『うる星やつら』上坂すみれがラムを演じて感じた「楽しさ」と「難しさ」
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――まずは、ラムを演じることになった時の率直な印象をお聞かせください。
上坂 そもそも新作が作られることや、ラムちゃんの声優オーディションを受けられること自体にも驚いたのですが、まさか自分に決まるとは思っていなかったのですごくビックリしました。
この作品にはいろんな世代のファンの方がいて、いろんなラムちゃんの解釈もあると思うのでプレッシャーも感じましたけれども、スタッフさんたちも覚悟を決めて一丸となって作っているので、気を引き締めました。
上坂 高校生の時にCS放送で朝に『うる星やつら』のアニメがやっていて、それを観たのがきっかけです。主題歌やキャラクターの名前を覚えたり、原作を追って購入したりしてすごくハマりました。
ドタバタコメディかと思いきや、すごく純愛なお話があったり、しのぶやサクラたち女の子キャラにも物語があったり……『うる星やつら』って、一人一人がちゃんと幸せになっているのが素敵な作品なんですよね。
――当時、お気に入りだったエピソードがあれば教えてください。
上坂 私は漫画の最終話「ボーイミーツガール」がすごく好きなんです。このエピソードを読んだ時「『うる星やつら』って、ちゃんとラブストーリーだったんだ」って身に染みるように感じました。
――上坂さんから見た、ラムという女の子の魅力は?
上坂 やっぱり、一貫してダーリンへの想いがぶれないのがすごいです。それに、人を見た目で判断したり、人によって態度を変えたりしないところが素敵ですよね。だからダーリン一筋でもクラスのみんなや宇宙の友達みんなから愛されるんだな、と感じています。
あとは、宇宙人ゆえに突拍子もないことをするのも刺激的ですね。科学の実験みたいなことも得意だし、ラムの星での節分に急にダーリンを連れて行ったり……次に何をするのか予想がつかないところもいいなと思います。
――ラムは、男性から理想の女性として挙げられることもありますが、その点についてはどう思われますか。
上坂 いつも自分のことを考えてくれる女の子が近くにいたら嬉しい、というのはすごく分かります。ダーリンのことを大事にしていて、絶対に裏切らずに一緒にいてくれる……そんな性格的に素晴らしいところに、男性はやっぱり心惹かれるんだろうなと思います。
――上坂さんがラムを演じるにあたって気を遣っているポイントはありますでしょうか。例えば、前回のアニメでラムを演じていた、平野文さんの演技を意識された部分も?
上坂 やっぱりラムちゃんって、平野さんのお声とすごく強く結びついていると感じるので、まったく意識しないというのは難しくて。平野さんのお声の魅力を自分なりにじっくり考えてみた時に、全体的に一貫した品があるなと気づいたんです。
ラムちゃんがあたるにお仕置きしていても、平野さんのフワッとした天から聞こえてくるような綺麗なお声があるから可愛く見える。なので、そのエッセンスというか、ラムちゃんの育ちの良さから滲み出る品性は意識して演じています。
今作のラムちゃんは、髪の毛の色やメイクの感じが前のアニメとは違った雰囲気になっているので、自分なりに新しいラムちゃんの魅力を演出できるよう、毎週頑張っています。
(C)高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会
――音響監督などのスタッフさんから何かディレクションはありましたか?
上坂 オーディションの時にいろいろお聞きしていたので、アフレコ時に大幅な修正はなかったんですけれども、最初にあたると鬼ごっこをするシーンでは、「ただの地球人を相手にしているだけなので、本当に興味のない感じを出していきましょう」と言われたのが、かなり難しかったです。
でも、他のキャストの皆さんと掛け合いをしていく中で、自然と没入していくことができたように感じています。
――神谷浩史さん演じる、あたるとの掛け合いの感想を教えてください。
上坂 神谷さんは、高橋留美子先生の全ての作品をリアルタイムで楽しんできたファンということもあって、その熱量や愛情を一言ひと言から感じますし、座長としてみんなを引っ張っていってくださっています。
神谷さんの演じるあたるは、本当に漫画を読んだ時の印象そのままというか……ひょうきんでお調子者だけど、ラムのことをなんだかんだで意識している、そんないじらしさみたいなものを上手く引き出していらっしゃるなと感じました。
――上坂さんは、ラムがあたるのどんなこころを好きなのだと思いますか?
上坂 最初にラムと鬼ごっこをしている時、「しのぶと結婚する」というモチベーションもありましたけど、その絶対に諦めない姿勢に私自身も「あたるって、こんなに真っ直ぐな心の持ち主だったんだ」と思ったんです。
絶対に素直に「好き」とは言わない天邪鬼で、浮気性でもあるんですけれど、いざラムが危なくなった時は助けにきてくれるところに古風な男らしさを感じます。何だかんだで自分のことを一番好きでいてくれるのはあたる、ということを、ラムも感じ取っているんじゃないかなと思います。
――アフレコ現場の雰囲気はいかがでしょうか?
上坂 最大4人までの分散収録でしたけれど、ラムとあたるはいつも同じ収録でしたし、面堂さんやしのぶちゃん、サクラさんとか、その話数で一番掛け合いをするキャラクターとはいつも一緒に録ることができました。
『うる星やつら』って、漫画でも一コマにたくさん人がいるシーンが多いと思うんですけど、そういう空気感もとても忠実に再現されていて。メインキャストの収録はアフレコの最後のほうで、クラスメイトや町の人の声も入った状態で収録させていただけたので、とてもイメージが掴みやすかったです。
――ラムを演じていて楽しいところ、また逆に大変なところなどはありますか。
上坂 ラムちゃんは「ダーリン」「〜だっちゃ」というセリフとか、一人称が「ウチ」だったりと、かなり独特な言葉遣いをするんですけど、演じる中でそれらにすごくいろんな表情が乗せられるということが分かって、楽しく演じることができました。
逆に「〜だっちゃ」にならない標準語を喋るシーンは、普通の喋り方にラムちゃんらしさを載せるのが結構難しくて、そこではどこか「宇宙なまり」っぽさみたいなものを意識しながら演じました。
――ラムのトレードマークである「〜だっちゃ」を、アフレコで最初に言った時のお気持ちは?
上坂 「これを言う日がついに来てしまった」というか(笑)。収録している時は夢中になっていたんですけど、収録が終わって家に帰って1話の台本を眺めていたりすると「こんなこと言ったんだなあ」ってじわじわと後から嬉しい気持ちが湧いてきました。でも、まだ放送されていないので、信じがたい部分もあります(笑)。
――40年以上前のアニメが新作として甦る機会ってなかなかないと思うんですが、その点に関してはどう思われますか。
上坂 宇宙人、巫女さん、怪力系女の子などのキャラクターが出てきたり、現在のアニメに大きな影響を及ぼした作品だと思います。全く『うる星やつら』を観たことがないという人にも、「ラムちゃんかわいいな」って思ってもらいたいですね。
あと、今作は原作に描かれた「昭和の風景」がそのまま描かれているので、そういう部分は若い方にはとても新鮮に映るんじゃないかなと。
――上坂さん御自身は、昭和時代のカルチャーの魅力はどういうところにあると思われますか?
上坂 日本で万博が開催されたり『スター・ウォーズ』が上映されたり、そういう宇宙や未来への憧れみたいなものがある、明るい雰囲気は好きですね。
『うる星やつら』でも、弁天たちの服装がレオタード系だったり大きなバイクが出てきたり、みんなでテニスをやっていたり……細かいところだとブラウン管のテレビがラーメン屋さんに置いてあったりとか、そういう小さなパーツ一つひとつにすごくときめきます。みんなの私服が結構ビビットな色遣いだったりして、それも時代だなあと思います。
――上坂さんが使ってみたい80年代アイテムはありますか?
上坂 私はちゃぶ台に憧れがあるんです。『うる星やつら』ではちゃぶ台がよく描かれているので、いいなあって思います(笑)。
――本作にはたくさんのキャラクターが登場しますが、ラムちゃん以外に上坂さんが好きなキャラクターは?
上坂 私はラムちゃんの友達のランちゃんが昔から好きなんです! ロリータっぽいお洋服を着ているキャラクターデザインが、当時高校生の私に刺さりました。素に戻るとラムちゃんよりずっと口が悪かったりする二面性のある子なのですが、基本はやっぱり恋する乙女なので、レイさんに一途な恋をしているところがとてもいじらしくて。
ラムちゃんとランちゃんの関係性も、すごく好きですね。ラムちゃんって誰に対しても物怖じしないんですけど、ランちゃんにだけはちょっと頭が上がらないところが可愛いなと思います。
――それでは最後に、放送を楽しみに待つファンに向けてメッセージをお願いします。
上坂 前作をリアルタイムで観ていた方にも、初めて観るという10代20代の方にも、そして外国の方にも「今一番熱い作品は何か?」と聞かれたら、胸を張ってお薦めできる作品です。原作のエピソードを忠実に再現しながら、最先端の技術で描かれる映像は必見だと思います。
そして、ドタバタでシュールだけど王道ラブコメでもあるストーリーには、すべての要素が詰まっています。オープニング、エンディング含めて、コマ送りで観てもいいぐらいに愛情が込められていると感じるので、ぜひくまなく観てほしいです!
上坂すみれ(うえさか すみれ)
12月19日生まれ。ボイスキット所属。主な出演作は、『うまゆる』(アグネスタキオン)、『トニカクカワイイ』(有栖川綾)、『スター☆トゥインクルプリキュア』(キュアコスモ)、『イジらないで、長瀞さん』(長瀞早瀬)ほか。
(C)高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会
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