深夜2時の行列には“小学生連れ”の家族も…ボンボンドロップシール異常流行の実態。29歳女性は「仕事にも集中できず、夫も『いい加減にしろ!』と…」
深夜3時近く、30代半ばの男性が「椅子だけ置いてるとかどうなってんだ? どけろ!」と声を荒らげ、転売屋の椅子を撤去した。この男性に加勢するように「物乞いが!」と声をあげる中年男性も出現。ただ、シールを買う権利を得るために、深夜に大人の男性同士が静かに争う場面に強烈な違和感を覚えた。
その後も列に並ぶ人は増え続け、あまりの長蛇の列に近隣住民から苦情が入ったのか、1時間おきに警察が見回りに出動。始発前には事前予告されていた販売数を明らかに上回る人数の行列ができていた。
なぜ“ボンドロ”がここまで社会現象になったのか。この異常な流行の背景には、デジタル洗脳に加え、人間心理が絶妙に作用していると法廷臨床心理学博士の遠藤貴則氏は指摘する。
「ボンドロは入手が難しく、希少性が高い。すると人は『せっかく並んで買ったのだから特別なものに違いないと思いたくなる心理が働き、SNSで自慢したくなる。投稿が増えるほど、タイムライン上の露出も増え、関連動画や写真が次々と流れてくる。すると、それを見た人が『自分も欲しい』と感じ、同じように行動する。このループが回り続けた結果、流行が一に広がっていったのでしょう」
もう一つ大きいのが、SNSによるリアルタイムでの販売情報の拡散が価値の差をつくったことだ。
「入荷情報が同時に広まり、同じ立体シールでも希少性の差が短期間で多くの人の共通認識になっていく。すると、自然にレア度の序列が生まれ、結果として、最も手に入らないボンドロのブランド性が強まる。こうして生まれたブランド性が熱狂を呼び、価値がさらに高まる――そのインフレがボンドロブームを過熱させたのです」
立体シールの流行そのものに害があるわけではない。しかし、次に同じ仕組みで“信じさせられるもの”が、もっと危険なものだったとしたら――。スマホの中で起きている洗脳は、特別な誰かの話ではない。
【法廷臨床心理学博士 遠藤貴則氏】
ビジネスサイエンスジャパン取締役。ニューロマーケティング(脳科学マーケティング)トレーナー、法廷・犯罪心理の専門家
※2026年2月24日・3月3日合併号より
取材・文/週刊SPA!編集部
―[[デジタル洗脳]の恐怖]―

