多様性の社会と云われる現代でも、常識や枠は存在している。そこにハマらないときに感じるのが“生きづらさ”。

【映像】「不適合なのかなって」耳だけでピアス20個開け、ジェンダーフルイドのひろさん(顔出し)

 SNSでは、生きづらさを感じる中で「周りが普通すぎて、自分だけ社不に見える」「社会に適応できない自分が情けない」と自らを“社会不適合”と捉える声があがっている。さらに「私は変な奴だ。変な両親に育てられ、変な男と付き合い、変な友達と遊ぶのはもう嫌だ。変な奴はもうやめたい」という投稿も話題に。果たして、社会に合わせられない人はダメなのか。当事者とともに『ABEMA Prime』で考えた。

■「自分は社会不適合ではないか」と悩む当事者のリアル

 自身を社会不適合だと悩む、就活に苦戦中のひろさん(22)は、「周りが就職活動を始めたとき、私は派手な髪色でピアスもしていた。なかなか内定が決まらず、一度は黒髪にしてピアスも外した。いわゆる『就活生』の姿に寄せたが、自分の中でモヤモヤを抱えてしまった。周りは内定を取っていくのに、自分だけが取れないことで、不適合なのかなって感じる」。

 耳だけで20個、舌などを含めるとさらに多くのピアスを開けており、見た目に関する周囲との差を大きく感じているという。さらに、「ジェンダーフルイド(性自認が流動的)でアセクシャル(他者に性的に惹かれない)の当事者でもあるが、カミングアウトしていないため、周囲の話についていけず、嘘をつき続けてしまうことでさらにズレを感じる」と、内面的な生きづらさについても語った。

 過去に5回以上の転職を繰り返してきた経験を持つ、ともかさん(33)は、「最長は4年、最短は1カ月。辞めてしまう理由は、性格的に飽き性で、仕事に対する熱量が低いこと。それに加えてプライドが高く、仕事を選り好みしてキャリアを積めないままここまできてしまった」と明かす。

■ 「普通」という言葉に縛られる社会

 『ABEMA Prime』が実施したアンケートでは、自身のことを「社会不適合」だと感じたことがある人は74%、これまでに「生きづらい」と感じたことがある人は82%にのぼった。

 この結果に対し、生きづらい人の支援に取り組む、公認心理師の櫻井良平氏は、「日頃から相談を受けている肌感覚として、社会に適合できない、周りと違うという悩みは非常に多い。カウンセリングでは、個性を活かしながら生き生きと働ける環境は必ずあるということを意識して対峙している」。

 ルールやマナーとの兼ね合いについては、「ある行動について、ある人は個性だと言い、ある人は社会不適合だと言うこともある。周りがどう言おうと、自分自身がどう捉えるかが非常に重要だ」とした。

■「社会不適合を自虐で使う子が増えたが、開き直ることはよくない」

 『午前0時のプリンセス』の聖秋流(せしる)は、「私たちの世代って、遅刻した友だちがいたとき、「ごめん。私、社会不適合者やから』で、自虐として使う子がめっちゃ増えたと思うが、開き直ることはよくない。本当に努力してる人って、シンプルに人と合わせにくいだけで不適じゃない」との見方を示す。

 同メンバーのmomohahaは、「高校時代に5つほどバイトをしたが、すぐに辞めてしまった。みんなができることができないと自分を責めたが、逆に『みんなができないことをできる部分』を自分の中で発見し、YouTubeなどの発信を武器にしようと思えた。色々なことに挑戦して、自分には何が合うのかを問い続けた時間が今に繋がっている」と振り返る。

 現在、個性と多様性を持ったクリエイターグループ『午前0時のプリンセス』として活動しているが、仲間との関係性については「否定せず、お互いの意見を尊重している。元々全員が別の人間で、合うとも思っていない。意見が違うのは当たり前だから、我慢という感情はなく、『この子はこういう意見を持ってるんだ』、『私はこういう意見を持ってる』と自分の意見を知ってもらえるし、みんなのことをどんどん知ることができる。それで自分も成長していける」と、多様性を認め合う環境の心地よさを語った。

(『ABEMA Prime』より)