爪の縦線やでこぼこは年齢のせいじゃない?「乾燥」対策を3カ月徹底すれば“美爪”を生む土台は整えられる

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年齢を重ねるとともに、二枚爪やでこぼこ爪などの爪トラブルが増えてきたと感じている方は多いかもしれません。しかし、実は爪の状態と年齢はほとんど関係ないのだそう。

では、なぜ爪トラブルが発生するの?どうすれば予防できるの?

爪疾患のスペシャリストとして著名な麻布台クリニック・院長の齋藤昌孝さんに、爪を美しく生まれ返させるコツをお聞きしました。

爪トラブルの原因は「乾燥」

意外に思われるかもしれませんが、加齢による爪の変化はそれほどありません。30代で爪が荒れてしまっている方もいれば、80代で美しい爪を保っている方もたくさんいらっしゃいます。

実は、爪トラブルの主な原因は「乾燥」なのです。

日常生活の中で爪が乾燥する要因はいくつもあります。例えば水仕事。食器用洗剤に長時間触れることで、爪やその周囲の脂分が必要以上に奪われてしまいます。また、最近ではジェルネイルを剥がす際の薬剤なども乾燥の原因となって、爪がダメージを受けることも少なくありません。

しかし、一番の問題は多くの方が“爪が乾燥する”というイメージを持っていないことです。顔や手の肌は乾燥対策するのに、爪はノーケアという方が非常に多い。

爪は乾燥すると脆くなってしまいます。そして、乾燥が進むと二枚爪になったり、表面がでこぼこになったり、縦線がくっきりと浮き出てきたりしてしまいます。爪トラブルの多くは“乾燥のサイン”といえるのです。

美爪を生む3つのケア

それでは、どのようにケアすれば美しい爪を取り戻せるのでしょうか。

まず、知っておいていただきたいのが、すでに生えている爪の見た目をきれいにするのは難しいということです。残念に思われるかもしれませんが、どれだけ頑張っても荒れた爪が劇的に美しくなることはありません。

だからこそ、「美しい爪が生えてくる土台を整える」ことが重要になります。

実践していただきたいケアは三つ。

一つ目は、爪周りの甘皮を剥かないことです。当たり前に思うかもしれませんが、駄目と分かっていてもつい剥いてしまう人が多いです。

甘皮は、皮膚と爪の間をしっかりと埋めて雑菌などの侵入を防ぐ“防波堤”の役割を担っています。さらに、甘皮にダメージがあると新しい爪を生み出すうえで重要な爪母(そうぼ)という部位にも悪影響を与えてしまいます。

そのため、無理に剥くのは絶対にやめてください。どうしても気になってしまう際は、専用の爪切りで根元から切るなど、慎重に処理することが大切です。

二つ目は、洗い物の際にゴム手袋を使用することです。洗剤などが直接肌に触れず、手荒れを防げます。こちらも簡単なケアですが効果は小さくありません。素手で洗い物をするよりも爪や周囲の皮膚へのダメージが軽減されるはずです。

三つ目は、手に保湿剤を塗る際、ついでに爪と周りの皮膚にも塗ってあげることです。本来、保湿剤は肌や爪の状態を“改善する”ものではなく、“良い状態を保つ”ためのものです。ただし、乾燥対策としては非常に有効なので、ぜひ意識してみてください。

3カ月継続することが重要

そして、何より大事なのはこうしたケアを「3カ月以上続けること」です。

爪は1日に約0.1ミリ、1カ月で約3ミリしか伸びません。そのため、ケアした効果が反映されて美しい爪に生え替わるには約3〜4カ月かかります。

時間がかかるため、多くの方が短期間でケアするのをやめてしまいますが、美しい爪を取り戻すためには根気強くケアし続けなければなりません。

一昔前までは、よく「爪は健康のバロメーター」と言われていましたが、実際には内臓などの状態が反映されるわけではありません。むしろ、日々爪周りだけをケアするだけでも大きく変えられるパーツです。

ただし、どうしても見た目が気になる場合は、医療機関で爪の状態を診てもらうのもお勧めです。二枚爪やでこぼこ爪などの痛みを伴わないトラブルであれば、ステロイドが入った軟こうなどを処方することもあります。

しかし、処方された薬も美しい爪が生える土台作りには役立ちますが、荒れている爪を美しくする効果は大きくありません。ケアと同様に、やはり3〜4カ月塗り続けることが必要になります。

美しい爪を取り戻すのに近道はありません。しかし、裏を返せばこつこつとケアし続ければ、誰でも美しい爪を取り戻せます。3カ月後、4カ月後の変化を楽しみにしながら、ぜひケアを続けてみてください。

齋藤昌孝(さいとう・まさたか)
皮膚・爪疾患のスペシャリストとして著名な麻布台クリニック院長。

取材・文=内山直弥