守護神から先発転向の広島・栗林良吏、違いはフォークの使い方…プロ初先発でいきなり「マダックス」達成
6年目の今季、先発に転向した広島の元守護神・栗林良吏(29)が快投を演じている。
3試合で2勝を挙げ、防御率は1・16。好調の背景には、ストライク先行の投球と、新たなフォークボールの使い方がある。
昨年9月27日の神宮球場だった。藤井ヘッドコーチに「来年、先発に行ってもらう」と告げられた。「何か、やることはありますか」と尋ねると「球種は持っているから心配ない。クローザーは全てが全力。先発にはちょっと遊び心が欲しい」と心構えを説かれた。
開幕カードの中日との3戦目(3月29日)でプロ初先発した栗林は、わずか95球で1安打完封勝利。100球未満で完封する「マダックス」を達成した。かつての全てを背負ったかのような張り詰めた表情ではなく、新井監督も「楽しそうだった」と感想を語った。
投球面で昨季と違ったのが、得意球のフォークだ。藤井ヘッドコーチは「質が良く、球速も真っすぐに近い」と断言。制球しにくいとされる球種だが、石原バッテリーコーチは「ストライクを取る球と、決め球にする球を使い分けていた。クローザー時代にはなかった」と指摘した。
同僚の大瀬良は「初球から様々な球種でストライクを取れて、追い込めば落差のあるフォークがある」と分析。「打者にすれば、早めに勝負にいきたいが、気づけば追い込まれているという負の連鎖が起きていた。投手優位の状況を作れていた」と称賛した。
栗林は「色々な球種で勝負して、打者に嫌がられる投手になりたい。フォークは1年目の時のように腕が振れて、ストライクゾーンで勝負できる。反省を繰り返しながら成長していきたい」と語る。「遊び心」を自分なりに解釈し、先発投手として新境地を開いた。もちろん、これが完成形ではない。(中村孝)
