前人未到の春の古馬3冠に挑むクロワデュノール

写真拡大

 「宝塚記念・G1」(14日、阪神)

 超豪華メンバーが顔をそろえた春のグランプリ。注目は歴代最多の得票数でファン投票1位に輝いたクロワデュノールだ。勝てばG1・3連勝で、史上初の大阪杯、天皇賞・春との“春の古馬3冠”を達成する。それに待ったをかける一番手はファン投票2位の昨年覇者メイショウタバル。大阪杯では2着に敗れたが、先週の安田記念で勝利した武豊を背にリベンジに臨む。

 強豪がそろった今年のドリームレース。それでも中心はファン投票で歴代最多の36万6039票を獲得したこの馬だ。大阪杯、天皇賞・春を連勝し、前人未到の“春の古馬3冠”達成が懸かっているクロワデュノール。成し遂げれば3億円の褒賞金とともに、現役最強馬の称号も得られる大一番にいよいよ臨む。

 前走の天皇賞・春は初めて挑んだ長距離戦だったが、先団から押し切りを図る横綱相撲を敢行。前半1000メートル59秒9とよどみのないペースで先行勢が脱落していくなか、この馬だけが脚を伸ばし、最後の直線半ばで先頭に立った。ゴール前は猛追してきたヴェルテンベルクとの大接戦となり、10分に及ぶ長い写真判定に。着差はわずか2センチ。人馬の気迫でしのぎ切り、つかんだ勝利だった。

 1週前追い切りを行った3日は、台風接近の影響で大雨。そんななかでも力強い走りを披露した。栗東CWでの3頭併せでは、たたきつける雨粒に負けることなく、メアグローリア(2歳新馬)とグロリアラウス(5歳オープン)の外からグッと加速。団野(レースは北村友)を背に、6F84秒1−36秒9−11秒6を計時し、前者に半馬身、後者に1馬身半と、それぞれ先着。斉藤崇師は「後ろから外を回ってしっかりめに。少し体が緩んじゃってまだ重たい感じがするけど、これでスイッチが入ると思う」と納得の表情を浮かべた。

 大阪杯はレース当日朝に栗東坂路に入り、天皇賞・春はレース2日前に2本登坂するなど、極限の調律を施してきた。今回も緩さを感じるのはクロワデュノールにとっては“通常運転”。「息遣いは大丈夫。気持ちと体の引き締めだけかなと思うので、注意しながらやれたら」と焦る気持ちはない。

 父キタサンブラックも17年に春の古馬3冠にリーチを懸けたが、1番人気で臨んだ宝塚記念で9着に敗れた。決して簡単な挑戦ではない。当然、指揮官も「3冠を目指してやっていきたい」と力が入る。日本のファンの期待を背負った凱旋門賞で大敗し、ジャパンCも敗退。そんな昨秋の悔しさを乗り越え、今春、本格化を迎えた一等星。3冠達成までも通過点と言わせる圧倒的な強さを見せつける。