小島瑠璃子、ローラ、鈴木奈々…ベッキー以降の”バラドル”が次々と消えたワケとは?今後のこじるりに残された道
バラドル・小島瑠璃子の軌跡は、テレビ芸能界の変容を映す鏡となっている。
1980年代に井森美幸や山瀬まみが切り開いたバラドルというジャンルは、長らく女性タレントの活路となってきた。その系譜を継ぐ形でホリプロからデビューした小島は、「こじるり無双」と称されるほどの存在感を発揮したが、歯に衣着せぬ言動をめぐる批判やスキャンダルが重なり、23年に芸能界からフェードアウト。その後、夫の急死という悲劇も経験した。
だが彼女の失速は個人的な事情だけでは語れない。バラエティー番組そのものの衰退、テレビの斜陽化など、そもそもバラドルを必要とする土壌が失われつつある。後編では、そこをさらに掘り下げていく。
前編記事『芸能活動再開も「迷子状態」の小島瑠璃子が示す、もうテレビに「バラドル」は要らないという現実』より続く。
ベッキー以降のバラドルが苦戦する理由
ではなぜ、小島瑠璃子はホリプロの大先輩でもあるレジェンドバラドル・井森美幸のようになれなかったのか。
そもそも、井森に代表されるかつてのバラドルには、アイドルとして成功できなかったことによる自虐的な謙虚さがあった。それゆえ、他者をいじるだけでなく、他者にいじられることもできる。
ところが、小島のような最近のバラドルは、バラドルもまた成功パターンのひとつだと見なされる環境で世に出たため、自虐的な謙虚さがなく、いじられるのが上手くない。いわば、攻めには強く、守りに弱い感じだ。
ホリプロ以外のバラドルに目を向けても、森口博子や島崎和歌子が長持ちしていたり、磯山さやかあたりが好感度を保っていられたりするのは、自虐的な謙虚さに加え、若い時期にタモリや島田紳助、志村けんといった大物芸人たちによって鍛えられ、いじられる能力を磨けたからではないか。
その点、ベッキー以降のバラドルは逆風に対して脆かったり、旬が短かったりする。父親の不祥事で表舞台を去ったローラしかり、また、滝沢カレンや鈴木奈々といった面々しかりだ。
衰退するバラエティー番組
さらにいえば、前出の「テレビの斜陽化、バラエティー番組の衰退といった事情」も大きい。バラドルが生まれ、重宝された80年代中盤から90年代にかけては、テレビにもバラエティー番組にもいろいろと贅沢ができる余裕があった。だからこそ、芸人でもアイドルでもない、バラドルという隙間的存在もどんどん使われたわけだ。
しかし、今はそういう時代ではない。バラドル文化に大きく寄与した『笑っていいとも!』(フジテレビ系)が終わったあたりから、隙間的存在まで楽しむような余裕はなくなってしまった。
その一方で、アンミカや若槻千夏といったバラエティーのプロみたいな人たちがありがたがられるようになっている。バラドルのようなふわっとした存在感より、ふてぶてしさや厚かましさも発揮しつつ、当たりの強さで場を支配したり、引っ張ったりできる人たちだ。
その点、小島はどっちつかずというか、ああ見えてじつはみんなに気に入られたいのではというところも見え隠れする。それならいっそ、私生活での不幸を売りにしてでも味方を増やせばいいのにとも思うが、そこまでするしたたかさはなく、また、プライドめいたものがそれを邪魔したりもしているのだろう。
「最後のバラドル」の行方は
ちなみに、指原莉乃と対談した前出の動画サイトの名は『小島瑠璃子のるーちゃんねる』だ。今年2月の開設時、彼女はこんな意図を説明していた。
「プライベートで私『るーちゃん』って呼ばれてるんですね。(略)『こじるりちゃんねる』とか考えたんですけど、ふだんの私を見ていただきたくてYouTubeを始めるので『るーちゃんねる』にします」
活動再開にあたって、バラドルの「こじるり」ではなく「素の自分」で勝負していきたいという気持ちのあらわれだろう。
ただ、こういう路線変更は成功しにくい。長年、不特定多数の目を気にして生きてきた人がいきなり素の自分を出しきるのは難しいし、そもそも、そういう「自分」が不特定多数の目に面白く映るとは限らないからだ。
また、失速し始めてからの彼女はファンを喜ばせるより、もっぱら女性に目立つアンチをざわつかせることで話題になり、生き延びてきた感もある。現時点ではそれがメインの需要だろうし、そこを利用してでも生き延びるのが本物の芸能人だ。歌や芝居を武器にできず、バラエティーにもハマりにくくなった今「迷子」状態から抜け出すには、いろいろともがくしかないのではないか。
救いとしては、ベッキーあたりに比べればまだ、彼女が同情もされる境遇だということだ。それゆえ、アンチですら扱いに戸惑っているというか、アンチ側もある意味「迷子」状態なのかもしれない。
とまあ、彼女の現在はかなり珍しい状況ではある。「最後のバラドル」小島瑠璃子がこれからどうなっていくのか、見守り続ける価値はそれなりにありそうだ。
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