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食品の値上げラッシュはやや落ち着きを見せているものの、依然として価格上昇や経費高騰の影響が続いています。

【写真を見る】値上げラッシュ一服の裏で広がる“実質値上げ” コメ価格は下落…苦悩する店側と消費者の切実なジレンマ

消えない「物価高」の実感

帝国データバンクによりますと、3月の食品値上げは684品目。単月の値上げ品目数が1000品を下回るのは去年11月以降、5か月連続です。値上げラッシュが本格化した2022年以降で初めての傾向で、値上げは当面一服するとみられています。

しかし、消費者の実感は異なります。

(買い物客)「やっぱり生鮮食品もですけど、加工食品もだいぶ値上がりしていて、少し安いものとかチラシを見ながら買い物している」「バレンタインデーのときチョコレートが上がっていてびっくりしました。甘いものが大好きなので、つまみ食いができなくなった」

内容量減…実質値上げ

大分市のスーパー「サンライフメロン店」では、調味料の価格はピークを越えたものの、一部の食品では値上げが続いているといいます。

青山紘道店長:
「去年の上がり方よりは緩やかではあると思うが、毎月いろんなところで値上げが行われているので、提供するのがちょっと不安」

今も影響が続くのは菓子類です。原材料の不足などを受けて3月から一部のポテトチップスが値上がりしました。

八尋記者:
「お菓子の中には価格はそのまま、グラム数を見直し、内容量を減らす動きも見られています」

サンライフメロン店 青山紘道店長:
「メーカーの値上げに関してはどうしようもないので、生鮮食品を中心にお客様に鮮度の良さ・安さでアピールしたり、品ぞろえを豊富にしたりして提案していきたいと思う」

原材料費1.5倍…洋菓子店を直撃

影響は小売店だけではありません。大分市の洋菓子店「Fourmiliere」では、ホールのショートケーキの原材料価格が1.5倍に。店では去年10月から値段を変えずに提供していますが、仕入れ値高騰のため、ケーキの種類を以前の3分の1程度に減らしました。

(川邉誠オーナーシェフ)「砂糖も上がりました。全部上がっています。洋菓子は生活必需品ではなく、嗜好品なので買わなくなるんですね。去年だったらもうちょっと売り上げがあったなとか思う」

原材料費の高騰以外にも、梱包資材の価格は1割から2割ほど上昇しました。

(川邉誠オーナーシェフ)「物価が下がることはないと思うけど、価値のあるものに目を向ける方に消費が動いてくれれば、消費者のみなさんに還元できるところも出てくると思います」

コメの価格下落も…複雑な思い

一方で、備蓄米が放出されて1年、コメの価格にも変化が見られ始めています。大分市の山川米穀店では、ピーク時に5キロを4400円で販売していましたが、現在は4000円まで下がりました。店主の山川富弘さんは、生産現場を守っていくための適正価格について、複雑な思いを抱いています。

山川米穀店 山川富弘さん:
「農家さん自身も高すぎると言っている。取引価格が1袋(30キロ)5000~6000円の時代があった。去年は1万5000~1万6000円でしょ。せめて1万1000~1万2000円は欲しいというのが農家の実の声です」

「お客さんに安く出したいという気持ちはありますが、いつも悩んでおります。次世代に農業をつなげられる価格が適正だと思っています」

家計への打撃を受けている一般消費者が安さを求める一方で、店や生産現場を悩ます経費の高騰、価格上昇のジレンマは、まだ続いていきそうです。