猫が『食べすぎた』ときに表れるサイン5選 放置すると危険?適切な対処法も解説
猫が「食べ過ぎた」ときに現れる5つのサイン
1.何度も吐く
猫はもともと吐きやすい動物ですが、食後すぐに未消化のフードを戻すのは食べすぎのサインかもしれません。
胃の容量を超えて詰め込むと、体が拒絶反応を起こして外に出そうとします。一度吐いた後にケロッとして食欲があるなら様子を見ても良いですが、何度も吐き続けたり、吐しゃ物に血が混じっていたりする場合は危険です。
何度も吐くと胃液で食道が荒れてしまうほか、胃腸炎を引き起こしている可能性や閉塞によって吐出している可能性もあるため、早めに獣医師の診察を受けましょう。
2.お腹がパンパンに張っている
食後に猫のお腹が風船のようにパンパンに膨らんでいる場合、明らかに許容量以上の食事を摂取しています。胃が大きく膨らむことで他の臓器を圧迫し、痛みや不快に感じることも。
優しくお腹を触ろうとしたときに、普段は怒らない猫が唸ったり、噛みつこうとしたりして嫌がる場合は、強い痛みを感じている証拠です。
単なる満腹であれば数時間で落ち着きますが、時間が経っても張りが引かず、苦しそうな様子が続く場合は、胃拡張や胃捻転などの深刻な事態も考えられるため注意が必要でしょう。
3.元気がなく、じっとしている
食べすぎると、消化のために大量の血液が胃腸に集中します。そのため、猫はエネルギーを温存しようとして、隅っこで丸まって動かなくなることがあります。
眠っているだけなら問題ありませんが、大好きなはずのおもちゃを見せても反応しなかったり、呼びかけに対して耳も動かさないほどぐったりしていたりする場合は、単なる「食後の眠気」ではありません。
食べたものが消化管に詰まって何らかの消化器系の問題により体調を崩している恐れがあるため、呼吸が荒くないか、熱っぽくないかなどを確認して受診を検討してください。
4.下痢や軟便をする
摂取した栄養が多すぎると、腸で水分を十分に吸収しきれず、便がゆるくなることがあります。特に初めてあげるフードや、おやつを多量に食べた際に起こりやすい症状です。
一度きりの軟便であれば食事量の調節で改善しますが、水のような下痢が何度も続くと、猫はすぐに脱水症状に陥ってしまいます。
特に子猫やシニア猫は体力が低いため、下痢が続く、または便の色が黒かったり血が混じったりしている場合は、すぐに病院で便の検査をしてもらうことが大切です。
5.苦しそうに呼吸をしている
胃がパンパンに膨らむと横隔膜が圧迫され、猫は呼吸がしづらくなります。猫は通常、鼻で静かに呼吸をしますが、口を開けて「ハァハァ」と犬のように呼吸をしている場合は非常に危険なサインです。
これは、体内の酸素が足りなくなっている証拠であり、最悪の場合、心臓や肺に大きな負担がかかって命に関わります。
舌の色が青紫っぽくなる「チアノーゼ」が見られたら、一刻を争う事態です。食べすぎ以外の原因も考えられるため、夜間であっても救急病院へ連れて行きましょう。
「たかが食べすぎ」と放置するのが危険な理由
多くの飼い主は「食べすぎても寝れば治る」と思いがちですが、実は多くのリスクが潜んでいます。
まず、急いで食べすぎることによる喉の詰まりは、窒息死を招く恐れがあります。また、食べすぎが習慣化すると肥満になり、糖尿病や心臓病、重い関節炎など、一生付き合わなければならない病気の原因になることも。
さらに、常に異常な食欲がある場合は、糖尿病や甲状腺の病気など、食べても太らない、あるいは食べてしまうという体の不調が隠れているサインかもしれません。
愛猫の命を守るためにも、適切な給餌量を守ることは飼い主の重要な義務と言えるでしょう。
食べすぎてしまった時の応急処置
もし愛猫が食べすぎて苦しそうにしていたら、まずは落ち着いて「絶食」をさせることが基本です。胃腸が悲鳴を上げている状態なので、追加の食事やおやつは一切与えず、半日ほど胃を休ませてあげましょう。
どの程度、胃を休ませるべきかは個体差があります。獣医師の指示に従いましょう。
その際、脱水を防ぐために新鮮な水だけはいつでも飲める場所に置いておきます。また、無理に運動させて消化を促そうとするのは逆効果です。
おもちゃで遊んだりせず、静かで温度管理のされた場所で安静にさせ、猫が自力で消化できるのを待ちます。飼い主はそばで見守り、呼吸や行動にさらなる異変が出ないか細かくチェックしてください。
食べすぎを防ぐ3つの予防策
食べすぎを未然に防ぐには、毎日の習慣を見直すことが一番の近道です。まずは1日の給餌量をキッチンスケールで正確に測ることから始めましょう。目分量では誤差が大きく、少しのズレが猫にとっては大きな過剰摂取になります。
次に、一度にたくさん与えるのではなく、回数を小分けにして与えることで、空腹時間を減らし「ドカ食い」を防止できます。
さらに、早食い防止用の凹凸がある食器を活用すれば、物理的に食べるスピードを落とさせることが可能です。これらの小さな工夫の積み重ねが、愛猫の健康寿命を延ばす鍵となります。
まとめ
猫は目の前に食べ物があると、あるだけ食べてしまう習性があります。自分で健康管理ができないからこそ、飼い主が食事の量や質を正しくコントロールしてあげることがとても大切です。
「いつもより元気がない」「お腹が張っている」といったサインを見逃さず、少しでも不安を感じたら迷わず獣医師に相談しましょうね。
(獣医師監修:葛野莉奈)
