「日本人は危機感がなさすぎる」元公安調査官が警鐘…自衛隊&米軍基地周辺に急増する「中国系施設」の不気味さ

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青森県に中国資本関与の再エネ発電所が360ヵ所

2026年4月29日に配信された産経新聞の報道によると、「中国が三沢基地(青森)・嘉手納基地(沖縄)を想定した無人機攻撃訓練を繰り返している可能性」が、国家基本問題研究所(国基研)の衛星写真分析で判明した。

同研究員によると、中国甘粛省玉門の砂漠地帯の射爆場に、三沢基地や嘉手納基地にある掩体壕(バンカー)に類似した構造物が建設され、その正面に無人機を突入させたとみられる痕跡が残っていた。

同様の構造物は1月に設置された後、2月には撤去されており、繰り返し訓練している可能性がある。別地点では、嘉手納基地配備のAWACS(早期警戒管制機)を模した疑似機体を設置し、黒シートが破れ、破片が散乱していた。これは無人機による突撃実験の可能性が高い。

同研究員は、「中国軍は第15次5ヵ年計画で『無人知能化戦力』の整備を加速させており、ミサイル中心の攻撃から、無人機を含む新領域戦力へ拡大している」と指摘する。中国がこうした訓練を繰り返している理由は、台湾有事を想定した米軍航空戦力の無力化である。

その最も効率的な方法は、航空機が地上にある段階で破壊し、滑走路を使用不能にすることである。これはウクライナによる「蜘蛛の巣作戦」(複数のロシア空軍基地の周辺に事前にトラックを潜入させ、大量のドローンで攻撃した手法)を参考にしている可能性がある。

ちなみに三沢基地がある青森県内の中国資本関与の再エネ発電所は360ヵ所にのぼり、再エネ投資の増加に伴い、中国資本の進出が特に目立っている。青森県は、米軍・自衛隊・原発が集中するため、安全保障上のリスクが特に高い地域である。

こうした状況が放置されれば、中国資本による情報収集拠点化、無人機の発着・補給拠点化、通信網の乗っ取り・破壊、日本政府の有事対応に対する土地所有権を盾にした遅滞や妨害などのおそれがある。

都市部の市街地が上位を占める

「重要土地等調査法」(2022年)は、防衛施設・原発・国境離島などの周辺土地の利用状況を調査し、必要に応じて規制する安全保障法制であり、国はレーダー妨害、レーザー照射、妨害電波発射などの阻害行為の有無を調査する。阻害行為が発覚した場合、勧告、命令、罰則を課すことができる。

この重要土地等調査法に基づき、政府は2025年12月、安全保障上の重要施設周辺や国境離島での土地・建物の取得状況について、2024年度調査の結果を公表した。同年度中に11万3827筆個(土地6万9677筆、建物4万4150個)の取引があり、このうち外国人・外国法人による取得が3498筆個で、全体の3.1%だった。国・地域別では中国が最多であるが、施設への妨害電波発射といった「阻害行為」は確認されなかった。

重要土地等調査法は、自衛隊の基地や原発など重要施設の周囲1キロや国境離島を「注視区域」や「特別注視区域」と定める。調査対象は24年度までに指定された583区域で、都市部の区域指定が増えたことから、取引件数は23年度(1万6862筆個)から大幅に増えた。

外国人・外国法人による取得について、国・地域別では中国(香港を含む)が1674筆個で47.5%。台湾(11.7%)、韓国(10.7%)、米国(6.0%)が続いた。区域別では37都道府県で外国人・外国法人による取引があった。

東京都が最も多い1558筆個で、「陸上自衛隊衛生学校・防衛装備庁艦艇装備研究所・ニューサンノー米軍センター」周辺の553筆個、「防衛省市ケ谷庁舎」周辺の309筆個など都市部の市街地が上位を占めた。マンションや戸建て住宅の取得が多かったという。

自衛隊施設や原発周辺の土地を買収

2022年の重要土地等調査法施行当初、政府は、自衛隊のレーダー施設など600ヵ所程度の防衛関係施設のほか、原子力発電所などの周辺を想定し、対象となる土地の情報を管理し、中国を含む外国資本の動向を把握する体制を整えた。

対象となるのは、まず、中国やロシアの戦闘機による領空侵犯や北朝鮮の弾道ミサイルを見張るレーダーサイトなどである(北海道稚内市、沖縄県・宮古島、長崎県・対馬)。北朝鮮からの弾道ミサイルなどを撃ち落とす地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)拠点も優先順位が高い(沖縄県那覇市、青森県つがる市、茨城県土浦市)。

陸自は全国5地域に展開する方面隊をつかさどる「方面総監部」などがある(札幌市、仙台市、東京都練馬区、兵庫県伊丹市、熊本市)。海自は自衛艦隊司令部(神奈川県横須賀市)、空自は航空総隊司令部(東京都福生市)を念頭に置く。

区域を指定する背景には外資の土地買収による安全保障上の懸念がある。13年に中国・韓国系企業が対馬で海自施設の隣接地を取得。14年には中国資本が空自の千歳基地などに近い北海道苫小牧市の森林を買った事例が判明した。20年には稚内市で空自のレーダーサイトから1キロほど離れた土地を中国資本が買い取り、風力発電所の風車を設置したことが発覚した。

このレーダーサイト周辺では、再生可能エネルギー事業計画が一時期8件届けられ、基地関係者が「分屯地の喉元(のどもと)」と表現する近接地だ。ここは、近年、注目を浴びる東アジアと欧州を結ぶ「北極海航路」のチョークポイントと呼ばれ、日本海からオホーツク海へ抜ける宗谷海峡に面する稚内は特に重要な情報収集拠点となる。

さらに原発など国民生活への影響が大きい重要インフラ周辺も対象になる。テロ攻撃や原発事故のリスクを減らすため、周辺地域の警戒を強化する。九州電力の川内原発1、2号機(鹿児島県)や関西電力高浜原発3、4号機(福井県)といった稼働中の原発が候補となった。

日本政府が重要土地等調査法を制定する動機となった複数の中国系企業による買収事例があるので紹介する。

●馬毛島(鹿児島県西之表市)

2019年当時、日本政府が国有化を目指していた馬毛島の土地のほぼ全域を所有していたタストン・エアポート(東京都)社代表取締役(当時、21年死去)が、中国の国有企業側から上海に招かれ、融資や出資を打診されたことがあった。その時、桜田義孝元五輪担当相も同席していたが、結局、買収は合意とならなかった。馬毛島は、2011年の日米合意で米空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)の実施場所の候補地とされていたため、日本政府は19年11月末にタストン・エアポートとの間で約160億円での買収に大筋合意した。23年1月から自衛隊基地の新設工事が行われている。

●笠佐島(山口県下関市)

2010年代後半ごろ、笠佐島の一部の土地が中国系個人・企業に買収された。同島は、日本海と瀬戸内海を結ぶ最重要海路である関門海峡の要衝にあたり、岩国基地や呉基地に近く、海自・海保の監視ラインが集中している。外国勢力がここで土地を取得すると、監視・通信・観測拠点として利用されるリスクが指摘されている。

●竹富島(沖縄県竹富町)

2016年9月、中国系資本が宅地約2.4ヘクタールを買収しようとしたことが発覚し、町議会で問題化した。結局、町が対抗して土地購入を検討して阻止した。

●石垣島(沖縄県)

2010年代、石垣島は観光地として人気で、石垣市内の海岸沿い土地を中国系企業が取得した。尖閣諸島の行政区域であるため、中国による政治的象徴性が高いと見られている。政府の「重要土地調査」でも複数回言及された

●対馬(長崎県)

対馬は韓国資本の買収が有名だが、中国資本も複数参入した。2010年代には、対馬市内の宿泊施設、土地を中国系企業が買収した。

後編記事『北海道が「中国の32番目の省」になる日…経済安全保障専門家が危険視、日本の「ザルすぎる土地規制」』に続く。

【つづきを読む】北海道が「中国の32番目の省」になる日…経済安全保障専門家が危険視、日本の「ザルすぎる土地規制」