[11.8 J1第36節 鹿島 2-1 横浜FC メルスタ]

 待ちに待った歓喜はお預けとなった。鹿島アントラーズFW徳田誉は途中出場から約5分後の後半アディショナルタイム2分、右CKを起点に生まれた混戦でこぼれ球をゴールに突き刺したが、副審がオフサイドの判定。VARチェックの結果、オフサイドはなかったことが確認されたが、直前に味方選手のファウルがあったとしてゴールは認められなかった。

 決まっていれば勝利を決定づける追加点とあり、一度は喜びを爆発させた徳田だったが、不遇の“ぬか喜び”に。また徳田自身は前回のホームゲームだった第33節・G大阪戦(△0-0)で終盤のPKを失敗していたなか、「優勝しないと『ガンバ戦は……』と言われると思うので優勝してみんなが忘れるくらいの形にならなきゃ」という決意のゴールがお預けとなった。

 得点に近づいているのは確かだが、そこに満足するキャラクターではない。「入っていないんで。悔しいけどまだまだなのかなという感じ」。現実を受け止めた18歳の大器は「残り3試合ということで勝つしかなかったし、自分もそれに貢献しなきゃいけなかった。いまはそれくらいにチームの力になりたいという思いが強い」と強気な表情で言い切った。

 徳田がPKを失敗したG大阪戦以降、チームは3試合連続でドロー。前節・京都戦(△1-1)から今節にかけてはルヴァン杯で2週間のインターバルがあったなか、徳田は金髪姿への変貌を遂げ、勝負の3試合を迎えていた。「ちょっとイメージを変えて最後にラストスパートかけられるように。またチームの力になれれば」。チームはこの日の勝利で自力優勝に一歩前進。外見にも込めた気迫は残り2試合、優勝を決めるゴールで示すつもりだ。

 溜まった鬱憤も“優勝決定弾”への活力となる。「前節も今節もチャンスはあったし、それを決めてゴールという形にしないとFWとして試合に出る意味はない。残り2試合しかないし、本当に大事な試合が残り2つあるので、そこで結果を出せればなと思います」(徳田)。9年ぶりの優勝に邁進する常勝軍団で、若き至宝が大いに燃えている。

(取材・文 竹内達也)