10代が突出…自転車事故の8割が重傷

新年度を迎え、自転車通勤・通学を始めた人も多いこの時期。2026年4月からは交通反則通告制度が自転車にも適用され、ルール面でも大きな変化がありました。

しかし見落とされがちなのが、自転車本体の「安全チェック」です。

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査によると、2021年から2025年の5年間に発生した自転車の製品事故は299件にのぼり、そのうち8割が重傷事故。さらに年代別では10代の事故が最多となっています。

傘、スカート、バッグが重傷事故につながるケースもあります。場合によっては青切符で反則金の可能性もあります。事故や危険なケースをまとめました。

10代で最も多い 自転車事故の実態

NITEがまとめた自転車の製品事故299件を年代別に見ると、10代が突出して多くなっています。

事故の事象別では「走行中にハンドルがロックした」が40件(うちリコール対象製品が25件)で最多。

続いて「異物が挟まるなどして前輪がロックした」が26件で、このうち12件が10代でした。

「チェーンが外れた・破断した」も、8件のうち5件が10代と若い世代に集中していることがわかります。

車輪に挟まるのは「ハンドルにかけているもの」や衣服など

車輪に挟まった異物として多かったのは、傘・衣服(スカート)・荷物(ひもを含む)・靴などでした。

傘や買い物バック、荷物などをハンドルにかけていて、前輪に巻き込まれて事故になるケースも報告されています。

NITEの実験動画でも、傘やビニールバッグなど、ハンドルにかけていたものが前輪にあっという間に巻き込まれていました。

巻き込みによって前輪が急停止した状態になり、体ごと投げ出されるケースもあります。

青切符の対象になる可能性も

また、ハンドルに傘や買い物袋などのものをかけていると、ハンドル操作の妨げや、自転車の安定を害しているなどとして、道路交通法の「乗車積載方法違反」や、「安全運転義務違反」に問われる可能性もあります。

4月から自転車にも導入された青切符制度では、乗車積載方法違反の反則金は5000円ん、安全運転義務違反の反則金は6000円です。

実際に起きた事故--泥よけと前輪が干渉、下り坂で前輪が脱落

NITEが公表した事故事例は、どれも「まさか」と思うような状況で発生しています。

2023年3月(福岡県、10代・男性、重傷):走行中に泥よけが前輪に巻き込まれ、前輪がロックして転倒・負傷。前泥よけの固定ねじが脱落し、タイヤと干渉したことが原因として考えられています。

2022年6月(神奈川県、10代・男性、重傷):スポーツ車で下り坂を走行中、前輪が突然外れて転倒。クイックレリーズの固定が緩んだまま走行していたことが原因と推定されています。

取扱説明書には「乗車前には必ずクイックレリーズレバーが固定されていることを確認する」と記載されていたものの、確認が行われていなかったとみられます。

どちらも重傷を負っており、乗車前のわずかな確認で防げた可能性がある事故です。

自転車は原則車道。倒れたら体ごと車道に…」

NITEの製品安全広報課・清水 与也さんは、

自転車は原則車道を走るものです。泥よけがタイヤに接触していて、運転中に外れて急にタイヤが止まれば、意図しない急ブレーキと同じ。体ごと車道に投げ出されます。車道で自動車が通りかかったら、大きな事故につながるおそれがあります。傘やビニール袋の巻き込みでも同じことが起こりえます」と指摘しています。

乗る前に確認したい「4つのポイント」

NITEは、以下の4点を乗車前のチェック項目として呼びかけています。

① 車輪への巻き込みのおそれがないか確認する

泥よけに変形や外れがないか確認しましょう。買い物袋や傘をハンドルにぶら下げると車輪に巻き込まれる危険があります。荷物は必ずかごに入れてください。

② ブレーキの効き具合を確認する

自転車から降りた状態でブレーキレバーを握り、車体を前後に動かして滑りがないか確認を。効きが甘い・固すぎる場合は、自転車技士または自転車安全整備士のいる店舗に相談してください。

③ チェーンの状態を確認する

走行中に金属がこすれるような異音がする場合、チェーンがたるんでチェーンケースに接触しているおそれがあります。さびがひどい場合は販売店に相談を。

④ 車輪・ハンドル・ペダルの緩みやがたつきを確認する

特にネット購入の自転車は、自分で組み立てが必要なケースがあります。クイックレリーズ方式のスポーツ車は、取扱説明書の手順通りに正しく固定してください。

春先からゴールデンウィークにかけて、自転車を出す機会も増えます。また、自転車などの運転は「慣れた時期」が危ないとも言われます。

自転車店での定期的な点検や、乗る前のわずか数分のチェックが、重大な事故を防ぐ第一歩です。