日本で暮らす外国人が在留期間の延長を希望する場合、在留資格の更新や資格自体の変更が必要となる。

 そのための手数料について、政府は上限額を大幅に引き上げる方針だ。

 外国人との共生社会の実現に向けて、日本語教育の充実などにあてる狙いがあるという。引き上げが実現すれば45年ぶりだ。物価水準の上昇などを考えれば、手数料の見直しは理解できる。

 だが、政府が提案している引き上げ額はあまりにも大幅で、唐突と言わざるを得ない。外国人にとって負担が重すぎないか、見直し額を精査する必要がある。

 政府が、在留審査の手数料の引き上げを柱とした出入国管理・難民認定法改正案を国会に提出し、現在、審議中だ。

 在留資格の更新や変更を行う際に必要な手数料の上限額を、現在の1万円から10万円に引き上げる内容だ。また、永住許可を申請する場合の手数料の上限額は、1万円から30万円へと見直す。

 資格の更新や変更にかかる実際の手数料は現在、6000円に定められている。政府は改正法成立後、在留期間の長さに応じ、政令で金額を定める方針だ。

 例えば、外国人の介護福祉士が同じ仕事を続けるために在留期間の1年延長を求めた場合、約3万円の手数料を徴収する予定だ。

 企業への就職が決まった留学生が、技術者などになるために在留資格の変更を求めて5年間の在留許可を申請した場合、徴収する手数料は約7万円にするという。

 日本企業の中には、外国人を「安い労働力」とみなし、低賃金で雇っているところもある。報酬の少ない外国人にとって、日本で働く上で欠かせない手続きの費用の引き上げは痛手だろう。

 社会の貴重な担い手である外国人にとって暮らしやすい環境を整えることは政府の責務だが、一方で、現在の制度が悪用されるケースも目立っている。

 政府は昨年、「経営・管理ビザ」の取得に必要な資本金をそれまでの6倍となる「3000万円以上」に引き上げた。このビザを取得して来日したにもかかわらず、設立した会社に実体がないケースが相次いで確認されたためだ。

 取得要件を厳格化した結果、ビザの申請件数は月平均で96%減った。不正な申請を防ぐ効果があったとされている。

 ルールを守らない外国人に厳しく対処するのは当然だ。だが、いたずらに外国人を敵視するような排外主義に陥ってはならない。