末期がんの父の最期の願いは「家に帰りたい」。病院がいいと言っていたのになぜ?


「死んでゆくのは大変だなぁ」末期がんの父の言葉に何も返せなくて/大切な人が死ぬとき(1)

父が医師に告知されたのは、末期のすい臓がん。余命は早くて3ヵ月、平均でも6ヵ月〜1年。突然のできごとに家族はぼう然。娘の水谷緑さんも「お父さんが死ぬ」という事実を受け入れることができずにいました。セカンドオピニオンに行ったり、海外で実績のある治療法を調べたり…家族で奔走するも良い手立ては見つからず。告知から8ヵ月が経った頃には、肝臓に転移が見られ、父は排せつや食事などの日常生活が少しずつできなくなっていきました――。

余命を宣告された家族にどう向き合えば良いのか? 家族の「死」をどう受け入れれば良いのか? 父を看取った娘の後悔と罪悪感、経験から得た“大切な人を看取るための心構え”を描く『大切な人が死ぬとき 〜私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた〜』を12回連載でお送りします。今回は第7回です。

※本記事は水谷緑著の書籍『大切な人が死ぬとき 〜私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた〜』から一部抜粋・編集しました。

家に帰りたいです


帰りたいんです!


帰るの?


車イスで海を見に行きませんか?


※緩和ケア…生命を脅かす疾患を抱えた患者と家族の身体的・精神的苦痛を和らげ、生活の質を上げる医療やケア。

海を見ながら父は涙を流していた


著=水谷緑/『大切な人が死ぬとき 〜私の後悔を緩和ケアナースに相談してみた〜』