さくら学院という原点、@onefiveとしての覚悟「ここで終わりたくない」 “約束の場所”へ突き進む4人の現在地
4人組“新種”アイドルグループ・@onefiveが2026年6月6日、東京・EX THEATER ROPPONGIにてワンマンライブ『@onefive LIVE 2026 "SAKURAIZATION"』を開催した。
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さくら学院の卒業生4人によって2019年に結成された@onefive。「2027年春までに日本武道館に立つ」と宣言した彼女たちは、自らの原点である“さくら学院”の存在に正面から向き合い、次なる表現へと昇華させる新プロジェクト「SAKURAIZATION」を掲げ、本ワンマンへ立った。チケットはソールドアウト。なんとしてでも武道館に立つ。その覚悟を体現する一夜が幕を開けた。
開場BGMとして、さくら学院の楽曲群が流れるフロアでは自然と手拍子と掛け声が起こり、彼女たちの歴史をともに見届けてきた@fifth(ファンの呼称)たちの一体感が満ちていた。ステージのスクリーンにはゲームのタイトル画面を模した「♡革命少女S♡」のロゴが表示され、「LOADING」のパーセンテージが少しずつ100%へと近づいていく。
18時05分、スクリーンに4人のピクセルキャラクターが映し出され、「ゲームスタート」の文字が輝くと、オープニングSEとともに大きなコールが起こり、KANO、SOYO、GUMI、MOMOの4人がステージに登場。ライブの幕開けを飾ったのは、さくら学院の「ハートの地球」をサンプリングした「♡革命少女S♡」。続く「KAWAII KAIWAI」では、重厚なビートの上でボーカロイドライクなハイトーンボイスとシャープなダンスを見せた。
4人がひとりずつ自己紹介を行い、話題はこれまで2回立ったことのあるEX THEATERのステージへ。武道館という大きな夢を前に「もうここで足踏みをしてはいられない」という決意のもと今日のステージに立っていることを明かすと、3年前同会場で挑んだライブを振り返る。曰く「お金がないなり」に昔の衣装を舞台に吊り下げてみたり、アーティストっぽくしたくて急に曲を止めてしゃべり出してみたりしたことを懐かしそうに4人で語り合うと、今回、迷いに迷った末に「前方スタンディング/後方指定席」という“いいとこ取り”の設計にしたことを口にし、「とことん暴れて、とことん楽しんでいってください!」と呼びかけた。
童謡「桃太郎」を太いトラップビートへと落とし込んだ「KIBIDANGO」では、ローテンポな重低音ラップから始まり、きび団子を両手で丸くこねるような“こねこねダンス”のギャップで魅了。和の旋律が印象的なアップチューン「らいあーらいあー」では、KANOの艶やかなボーカルが響くなか、緻密に揃ったダンスを見せ、チップチューン的なイントロから高速のドラムンベースへと加速する「F.A.F.O」へと続く。サビで繰り広げられる細かなステップワークは、4人のフィジカルと表現力の高さを示すものだった。
ここで4人が一旦ステージを後にすると、スクリーンには恋愛シミュレーションゲーム風の選択画面が映し出され、メンバーが1人ずつ登場し、キュンとするセリフで@fifthをメロメロにさせた。再登場したメンバーは、ミドルテンポのラブソング「熱気球」を歌い、続く「Like A」ではフロアから熱烈な「俺も!」のレスポンスが起こった。
その後、パジャマ姿でゲームに興じる4人の映像が流れ、「『無敵☆アタシモード』発動まで……」というゲージが画面上でチャージされていく。満タンになると、強いキック音と煌びやかなテクノポップサウンドが鳴り響き、ピンクを基調とした新衣装を身にまとった4人が再登場。BABYMETAL「ド・キ・ド・キ☆モーニング」を大胆にサンプリングした☆Taku Takahashi(m-flo)プロデュースによる新曲「無敵☆アタシモード」を初披露した。
同曲を歌い終えると、GUMIは、「『SAKURAIZATION』は、今までの@onefiveの活動のなかでいちばん感慨深い」と切り出した。「私たち、@onefiveになりたての頃は『さくら学院の子だ』って言われたくなくて、さくら学院の話はタブーみたいに、触れないし、話さないし、っていう感じだったんです。でも、@onefiveが一人前として認めてもらえるようになってようやくできたシリーズだから、本当に感慨深い」。意地を張っていた過去と、それを乗り越えたからこその誇りが滲む述懐に、会場からはあたたかい拍手が送られた。
MOMOは「ずっと言いたかったことがある」と前置きしたうえで、「この曲、“BABYMETAL × Perfume=@onefive”っていう計算式で作られてると思っていて。@onefiveらしい曲でもあるんだけど、すごくアミューズらしい曲だなと思って。みんなにもこの計算式、共感してほしい!」と語りかけると、フロアからは大きな歓声が上がった。Perfume、そしてさくら学院から派生したBABYMETAL。いずれも@onefiveと同じアミューズに所属する先輩たちであり、その2組を掛け合わせた先に自分たちがいるのだという計算式には、原点を引き受けながら独自の音楽を打ち立てようとする彼女たちの矜持が滲む瞬間だった。KANOは「@onefiveの曲はお仕事で毎日聴いて踊るから、プライベートでは聴かないけど、この曲だけは3週間ずっと、(外出時の)行きも帰りもリピートして聴いてました」と新曲への愛着を語った。
「都会で無敵ということは、森のなかでも無敵ですよね?」というKANOの曲振りとともに、「マジカルアイロニー」へ。統率の取れたフォーメーション移動とコールが会場を揺らし、童謡「アルプス一万尺」をアフロビートに落とし込んだ「アルプス・バイブス」、タオルが大きく回る「うるねむ」、そして「Chance」へと続いていく。
本編終盤、メンバー4人から率直な言葉が、ひとりずつ語られた。トップバッターのKANOは、「言葉にするのが苦手だから」と数週間前から準備してきたという手紙をステージ袖から取り出し、「アミューズに入って12年、ステージに立って11年。たくさんの人の笑顔の原点になりたいと思ったことが、この世界に入ったきっかけです。パフォーマンスの楽しさを教えてくれたのは、間違いなくさくら学院でした」と自らの原点を振り返る。「思うように結果が出なかったり、まわりが活躍していく姿を見て焦ったり、ファンの方が離れていくのが寂しくて悔しかった。体調を崩して思うように踊れない自分がイヤになって、孤独を感じて、目の前が真っ暗になることもありました」と、これでまでの葛藤を吐露。涙をこらえきれなくなりながらも、「本気で人生を懸けてきたからこそ、ここで終わりたくない。来年の春、必ずみんなで武道館の景色を見ましょう」と、便箋に綴った想いを最後まで読み上げた。
続くGUMIは、前夜にお風呂に浸かりながら何を話そうか考えていたと明かしつつ、「端から見たらギャルで楽しそうって言われるけど、もともと自分のことがあんまり好きじゃなくて、コンプレックスだらけだったんです」と心のうちを語った。それでも、完璧でない部分も好きと言ってくれるファンの愛のおかげで、「@onefiveのGUMIでいる時の自分が、本当に好きになれた」と語る。「超気が合う4人ってわけじゃないかもしれないけど、実家のような安心感があって、お互いのいいところも悪いところも知っていて認め合っている。この3人となら何でもできる」と10年以上の絆への信頼を口にすると、目には涙を浮かぶ。そして、「みんなを絶対に幸せにするので、ついてきてください」と誇らしげに告げた。
「私は泣かないようにします」。そう前置きして話し始めたSOYOは、2年前のツアーで武道館を目標に掲げた当時を率直に振り返った。「あの頃は本当に諦めモードで。何年やっても結果が出ないし、無理なものは無理なんだなって思ってた。武道館に立てたら、アイドル人生やっててよかったって思えるかな、くらいの気持ちで決めた目標でした」。しかし、自分たちのためにSNSやそこでの動画編集を懸命に続けてくれるファンの姿、そして街で声をかけられることが増えるなど、「アイドルから憧れられる」という夢が叶っていく実感が、再び心に火を灯したという。「泣かない」と言っていたはずが、KANOとGUMIの想いを受けて感極まり、こらえきれず涙をこぼしながら、「完全燃焼したって思えるまで、死ぬ気でやります」と覚悟をにじませた。
最後に語ったMOMOは、今年から自身のネガティブな面もさらけ出してきた“正直者キャンペーン”について言及。「ネガティブな面を見せすぎて、『自分がファンだったら応援したくなるかな?』って不安になった。でも、やっぱりみんなに元気を届けられるアイドルでありたい」と本音を明かす。そして今年、@onefiveを“新種のアイドル”として定義し直したことに触れ、かわいい曲を多く並べた本日のセットリストは「半分以上が初めて観にきてくれた人だから、今の@onefiveがこういうグループなんだよって見せたかった」と意図を説明した。「武道館ライブを達成したら解散しちゃうのでは?」というファンの懸念に対しても、「もっとその先も見てみたい。会場のキャパが大きくなって、そのぶん、たくさんの人がきてくれる結果を今日目の当たりにして、ネガティブだった私たちもちょっと自信がつきました」と前向きに語り、「ずっとそばにいて、励ましてほしい。私からも元気を届けたいから」と、武道館の先へと続く未来を約束した。
本編を締めくくったのは、ファンへの感謝を込めたバラード「Love Call」。ゆっくりと回るミラーボールの光のなか、4人はステージを自由に移動しながら、おぶい合ったり、抱き合ったり笑顔でパフォーマンスし、最後は4人で肩を組んで歌声を重ねた。その光景は、10年以上をともに過ごしてきたメンバーならではのものだった。
鳴り止まない拍手に応えて再登場した4人は、「SAKURAIZATION」シリーズ第2弾曲「M1X5R」を披露した。さくら学院の「ベリシュビッッ」でも使用された「オクラホマミキサー」のメロディを再び取り入れ、〈過去も未来も Mix up>という歌詞を体現した同曲。オートチューンをまとったクールな歌唱とダンスで、自分たちの表現の幅をあらためて示した。その流れを受けてSOYOが提案したのは、オートチューンをかけたままMCを行うというもの。近未来的なロボットボイスでグッズ紹介を繰り広げる掛け合いに、SOYOは夢が叶ったと嬉しそうな顔を見せた。「最後は、やっぱりこの曲で終わりましょう」「パーティーしてなくない!?」というMOMOの言葉を合図に「開進列車080」でフロアをあたため、ラストナンバー「SAWAGE」へ。メンバーと@fifthが一体となって飛び跳ね、曲の最後には、メンバー一人ひとりが手でハートを作ってみせた。
そしてKANOが、あらためてマイクを握る。「手紙でも伝えたけど、やっぱり今の気持ちを直接みんなに伝えたくて」と切り出し、「絶対に、このみんなで一緒に武道館までついてきてね」と、@fifthとの約束を交わした。さらにこの日、次回ワンマンライブとして、10月30日にZepp Namba、11月10日にKT Zepp Yokohamaでのワンマン開催が発表された。
終演後、メンバーと少しだけ言葉を交わすことができた。手応えを尋ねると、KANOは明るい表情で「武道館、ソールドアウトは一瞬です」と、自信を覗かせた。「2027年春までに日本武道館に立つ」――。過去も現在も大切に、その目標に向かって4人は歩み続けていく。
■【独占】『@onefive LIVE 2026 "SAKURAIZATION"』終演後メンバーコメント
――2027年春までに日本武道館に立つと宣言している@onefiveが“Road to Budokan”を始動させ、初のワンマンライブになりましたが、『@onefive LIVE 2026 "SAKURAIZATION"』東京公演を終えた今の率直な思いを教えてください。
KANO:本当に幸せでした。今日の景色を見て、あらためて私たちはひとりじゃないんだなって感じました。正直、ここまでくるなかで不安になることもあったし、自分自身と向き合わなきゃいけない時間もたくさんありました。でもこのライブで、皆さんの笑顔や声を見て、「もっと大きな景色を見たい」ってあらためて心から思えました。武道館への道はまだ途中だけど、今日がその大切な一歩になったと思います。
SOYO:2年前に日本武道館に立つという目標を掲げて、自分のなかでSNSの頻度を増やしたり、パフォーマンスの魅せ方などひとりで頑張ろうと思っている部分がありました。しかし、今回のライブを通して自分たちが何を発信したらいいのか、ライブでの各曲の魅せ方、ライブのなかでやりたいことなどチームのみんなでアイデアを出し合って、みんなの好きを詰め込んだライブにしました。自分たちのライブをしているという意識がこれまで以上に大きく、一つひとつにとてもこだわりを持っていたのでそれに対しての反応を直に見れた時はとっても嬉しかったし、最高に楽しかったです。今回の集客の半分以上の新規の方、今まで少し私たちから離れていた方、ずっと応援してくれている@fifth、そして私たちがひとつになっていたステージだと感じました。いろんなことがありましたが、なにより心から楽しかったです。
GUMI:今回のライブは@fifthのみんなに伝えたいことや魅せたい世界観を詰め込みました。ステージに出ると本当に素敵な景色で、@fifthのみんなの笑顔が本当に嬉しかったです。改めて@fifthのことが、@onefiveのことが大好きになったライブでした。
MOMO:今の私たちらしいライブだったなと思います。パフォーマンス面では、HOnOKAさんに全体をブラッシュアップしてもらい各曲の世界観がはっきりしたと思います。今回は今の@onefiveを見せたかったので、かわいい曲で固めたんですが全部違うかわいいで、楽しんでパフォーマンスしていました。MCはずっと私たちの大きな課題で今回も自分のなかで100点は出せないですが、前よりもステージ上で自然体でいられるようになったと思いました。特にメンバーそれぞれの思いを話す場面では私以外の3人が泣いたんですが、普段控え室で将来のことを離しながらメンヘラしてる3人らしくて、聞いていて微笑ましかったです。私は女の子が憧れるようかわいいでいたいと思って心がけているんですが、グループの方向性もはっきりして私の見せたいアイドル像もちゃんと表現できた感じがしています。
――「SAKURAIZATION」は“さくら学院”というオリジンを背負ったまま、新しい表現へと移行してい“現象”というステートメントを発信されました。その観点で今回のライブで特に印象に残っている光景や楽曲を教えてください。
KANO:初披露した「無敵☆アタシモード」と「M1X5R」! 「無敵☆アタシモード」では、BABYMETALさんへのリスペクトを感じながらも、今の@onefiveとして前に進んでいく強さを表現できたと思っています。そして「M1X5R」では、さくら学院から受け継いできたものも、今の私たちも、そして皆さんとの思い出も全部混ざり合って、新しい景色になっていく感覚がありました! 「SAKURAIZATION」は過去と未来を繋ぐプロジェクトだと思っているので、その意味がいちばん表れていた瞬間だったなと思います!
SOYO:「LOVE CALL」です。私たちの今の想いを伝えたあとの本編ラストの曲でした。@fifthが涙しているのが見えました。さくら学院では私は練習してきたことを全力で魅せるという気持ちが多く、こうしなきゃいけないという縛りが自分のなかであったなと感じているのですが、今回のライブでその意識はありつつ、でも心が動くままに表現して言葉にしたいとひとつ殻が破れたと思わせてもらえる一曲でした。
GUMI:アンコール明けの「M1X5R」という曲が印象に残っています。この曲はさくら学院の「ベリシュビッッ」でも使われている「オクラホマミキサー」を取り入れた曲で初披露だったのですが、@fifthのみんなが@onefiveらしい盛り上がりをしてくれて、さくら学院の要素を@onefiveらしく昇華できているのを感じました。
MOMO:客入れBGMで私たちが所属していた頃のさくら学院のアルバムを流していたんですが、当時の手拍子や掛け声が聞こえて、@onefiveになった今それを聞くのがとてもエモかったです。あとは、「無敵☆アタシモード」の初披露の時、さくら学院、BABYMETALを知っている人と@onefiveしか知らない人、全員が湧いてくれていて、原曲に引っ張られないでちゃんと@onefiveの曲にできていることを感じて達成感のような嬉しさがありました。
――『@onefive LIVE 2026 "SAKURAIZATION"』大阪公演への意気込みと、“Road to Budokan”に向けて東京公演が終わった今、持っているビジョンを教えてください。
KANO:東京公演を終えて、あらためて皆さんの存在の大きさを感じました。大阪公演ではさらにパワーアップした私たちをお見せできるように頑張りたいです。そしてZepp公演、武道館へ向けて、一つひとつのステージを大切にしながら、もっとたくさんの方に@onefiveの音楽を届けていきたいと思っています。東京で見た最高の景色を更新していけるように、これからも挑戦し続けます!
SOYO:大阪公演はオールスタンディングとなっています。私の地元でもあるので、我を忘れてみんなで一緒に楽しめるライブにしたいです。そして、Zeppはまたとても高い壁があるなというのが率直な感想です。しかし、今回のライブで新しい方が半分以上いました。私たちのことを実際に観てみたいと思わせられるように、よりSNSでの発信を強化しつつ、私たちが信じた大好きな音楽を最高な状態で魅せていきたいです。東京公演が終わって今の私たちなら力を合わせればいけると思います。@fifthのみんな、そして私たちのことを少しでも気になっている方、どうか私たちに力を貸してください。
GUMI:東京公演はすごく楽しく幸せだったので大阪公演もとても楽しみです。大阪はオールスタンディングなのでさらに盛り上がるライブにしたいです。初めてのZeppでのワンマンで目標でもあったので、まずはZepp公演が決まってとても嬉しいです。武道館までは簡単な道のりではないですが、自分ができることをして一歩ずつ武道館に近づいていきたいです。
MOMO:大阪公演はオールスタンディングなので全員でパーティーしたいです。東京公演はメンバーもお客さんもどちらもドキドキしながらで緊張感がありましたが、大阪公演は「無敵☆アタシモード」もリリース後なので@fifthはたくさん盛り上がってほしいです。メンバーは複雑な振り付けを間違えないよう頑張ります。Zeppはインディーズ時代に目標にしていた会場なので達成感と絶対埋めたいという思いがあります。今ライブにきてくれた人が次もきてくれないと武道館には行けないので、一つひとつのステージを大切に見ている人が応援してあげなきゃと思えるアイドルでいたいです。「SAKURAIZATION」を通して、ファンダムの規模の成長が目に見えて感じられて本当に嬉しかったです。過去応援していた人だけでなく、新しい人にもたくさん届いた期間だったので、次のリリースでも多くの人に注目して気になってもらえるよう努力していきたいです。
(文=西澤裕郎)
