの私の酒人生」インタビューでは、1975年の3回目の防衛戦の前夜、なんとウイスキーを一気飲みしていたことを明らかにした。
「全然眠れなかったんだよ。気が高ぶってたのと、空腹、喉の渇きがあまりにも強くてね。でも、これ以上ないすきっ腹でしょ。量こそ少ないとはいえアルコール度数が40度以上あるんだから、ヘビー級のストレートパンチをモロに食らった感じだった」
当時は乾杯のビール1杯で動悸がするほど、酒に慣れていなかったが、こう振り返っていた。
「でも違ったよ。一瞬にして天国に駆け上がり、翌朝まで爆睡できたからね。朝10時の計量も、一発でOK牧場。初回からガンガンいったよ。勝ったのは、あのウイスキーのおかげ。あんなにグッスリ眠れたのは久しぶりだったから。まさに勝利の美酒だね」
破天荒なガッツさんならではのエピソード。
「ブラック・レイン」で松田優作&マイケル・ダグラスと貴重なオフショット
2013年6月掲載の「私の秘蔵写真」では、映画「ブラック・レイン」(1989年)のオフショットを披露し、語ってくれた。「向かって左のサングラスが松田優作、2人目はアンディ・ガルシア、真ん中のサングラスがマイケル・ダグラス。彼が肩に手を回しているのがオレ、一番右は内田裕也さん。スターがそろってるでしょ。ここはハリウッド。ロサンゼルスのほら、あそこ。撮影の合間に『一緒に写真撮ってくれ』って声を掛けたんだ。実はこっち側には高倉健さんもいたんだけど、御大に『スンマセン、ちょっと』とは言えなかったわけよ。裕也さん、若いね〜。白髪がねえし、今見たら喜ぶんじゃない。アル・パチーノ知ってる? こうやって見ると、オレ、堂々としてるでしょ。ハリウッドスターと比べて見劣りしてないモンね。今は額に入れて事務所の入り口の鴨居のところに飾ってあるの」
■「意外に思われるかもしれないけど、僕は読書が趣味…かれこれ20年続いている」
2013年1月掲載の「私がハマったすごい本」では、こう打ち明けてくれた。
「意外に思われるかもしれないけど、僕は読書が趣味なんです。読むのは大体寝る前の2時間で、かれこれ20年続いている。布団に入ってゆっくり本に向かい、主人公になったり、監督になったつもりで本の世界で遊ぶというのかな。毎日の楽しみであり、至福のときだね」
それで吉川英治「宮本武蔵」を愛読し、武蔵の「五輪書」も読んで、武蔵が同著を書いたとされる熊本の霊巌洞に足を運んだとし、こうオチをつけてくれた。
「座ってみたけど蚊が飛んできてしつこいの。2、3年もこんなところで書いてられないはずだ、と確信しました(笑)」
2022年の「ホントにゴルフは面白い」企画は4回連載となるほど、熱くたのしく、趣味について語ってくれた。
2018年の「おふくろメシ」では、「雨の日に作ってくれたサバカレーかなあ。肉じゃなくて、代わりにサバの缶詰を入れたカレーライスのことだよ」と振り返っていた。
話題が豊富で、サービス精神満点、それでいて、勝負に関しては、こんな名言も残した。
「どんな失敗をしても絶対に他人を恨んだりしない。だからオレは何度でも立ち直れるんじゃないかと思う」
リングで、さらに芸能界で、縦横無尽に走り回ったガッツさんは天国で、こう言っているかも知れない。
「OK牧場!」
と。
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