7日からの週は、トランプ関税をめぐって市場が大混乱に陥っている。高率の関税が世界経済に悪影響を与えることが懸念されるほか、米国経済自身への悪影響を心配する動きも強まっている。いわゆる米国売りの状況もみられ、米株安、ドル安に加えて米国債売りによって利回りが急上昇する場面もあった。米国から資金が逃げ出す状況が懸念されて、トランプ大統領が急遽、一部関税を90日間停止した。ただ、米国と中国との貿易戦争はより一層深刻化しており、市場の好反応は一時的にとどまった。連日主要株価指数が大幅な変動を繰り返すボラタイルな相場展開となっている。為替相場では、ドル売りが強まっている。そのなかでもリスク回避で買われやすいスイスフランと円が強いパフォーマンスを示した。ユーロも堅調。EUは米国との交渉を模索する姿勢を示している。今後もトランプ関税関連の材料に振り回される展開が予想される。

(7日)
 東京市場は、リスク回避の円高の動き。ドル円は、朝方に世界的な貿易戦争激化懸念からリスク回避の動きで円が買われ、前日NY終値比2円以上の円高水準となる144.82付近まで急落した。ベッセント米財務長官が週末に関税に前向きな姿勢を示したことも重石となった。下げ一服後はいったん146.80台まで戻したものの、午後は再びドル安・円高傾向となり、145円台半ばまで下落した。ユーロ円は、午前の円高で前日NY終値比2.6円超の円高水準となる158.30付近まで下落。しかし、その後は下げ渋り、160円台を回復した。ユーロドルは朝方に一時1.0882付近まで下落したが、午後のドル安局面で一転して1.1021付近まで上昇した。

 ロンドン市場では、パニック商状が次第に落ち着いてきている。週末に中国がトランプ相互関税に対する報復関税を発表。カナダなども対応姿勢を示した。週明けのマーケットは株価急落、原油安などで始まった。日経平均は一時2900円安、香港ハンセン指数は13%超安となった。欧州株も米株先物・時間外取引とともに急落。しかし、次第に下げ幅を縮小してきている。このあと、日本時間午後9時には石破首相がトランプ大統領と電話会談を行う予定。また、EU外相理事会が開催され、米国や中国との貿易関係について協議される。どのような内容がでてくるのか、市場は固唾をのんで待っている状況。ドル円は週明け朝方に147円台から145円台まで急落したあとは、下げ一服。激しく上下動を繰り返す落ち着かない相場となったが、足元では146円台に下げ渋っている。ユーロ円も161円台から158円台前半まで急落したあとは下げ一服し、160円台で売買が交錯している。ユーロドルは1.08台後半から1.10台半ばまでのレンジで振幅も、足元では1.09台半ばから後半と先週末NY終値付近に戻している。

 NY市場では、ドル買いが優勢。ドル円は148円台まで一時上昇。米国債利回りが上昇した。米株式市場は依然として波乱の展開となっているものの、下値での買い戻しも見られていた。クーグラーFRB理事は、「インフレが上昇しないようにすることが優先されるべき」と述べていた。先週はパウエル議長が追加利下げへの慎重姿勢を堅持していたが、同理事も同様の意向を垣間見せていた。ユーロドルは上に往って来いの展開。ロンドン時間には1.10台を回復していたものの、NY時間にかけて戻り売りに押され、一時1.09割れを試す動きがみられた。ポンドへの売りが加速し、ポンドドルは一時1.27割れをうかがう動きがみられた。短期金融市場では米国の年内利下げ期待が変動しており、一時は5回の利下げ期待を織り込む動きも見られていたが、NY時間に入ると3回は完全に織り込んでいるものの、4回については75%ほどの確率で推移。一部からは、スタグフレーションからリセッション(景気後退)へと投資家の意識は変化しているとの声も出ていたが、FRBがインフレへの警戒感を緩めていない中で、利下げについては未知数の部分が大きい。