フジロッカー御用達の名湯!群馬・猿ヶ京温泉「まんてん星の湯」はサウナ、絶景、よもぎ蒸しありの充実施設

名湯をもとめ、全国津々浦々巡っている温泉ソムリエの資格を持つライター・森田幸江。群馬県・みなかみ町の秘湯を訪れたあとは、猿ヶ京温泉へ。フジロックの疲れを癒やすフジロッカーにおなじみの温泉施設へ立ち寄りました。
ロケーションの素晴らしさに惹かれ、立ち寄りを決意
「法師温泉長寿館」をチェックアウトした私と友人は、レンタカーに乗って高崎駅まで戻る道中、車で15分ほどの距離にある猿ヶ京温泉の「まんてん星の湯」に立ち寄ることにした。
実はこの施設、私を含むフジロッカー(毎年7月に行われる日本最大級のロックフェス「フジロックフェスティバル」参加者の愛称)たちには有名。フェス会場の苗場スキー場から都内を繋ぐ経路にほど近く、「フェスの疲れをここで癒やして都内に戻る」なんて楽しみにする方も多いそう。自分は初めて伺ったのだが、なにより惹かれたのがロケーションの素晴らしさである。
出会いは偶然だった。前日、長寿館の宿泊に向かう道すがら、あまりに美しい光景を目撃して車を停めた。満開に咲き誇る八重桜。そして当館に隣接する赤谷湖を横断する形で大量のこいのぼりが泳いでいたのである。
キラキラ輝くような光景に、はしゃぐお子さんやおばあさまたちの姿が楽しかったことからも、「湖を見下ろせる温浴施設には明日、絶対行きたい!」と心に決めての参上だった。

辿り着いたのは平日の午前11時ごろ。フロントで入館券を購入する前に、よもぎ蒸しのポスターが貼られていたことにもすかさず反応。友人と考えた末、「3時間券(800円)」と「貸切温泉90分(3000円)」、「貸切温泉のよもぎ蒸し(1500円)」というほぼフルコースのオーダーをしてチェックイン。
サウナからの絶景露天風呂で“ととのう”
まずは大浴場とサウナを楽しみ、予約時間になったら貸切温泉に移り、湯あみのあとよもぎ蒸しをしてチェックアウト、という流れにした。
すべての行程が楽しみなのだが、特に私は温泉ソムリエの前に熱波師など資格を取ってしまうほどのサウナ好き。猿ヶ京の泉質を楽しむのと一緒に、当地ならではの温熱体験をできるのであれば行くしかないと考えたのだ。
100円リターン式のコインロッカーに着衣と荷物を預け、浴室へガラリ。シャンプーやボディソープは備え付けがあるのも安心だ。はやる心を抑えて身体を清めてタオルで丁寧に拭い、サウナ室へお邪魔する。

ちりちりのほど良い熱は80℃、熱源はベンチの内側に格納されたボナサウナ。かりっとする低湿度の温熱に昭和風の味わいがあり、多くの方に愛されるセッティングと言える。そしてベンチの横にはガラス窓がくりぬかれ、そこから山並みや飛び交う鳥たちを望むことができるのである。
ぼーっと茹だりながら12分計と窓の外を眺め、10分ほどで退出。ドアのすぐ脇にある水風呂を頭から丁寧にかぶって汗を流し、足元からイン。さすがの水質で肌馴染みもよく、茹だった身体をきゅうっと締めてくれる心地よさ。これはクセになりますね。

1分ほど水風呂に浸かってから露天風呂にまわり、石造りのベンチに腰掛けてととのっていこう。
ちょうどベンチの高さから、露天風呂の先に赤谷湖を見下ろすことができた。絶景! なんて清々しいととのいだろう。昨日近くから眺めたこいのぼりが、遠く一列に行儀よくそよいでいるのがかわいらしい。澄んだ空気を目いっぱい吸い込み、とろんとしてくる身体を支えてお次は露天風呂に。

温泉成分分析表を眺めると、泉質はカルシウム・ナトリウム−硫酸塩・塩化物泉。泉温54℃とかなり高い。特筆すべき成分は硫酸イオン、カルシウムイオン、メタケイ酸の豊富さで、特に筋肉・神経の安定や、アトピー肌の改善に寄与するカルシウムイオンが関東圏トップクラスの含有量。
総合的に見て、血行促進や湿疹の改善、美肌効果などが期待できる、かなりハイレベルな温泉だった。

湯の肌あたりも柔らかく、芯から温まっていくのがよくわかる。おまけに絶景を見晴るかすことができるなんて。ほんの「立ち寄り湯」にするにはもったいないほどのぎっしり感を楽しめる。
貸切温泉とよもぎ蒸しで芯まであったまる
すでに充実した気持ちを抱えながらも、時刻は迫り貸切温泉とよもぎ蒸しのスタートに差し掛かる。
いったん着衣してフロントに戻り、貸切温泉を開けてもらってよもぎ蒸しもスタンバイ。きちんと鍵のかかる貸切温泉は木製の浴槽にカランがひとつ。腰掛けは2台置いてあったので、家族連れでも気兼ねない時間を過ごせるだろう。
こちらもなみなみと張られた温泉を、湯もみしながら楽しんでいく。大浴場にはない親密感がここにはあって、さまざまなご用向きを叶えてくれる場所だろう。

家族風呂を堪能したら、最後はよもぎ蒸し。局部を温めることで冷え性の改善や、内臓系をいたわる効果があると言われる。当館では、あらかじめ沸かしておいたホットプレートのお湯によもぎのパウチを入れ、出てくる蒸気を円座の下から裸のデリケートゾーンに直接当てる、というのがスタイルだ。

尋常ではない発汗をすること、蒸気を惜しみなく身体に当てる目的からも、ビニール製のポンチョをてるてる坊主のように着込んで、円座を覆って座ることになるのだが……。これが本当に、めっぽう熱い。
「熱源のゲージはご自由に上下させてくださいね」と指導いただいていたものの、どれだけ熱を下げたとしても、ぶわーっと立ちのぼる蒸気が、熱い。デリケートが、熱すぎる。
じたばた悶えてお尻を動かし、たまに熱源をオフにしながら耐えること30分。じたばたの甲斐あって身体は額にいたるまでびっしょりと汗をかき、なんだか内臓までじんわりと温まったかのよう。時間となったのでポンチョを脱いで、私の場合はいったん家族風呂のシャワーで汗を流し、ちょうど退出時間となったのである。
猿ヶ京温泉へは、都内から関越自動車道を通って2時間ほど。谷川連峰に包まれた、風光明媚な宿場町というゆえんもあって、しっとりと大人の風情ただよう温泉街だ。
アウトドアやキャンプなどの施設も多くあり、キャンパーやご家族連れにも(もちろんフジロッカーにも)楽しめる「遠足」の地となるだろう。さあまた、こちらもまた良い湯を求めて、旅に出ることとしましょうか。
■「猿ヶ京温泉 まんてん星の湯」
[住所]群馬県利根郡みなかみ町猿ヶ京温泉1150-1
[電話番号]0278-66-1126
[営業時間]10時〜20時(入館受付19時)※土・日・祝は〜21時(入館受付20時)
[休館日]火(祝日の場合は営業)
[URL]https://www.mantenboshinoyu.com/index.html


取材/森田幸江

