中国がBEVオンリーだと思っていると痛い目を見る! 北京モーターショーで見えたエンジン&ハイブリッド開発への積極性

この記事をまとめると
■最近の中国メーカーはHEVやレンジエクステンダーEVにも力を入れている
■北京モーターショーではエンジンユニットの展示が目立った
■エンジンの開発のために日本人エンジニアを積極的に招聘している
中国メーカーはEVだけではない
日本国内で展開している中国系ブランドといえば、BYDオート(比亜迪汽車)が有名なところである。日本市場参入から一貫してBEV(バッテリー電気自動車)の輸入及び販売を行ってきたが、最近ではPHEV(プラグインハイブリッド車)となるシーライオン6も投入してきている。

一般的には「中国車=BEV」というイメージが強いかと思うのだが、筆者が実際に見てきたタイやインドネシアといった東南アジア市場では、意外なほどICE(内燃機関)車が多い。世界的なBEV販売の足踏み状況が目立つなか、日系ブランドのHEV(ハイブリッド車)が世界的に注目されており、中国系ブランドもこの流れを見てHEVやPHEVのラインアップを充実させてきているのだが、一部中国系ブランドでは、純粋なICEを搭載するモデルまで海外仕様ではラインアップしている。
中国GWM(長城汽車)は、東南アジア市場にてORA(欧拉)シリーズという、コンパクトBEVをラインアップしている(本国中国にもあり)。このORAシリーズにはいくつかの車種が存在するのだが、そのなかにはドイツVW(フォルクスワーゲン)のクラシックビートルをオマージュしたかのようなスタイルで4ドアのモデルや、ポルシェ・パナメーラからヒントを得たようなコンパクトセダンタイプのBEVなど、なかなか“怪しさ”も感じるモデルもある。最新モデルとしては、コンパクトクロスオーバーSUV風スタイルといえるORA5を中国国内やタイで新規投入している。

筆者は2026年3月末に「バンコク国際モーターショー」会場で初めてORA5を見たのだが、そのときはBEVのほかHEVがラインアップされていた。いままでタイで見てきたORA車はBEVのみとなっていたので、ORA5にHEVがラインアップされたことに注目していたのだが……。
それから約1カ月後の2026年4月下旬、「第19回北京国際自動車展覧会(北京モーターショー)」の会場へ行き、GWMブースに行くと、ORA5が目玉展示車のひとつとして展示されていたのだが、そこにはBEV、HEVのほかにモーターが組み合わされていない1.5リッターターボエンジン、つまり純粋なガソリンエンジンを搭載する「汽油(ガソリン)版」も展示されていた。

タイはBEV普及率が20%を超えたところなのでHEV版があってもそう違和感はないのだが、すでにBEV普及率が5割に迫ろうとする中国市場で、ガソリンエンジンベースのHEVのほかに純粋なICEを搭載するモデルも用意されていることにはかなり違和感を覚えた。
エンジンユニットを堂々アピールする中国メーカー
違和感を覚えたのはこれだけではない、今回の北京モーターショーにて中国メーカーが会場発表したり、イチ押し展示していたモデルの多くがガソリンエンジンを発電用に搭載するレンジエクステンダーEVだったのである。さらに、中国系メーカーの展示ブースにはHEVなどモーターが組み合わされたものが中心だったものの、エンジン(ハイブリッドユニット)の単体展示が積極的に行われていたのである。

BEV普及率が5割に迫ろうとしている中国では、まだ5割強のひとがICE車に乗っていることになる。中国の街を見ていると、確かに高年式のBEVをよく見かけるが、それとは対照的な年式の古いICE車を見かける機会も多い。長年ICE車に乗り慣れているひとは、BEVを食わず嫌いしているひとも多く、BEVへの乗り換えがなかなか進まないともいわれている現地メディアの報道も見受けられた。
さらに現地報道では、中国もご多聞に漏れずガソリン価格の高騰が続いており、そのような状況下でHEVが注目されているとのこと。さらに海外市場をみると、目下のところHEVが絶賛注目され、その中心が日本車となっているので、海外市場を見据えても中国メーカーがHEV関連の開発を積極的に行っているとも報じていた。

ここ最近は中国メーカーの最新HEV技術の発表が相次いでいる。いくら腰の軽い中国メーカーとはいえ、そんなにスピーディに開発が進むのかという疑問は残る。BEVメインのなかであっても粛々と開発を進めていたのかもしれないが、中国メーカーのHEVを見ていると、「日本メーカー臭を強く感じる」とも囁かれている。産業スパイや技術漏洩などによる日本メーカーの技術そのものの無断転用するのではなく、実際に過去に日本メーカーで開発に携わっているひとの技術指導を受けながら自社開発しているのではないかというのである。雇用延長などがあっても65歳ぐらいでリタイヤとなるのが日本のサラリーマン。いまどきの65歳といえばまだまだ元気いっぱい。職場を去るときにはPC返却など関連資料をもち帰るということはもちろんできないが、頭のなかには記憶としてさまざまな情報が蓄積されている。
仮に65歳で三顧の礼にて技術顧問などとして中国メーカーの一員となっても、記憶のアウトプットが終了すると用なしとなってしまうと聞いたことがある。技術顧問として着任する側もそれは承知の上だとも聞いた。

ちなみに一部日本メーカーはこのような流れにすでに対応した動きを見せているともいわれている。
とにかくBEVはすでに当たり前、AI関連技術を強くアピールするなか、エンジン展示も積極的に行う、まさに中国メーカーの手数の多さを会場で見せつけられた。
※画像の一部に生成AIを使用しています

