「蚊に刺されやすい人」「蚊に刺されにくい人」がいるのは足にすむ菌の種類の数が違うから、という当時高校2年生だった田上大喜さんの研究は有名ですが、このほか、2023年5月にバージニア工科大学の研究チームによってフローラルな香りの石鹸(せっけん)を使うと蚊に刺されやすくなることが明らかになっています。

いったいどうすれば蚊に刺されにくくなるのか、これまでに知られている対策や俗説について、オックスフォード大学で蚊の生態を研究しているメイジー・ヴォランス氏が情報をまとめています。

Do these seven things really stop mosquitoes biting you?

https://theconversation.com/do-these-seven-things-really-stop-mosquitoes-biting-you-208080



◆1:虫よけ(ディート)

「ディート」は多くの防虫剤に含まれる虫よけ成分で、素肌に使用することも可能です。ディートは、他の虫よけと比較して蚊に刺されない効果が長続きすることが、中国・安徽医科大学の研究者らによって示されています。

アース製薬によれば、ディートは日本で最初に承認された虫よけ成分だとのことで、ディート30%の虫よけ剤のほか、生後6カ月から使えるディート10%以下の製品も販売されています。

◆2:殺虫剤処理

虫よけを肌に塗るのがイヤだという場合は、殺虫剤を衣類にスプレーするというのも手だとのこと。この手法は、衣類の上から蚊に刺されるのを防ぐのに効果的で、軍も取り入れているそうです。

◆3:消臭剤

オランダ・ヴァーヘニンゲン大学の研究者らは、消臭剤に含まれるテトラデカン酸イソプロピル(ミリスチン酸イソプロピル)という化合物が、蚊の誘因率を50%も下げることを明らかにしています。カリフォルニア大学医学部などの研究では、汗をかいていると蚊が寄ってくることが示されているので、夏に蚊に刺されたくない場合は消臭・制汗をしっかりするのが肝要です。

◆4:石鹸

2023年5月にバージニア工科大学が発表した論文によると、石鹸メーカーのうちフローラル系の香りがするDove(ダヴ)とSimple Truthのものを使うと蚊に刺されやすくなる一方、Nativeの石鹸を使うと蚊を寄せ付けにくくなる傾向があったとのこと。

ただし、同じ石鹸を使っても人によって最終的な匂いは変わるため、効果が出るかどうか保証はないとヴォランス氏は述べています。



◆5:ビール

フランスの感染症遺伝学・進化学研究所などは2010年に、水とビールを飲んだあとの蚊の誘因率について調査を行い、ビールを飲んだ後の体臭の方が蚊にとって魅力的であることを明らかにしました。蚊に刺されることを気にするのであれば、ビールは避けた方がいいかもしれません。なお、水を飲んだからといって蚊の誘因率が下がるわけではないこともわかっています。



◆6:バナナ

ウィスコンシン大学の研究チームは、バナナを食べた後の手のにおいに蚊が引き寄せられることがあることを示しています。一方で、ぶどうを食べた後の手のにおいは、蚊の誘因率に変化がなかったとのことなので、夏の間はバナナの代わりにぶどうなど他の果物を食べるというのは1つの手かもしれません。

◆オマケ:にんにくとビタミンB

俗説として「にんにくを食べたりビタミンBを摂取したりすることで蚊を遠ざけることができる」という話があります。しかし、2005年に発表された病原微生物センターのT・V・ラジャン氏らによる研究でにんにくに蚊を遠ざける効果はないことが示されています。また、2005年に発表されたウィスコンシン大学のアンソニー・R・アイビス氏らによる研究でビタミンBにも蚊を遠ざける効果はないことが示されています。