もう一度、ポタ電を信じるために中国のJackery工場に行ってきた
最近はもう、充電するものすべてが、なんとなく怖いんだ…助けてJackery。
ポータブル電源で一番大切なこと、それは信頼性(断言)。
ハードなアウトドア環境でも、災害などの非常事態下でも安定して電気が使えること。そして、発火などのリスクがまったくのゼロであること──それすなわち“信頼”に尽きると思います。
でも…そもそも何を根拠に信頼すればいいの? どのメーカーも「うちのは安全だよ! 安心だよ!」って言ってるけど、本当のところどうなのさ?
そんな“ポタ電不信”状態に陥っていた筆者のもとに、ある日、手紙(電子メール)が届きます。それはポタ電大手・Jackeryの本拠地、中国・深圳の工場見学ツアーの招待状。
“もう一度、ポタ電を信じたい”──そんな思いを胸に、筆者は海を渡りました。
これは、そんな「心にポタ電を取り戻す」ためのジャーニー(工場見学レポート)です。
実験室──そこはポタ電たちを試す千尋の谷
Jackeryといえば、ポータブル電源というジャンルを代表するブランドとして認知している方も多いはず。
日本では、2024年の能登半島地震発生時に製品の無償提供を敢行、支援活動を行なったことでも知られていますね。
今回まず見学したのは、Jackeryの実験室。
ここでは、製品の耐久性・信頼性を確かめるために日夜、製品をテストしています。
たとえば、こちらの装置の中ではマイナス20℃や45℃といった過酷な温度下でも、製品がちゃんと機能するか、テスト中。
絵的に伝わりにくいので、同行した編集部・前野に寒さを表現してもらいました。
こちらの装置の内部は、いわばポタ電部品にとっての地獄。内部に収められた部品たちは、温度約120℃、湿度100%といったハードな環境でテストされています。その目的は劣化耐性を調べること。
数千回の充電サイクルに耐える長寿命を持つポタ電ですが、その間に部品が劣化して使えなくなってしまっては元も子もありません。そこで人為的に劣化を早めるような環境を作り出し、部品の劣化耐性をテストしているのです。
「100℃超えてるのに、部品燃えないの!?」と思うかもしれません。筆者もそう思い、尋ねてみたのですが、なんと、ここでテストされている部品は大体500℃くらいまで達しないと発火しないそう。つ、強い…。
こちらは耐水テスト装置。ちょうどヨーロッパなどで販売されているベランダ蓄電池の試験中でした。
四方八方から押し寄せる水流、水責め地獄!
屋外で電気を扱う製品ですから、耐水性能は最重要。「いくら水を当てたとて、まだ当て足らん!」とばかりに放水をしています。
こちらはソーラーパネルの発電効率を調べつつ、光耐久性能もテストする装置。
ま、まぶしい…!今年、見た中で一番明るい空間でした。
しかし、ソーラーパネルのテストは、この“エクストリームひなたぼっこ”だけではありません。
その横では、耐久テストとして終わりなき折りたたみが…。
ちょっとシュールな光景にも見えますが、実際の使用を想定して耐久性を確かめるには、ひたすら動作を繰り返すしかありません。
「信頼に近道などないのだ」繰り返される試験に耐えるソーラーパネルが、そう私に語りかけているような気がしました。
残念ながら、この日は見れなかったのですが、ほかにもポータブル電源本体に鉄球を落としてぶつけたり、高いところから落としたり、振動を与え続けたりといったハードな試験も行なっているそう。
厳しく製品を試すその姿、さながら千尋の谷に我が子を突き落とす獅子のごとし。こうして過酷な試験を経て、Jackeryのブランドを背負った製品が完成するのですね。
「ハイテクと人力のハイブリッド」がJackeryクオリティを産む
この日はさらに、製造ラインまで見学させてもらえました。
工場ではポータブル電源を、基盤に回路部品を乗せるところから作っています。
基盤に部品を一つ一つ乗せていくような緻密な作業は自動化され、機械がものすごいスピードで処理しています。
でも、仕上がりはしっかり人の目でチェック。機械のスピードと、人間の丁寧さ。その2つのハイブリッドでJackeryのポタ電は組み上がっているのです。
フィニッシュは熟練の工員たちの手で組み立てから、動作チェックまで。
こうして完成したポータブル電源は、さらに充放電を数サイクルの動作チェックを経て、箱詰めされ、全世界へと羽ばたいていくわけです。その数、なんと年間180万台。世界がポタ電でいっぱいにならないのが不思議ですね。
ソーラーパネルはミルフィーユです
さらにソーラーパネルの製造工場も見学させていただいたのですが、そちらは奇しくも新製品製造中のため撮影NG。テキストでその様子をざっくりお届けします。
あの薄いソーラーパネルですが、その実は、さらに薄い「セル」と呼ばれる“光を電気に変えるシート”が何重にも重ねられて、ミルフィーユのようになっているのです。
工場では、まず人の手でそのセルのシートを適切なサイズにカットするところからスタート。それらを並べ、導線をつなぎながら何層にも接着剤で重ねていきます。
耐水性のある布地でできた土台に接着したら、穴あけなどの仕上げをして完成。もちろんソーラーパネルも機械と人のハイブリッド作業です。
こちらの工場では年間100万台のソーラーパネルを製造。よく知っているパネル型の製品のほかに、主にヨーロッパなどで建物の屋根として使用される瓦型のソーラーパネルも作られていました。日本でも公共施設の屋根とかに使われないかなぁ。
ポタ電不信を塗りつぶす、オレンジ色
こうしてJackeryの工場見学ツアーを終え、私の“ポタ電不信”はJackeryのオレンジ色に塗りつぶされました。
だって、ポタ電が生まれるところから、厳しい試練を経て、世界に羽ばたく瞬間まで見ちゃったんだもの。もういわば、親戚のおじさんみたいな気持ちですよ。
どうですか、あなたの心にもポタ電が、帰ってきましたか?
中国・深圳の現場からは以上です。

Source: Jackery(1, 2)
