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事件や事故は365日、起きてしまうもの。では年末年始、警察に逮捕されてしまったら、通常の刑事手続との違いはあるのでしょうか。おせち料理は出るのか、弁護士とは面会できるのか。簡単に解説します。

●法律関係の機関は通常通り

年末年始も当然、警察は業務を行っています。逮捕もされます。

年末年始に飲み会などで羽目を外して警察沙汰になり逮捕されるというのは割とよくある印象で、筆者自身も年末年始に「当番弁護士」として、何度か出動したことがあります。

「当番弁護士」というのは、簡単にいうと、逮捕された人が弁護士を呼べる制度で、当番用の名簿順に弁護士が待機している(連絡を受けた場合に警察署に面会に行けるようにしておく)ものです。

年末年始の分も名簿があって、弁護士が待機しているので、全く弁護士の助力を得られないということにはなりません。

なお、私選で特定の弁護士を依頼したいと思っても、その弁護士事務所が年末年始に休業していることがあります。

「逮捕」には72時間以内という時間的な制限がありますが、その後に「勾留」といってさらに10日間〜20日間身柄拘束が続く場合があります。この場合は、検察官や裁判官による手続きがありますが、検察庁も年末年始に動いていますし、裁判所にも勾留するかしないかを決めるための当番裁判官がいるので、通常と変わりありません。

●弁護活動上の問題点

1)家族は面会出来ない可能性

逮捕、勾留されている人に家族が面会しようとしても、年末年始(12月29日〜1月3日)や土日祝日は面会出来ません。

なお、逮捕の間はそもそも家族は面会できず、勾留された場合に面会ができるようになります(※接見禁止がついた場合には家族が面会できない可能性もあります)。

(以下2026年1月5日18時31分追記)記事を公開後、刑事弁護人より「勾留決定時に接見禁止が付くまでは、家族を含めて、面会を禁止する規定はないので、誰でも面会は可能」「事実上、警察が嫌がらせで面会を断ることはありますが、少なくとも、弁護士が同席して警察の立会があれば、面会を認める運用はされている」との指摘をいただきました。

逮捕から勾留までの間は、家族は面会できないのが実情ですが、法律上明確に禁止されているわけではありません。私自身の経験では、逮捕段階で被疑者家族と被疑者の面会を認めてもらったことはありませんが、警察の運用により認められる場合もあるようです。(追記ここまで)

2)示談との関係ではやや問題となる可能性がある

ただ、たとえばお店とのトラブルなどの場合、お店は年末年始に休業してしまう可能性があります。示談などを進めようとしても、担当者と連絡が取れない可能性もあり、示談交渉などが遅れる可能性はあります。

また、銀行も12月31日から1月3日(銀行によってはもっと長く)くらいに窓口が閉まっており、ATMの引き出し限度額を超えるようなまとまった示談金を用意するのに苦労するかもしれません。

●正月にはおせち料理が出るってホント?

正月に刑務所にいる場合、食事が正月用にいつもと少し違ったものになるようです。

ただし、それほど豪華なものではないそうです。弁護人の中には、年末最後の接見の際に、少し良い食べ物を自腹で差し入れたりする方もいます(私も入れたことがあります)。

ただ、逮捕されたばかりの段階だと、普通は「刑務所」ではなく、「警察署」で身柄拘束されています。

警察署でお正月用の食事が出るのかどうかは、各警察署によって対応が異なっているようで、明確な決まりはないようです。

監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)