県新年度予算案シリーズ「富山の明日へ」 地鉄の未来 県が果たす役割は
「富山の明日へ」と題して、県の新年度予算案から富山の未来を考えるシリーズをお伝えしています。きょうは、今後のあり方について議論が続く、富山地方鉄道の鉄道線の現状と、県が果たす役割について助田記者がお伝えします。
注文を受けてから1つ1つ焼く昔ながらのたいやき。
富山地方鉄道本線・電鉄魚津駅前の「まるきん たいやき屋」です。1960年創業、65年に渡り駅前の変遷を見届けてきました。
「(昔は)人通りがあったね。あったあった。最近は全然、ほとんど無い」
沿線住民は今、地鉄の行く末を心配しています。
店主 川原田幸子さん
「もうびっくりしました。え!って思いましたもんね。無くなるってどういうことと思ったわ」
地鉄は去年、本線の滑川・宇奈月温泉間と、立山線の岩峅寺・立山間について、自治体から支援策が示されなければ、今年11月末で廃止する意向をいったん示しました。
沿線の自治体などで構成する、地鉄のあり方検討会での議論を経て、去年12月に、自治体が赤字の一部を公費負担することで合意し、新年度の廃止は回避されました。
赤字は6億円が見込まれ、県と、沿線7つの市町村、そして地鉄が3分の1ずつ負担します。
県は新年度予算案で、負担分として2億円を計上しました。しかし2027年度以降の存続は決まっておらず、本線では、あいの風とやま鉄道との並行区間である滑川-新魚津間の扱いが焦点となります。
沿線自治体は、
・現状を維持する案、
・地鉄の滑川-新魚津間は営業運転をせず、列車を回送させる区間として線路を残す案、
そして、
・廃止して線路を撤去する案の3つで協議を進めています。
廃止の可能性がある区間には、まるきん近くの電鉄魚津駅も含まれています。
店主の川原田さんは、地鉄を使って店に通勤していて、廃止になると困ると話します。
店主 川原田幸子さん
「浜加積っていう駅があるんですよ。滑川の1つ手前なんですけど、そこから乗ってきます。無かったら来れないです。運転できないもんですから」
新年度中の結論に向けて、重要と指摘されるのが県のリーダーシップです。
これまで沿線の自治体や地鉄が協議してきた検討会では、県は「議論の主体は沿線自治体」だとして、オブザーバーとしての参加にとどまってきました。去年12月の検討会では。
滑川市 水野市長
「よく言えば、沿線市町村にゆだねて尊重しているように見えますが、悪く言えば、丸投げしているようにも感じられると、そういった住民の声もありました」
新田知事は新年度予算案の発表の際に、県が主体となって、地鉄の今後のあり方を検討する新たな組織を設けるとしました。
新田知事
「私が会長を務めます、新たな検討組織を設置し、富山県が主体となって調査や検討に取り組んでまいります」
県の新年度予算案では、地鉄本線とあいの風とやま鉄道が乗り入れを行う場合にかかる費用の調査などに、合わせて2540万円を計上しています。関係者によりますと、あいの風とやま鉄道が会議に加わるかどうかは、有識者の意見も聞きながら検討するということです。
新田知事
「人口減少を何とか緩和したい、あるいは働き手を何とか確保したい、育成したい。そういうようなことを一方でテーマとして挙げているわけですけれども、そういった方々が実際に働いたり、移動したりするうえで、鉄道というものは、持続可能にしておきたいというのが私の考えであります」
人口減少社会の中で、公共交通の維持をどう考えるか、県が関与しての議論は新年度に正念場を迎えます。
県は第3セクターである、あいの風とやま鉄道の経営に関与しているだけに、議論に積極的にかかわることが大切です。
