【センバツ】智弁学園が“選抜史上最大”8点差逆転で4強 小坂監督「鳥肌が立ちました」
◇第98回選抜高校野球大会第9日 準々決勝 智弁学園12―8花咲徳栄(2026年3月27日 甲子園)
準々決勝4試合が行われ、4強が出そろった。智弁学園(奈良)は選抜史上最大となる8点差を逆転し、花咲徳栄(埼玉)を12―8で下して10年ぶりのベスト4入り。専大松戸(千葉)は昨秋の関東大会で8回コールド負けを喫した山梨学院に2―1で競り勝った。中京大中京(愛知)、大阪桐蔭もあす29日に行われる準決勝進出を決めた。
2回までに8失点。そこから試合をひっくり返した。村上頌樹(現阪神)を擁し春夏通じて初優勝した16年以来の春4強入り。春夏通算50勝目、監督としても通算30勝目となった小坂将商監督は「鳥肌が立ちました」と振り返った。
3投手で計8点を失った後、エース左腕の杉本投入で流れを変えた。打線は2回から5イニング連続得点。着実に差を縮め、5回2死一、三塁から志村叶大(かなた=3年)が相手エースから右中間へ逆転の二塁打を放った。「杉本が抑えてくれていたので燃えていた」。1メートル61とチームで一番小柄な男が諦めない思いをバットに乗せた。
劣勢でも常に前向きだった。4番を打つ逢坂悠誠(2年)は証言した。「志村さんって先輩だけど、可愛いんですよ。みんながピリついているときでも和ませてくれる。点差をつけられても、ベンチが暗くなることはなかった」。一つになった逆転の場面を振り返った。
逢坂も3安打2打点で劇的勝利に貢献した一人だ。「ボールの内側を見て、コンパクトに低く強い打球でいこう」という指揮官の指示を体現。4回2死一、二塁から右翼への2点二塁打で2点差に迫り、ミラクル劇の突破口を開いた。
名門で1年から4番の重責を担うのは、巨人からブルージェイズ入りした岡本も経験した道だ。「冬場はバットを握れなくなるまで振り込んだ。しんどくなってからが勝負と言い聞かせた」。1日4000スイング以上の素振りが生んだ一打だった。
父・優友さん(42)はOBで01年春夏の甲子園に出場。「オレを超えてみろ」と言い続けた父が成し遂げられなかった1大会3勝目だ。先発全員の15安打で快勝し「いい報告がしたい」と逢坂。10年ぶり2度目の頂点へ、機運は高まった。 (鈴木 光)
○…智弁学園が8点差を逆転勝利。甲子園大会では、97年夏の市船橋(1―9→17―10文徳)、14年夏の大垣日大(0―8→12―10藤代)と並び、選抜史上最大の逆転劇。春はこれまで7点差が最大で、76年の習志野(0―7→8―7大社)、92年の仙台育英(1―8→18―11読谷)、01年の常総学院(0―7→8―7南部)。
○…チームは選抜では初の先発全員安打で12得点も選抜最多。
○…春夏通算50勝に到達し、並んでいた東海大相模と大体大浪商を上回り単独21位。
