昨年に引き続き2回目のサタニック出演となったView From The Soyuz。環境音にインダストリアルな音が重なるSEが止むと、ガーンとバンドがイン。

歌謡的な旋律が印象的な「Ättestupa」のギターリフに合わせて《oh oh》の大合唱が巻き起こり、一瞬で大合唱大会になったフロアの様子からは「リフを歌う」「リフも歌である」というメタル然とした文化を感じる。そして「Ättestupa」はまさにView From The Soyuzの音楽調合をわかりやすくプレゼンテーションする1曲だ。ドラマティックに展開する6分超えの楽曲の中にはモッシュパートもブレイクダウンもありつつ、その音楽の心臓になっているのは徹底的にメロディアスなギターフレーズ。

メタル要素の強いハードコア、というよりもメタルの器にハードコアのアグレッションを山盛りにしているバンドであることが壮大な展開の中に窺える。異様に深いブレイクダウン、シャウトやグロウル目まぐるしく行き来するボーカル、急激なビルドアップなどなど極端な要素がクロスする音楽だが、その髄を貫いているのは「なぜか歌ってしまう」という感覚。1曲目だというのに早速masa(Vo)がピットに突入して「全員来い! 全員ここまで飛んで来い!」と煽りまくる様も、観客の絶叫なのか歌なのかわからない声を誘う。

「今日は祭りだぜ」の言葉通り、「When My World Collapse」ではSENTA(NUMB)を招き、「Stick In The Mud」ではYUKI(Sailing Before The Wind)がステージへ。SATANIC CARNIVALでニュースクールハードコア大集会を開催しているようなステージの光景はそれだけでも最高だが、View From The Soyuzの大切な仲間を全部乗せすることによってView From The Soyuzの全細胞を開陳するライヴなのだと観客も即理解したことだろう。

「(Oc)cult 」ではTIVEからHajimeを召喚し、ゲストとして登場した先輩達にとっては“受け継ぐもの”、先輩を呼びまくったView From The Soyuzからすれば“受け取ってきたもの”を全力で見せるアクト。自らの手で居場所と尊厳を掲げ続けてきたハードコアの一大絵巻がステージ上に広げられ、“時代、世代、価値観、人を繋ぐ”というサタニックの志もまたここに具現化されている。

歌もリフもビートも腹を殴るようだが、バンドもピットもいい笑顔だ。激しさが激しさのまま飛んでくるのではなく、獰猛な音がピースなダンスに転化していくところがいい。

《強欲な知性を天秤にかけてみた挙句/残された身体が醜い》──これはこの日の冒頭に演奏された「Ättestupa」の一節だ。View From The Soyuzの歌には、人の在り方へのクエスチョンを多分に孕んでいるものが多い。“頭の中身ばかりを誇大させて、さて、その知能を何のために使うんだ?”……そんな問いに対する答えが、まさにこのフロアである。思い切り命をぶん回し、人と助け合いながら歩み、あらゆるバウンダリーを超えていくためにその頭はあるのだと。それを訴えるための叫びであり、線を壊すための混沌なのである。

そんな精神性は「Stick In The Mud」からも伝わる。ドスンと落としたテンポで始まる楽曲でも、そのビートによってフロアを叩き落とすというより、フロアと一体となってバウンスするためのリズムとして機能させているのが面白い。固く重い8ビートに合わせてツーステップを踏む伝統的なダンスだけではなく、揺れたり跳ねたり転がったり。View From The Soyuzが携えているカラフルな楽曲展開は、人それぞれの形で存在する“自由”を呼び起こすためのものなのだと、そんなことを思う。

モッシュパートと跳ねるセクションを忙しなく行き来しながら絶叫を挿していく楽曲がひたすら連打されるライヴだが、空間そのものを指揮するようなmasaのボーカルスタイル、歌よりも歌っているギターの印象的な旋律によって、楽曲の入り口が驚くほど広い。ハードコアモッシュもクラウドサーフも当然爆発、フロアから巻き起こる声も徹底して野太い。しかしこの空間を規律するルールはたったひとつだけ。“自分の命を思い切り振り回して楽しむこと”である。

ラストの「Sky Burial」を演奏する前、masaはこう言った。「中学生の頃、俺が教室の片隅で思い描いていた景色を見せてくれよ」そう言ってフロアを真っ二つに割くジェスチャーを見せると、EVIL STAGE後方まで広がる巨大なウォールオブデスが出現。観客同士が体と体と衝突させ、グングンと昇り続けたライヴの熱球が綺麗に破裂するようだった。

「Sky Burial」もまた約5分30秒のドラマティックな展開を誇る楽曲だが、駆け上がる瞬間、あるいは叩き落とす瞬間のギターのハーモニーが標識となって、観客を一気に導くフックに満ちている。飛び込んで来い。踏み込んで来い。手を伸ばして来い──言葉にすれば簡単になってしまうが、そんな想いを真っ向からぶつけ続けるライヴだった。

文◎矢島大地
撮影◎中河原理英

◆BARKS内<SATANIC CARNIVAL 2026>特集

@satanic_ent

【Real Time Recap Movie】 DAY 2 EVIL STAGE View From The Soyuz #サタニック

♬ Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral”: II. Scene am Bach. Andante molto moto - Royal Liverpool Philharmonic Orchestra & Sir Charles Mackerras

◾️セットリスト(EVIL STAGE)
1​. Ättestupa
2​. When My World Collapse (feat. SENTA from NUMB)
3​. Stick In The Mud (feat. Yuki from Sailing Before The Wind)
4​. Dark Soya SE
5​. Tales Of The Voiceless
6​. (Oc)cult (feat. Hajime from TIVE)
7​. Sky Burial

 

■<SATANIC CARNIVAL ’26>
6月6日(土) 千葉・幕張メッセ国際展示場1-3ホール
6月7日(日) 千葉・幕張メッセ国際展示場1-3ホール
◯物販 / FOOD AREA:open9:00
◯ライブ観覧エリア:open10:00|start11:00 ※予定
▼6月6日(土)出演者
10-FEET / バックドロップシンデレラ / FC FiVE / Fear, and Loathing in Las Vegas / FOMARE / ハルカミライ / HERO COMPLEX / HEY-SMITH / Ken Yokoyama / Maki / MAYSON’s PARTY / MONGOL800 / サバシスター / SCAFULL KING / SHADOWS / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / Suspended 4th / ヤバイTシャツ屋さん / 山嵐 / [OA] カライドスコープ
▼6月7日(日)出演者
04 Limited Sazabys / Age Factory / dustbox / ENTH / 花冷え。 / HIKAGE / Knosis / マキシマム ザ ホルモン / OVER ARM THROW / Paledusk / ROTTENGRAFFTY / SHANK / SHE’ll SLEEP / SiM / 四星球 / THE FOREVER YOUNG / 打首獄門同好会 / View From The Soyuz / w.o.d. / [OA] Launcher No.8 

 

関連サイト
◆BARKS内<SATANIC CARNIVAL 2026>特集
◆<SATANIC CARNIVAL> オフィシャルサイト
◆PIZZA OF DEATH オフィシャルサイト