彼が言う「楽しませたい」が人間としての強さにどう裏打ちされるのか。それが今後の指針になるのかもしれない。

 するとモニターで見ていたMCの一人、沢村一樹が番組の締めくくりでこんなコメントをした。沢村がフランス人の父と同じような高身長になるのではないかと推測しながら「大きい女形もキレイかもしれないけど」と言い、すかさず水野美紀が「余計なお世話」とツッコミを入れていたのだが、でも案外本質的かもしれない。というのも、人間国宝・坂東玉三郎がまさに女形と身長との関係性から自らの芸を磨いた部分があるからだ。

 それこそ『国宝』に大きな影響を与えたスイスの巨匠監督ダニエル・シュミットが東京の街に尽きせぬ興味を示した映画『書かれた顔』(1995年)に出演した坂東は、自分は女形としては長身でそれが弱点だったが、その弱点を強みに変えたこと(本人は「自分の大きいということを客観的に見て自分で分解して料理して」と表現)を解説している。

これまた余計なお世話だが、尾上眞秀が長身になったなら是非とも力強い女形を目指してほしいと勝手に思ったりする。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修
俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu