なぜ警察がSNS拡散希望!? 首都高を「スポーツカー」で走ると職質に!? 行き過ぎた「ルーレット族」対策の現状とは

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2日連続「整備不良」で青キップを切られた

 新型コロナ禍で交通量が激減した夜の首都高速都心環状線(C1)を100km/h以上の早い速度で暴走する、いわゆる「ルーレット族」対策が強化されています。
 
 2020年春以降、首都高速においても移動式(可搬式)オービスによる速度取締りが頻繁におこなわれるようになりました。
 
 しかし、最近ではさらなる取締りの強化がおこなわれているといいます。

首都高での暴走行為は取り締まりが強化されているが、最近ではスポーツカーで走るだけで「職質」されるという(写真:加藤博人)

 なお、首都高速は多くの場所が60km/h、湾岸線など片側3車線あるような路線では70km/hから80km/h。

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 そして都心環状線C1は50km/hに制限されています。

 移動オービスが光るのはおもに制限速度+30km/h前後であるため、都心環状線(C1)においては、だいたい80km/h以上で速度違反の対象となるようです。(移動オービスは細かく速度の設定が変えられるので、必ずしも80km/h以上というわけではありません)

 しかし、2022年2月以降は対象となる速度や違反の内容までこれまでとはかなり違った交通取り締まりがおこなわれていることが明らかになってきました。

 国産スポーツカーに乗るAさんもつい先日、午前3時前に首都高速を走行中、未体験の取り締まりを経験した一人です。

「C1外回りで江戸橋付近から追尾されていたと思います。

 私自身、その日C1を周回したのは1周しただけで、速度も50km/h以下を厳守していました。

 もちろんルーレット族とは程遠い安全運転でC1をドライブしていたんですよ。

 ところが、追尾されていたパトカーに停止を命じられ、9号深川線下りにある首都高速の施設に呼び込まれまして…」

 そして、パトカーから降りてきた警視庁高速道路交通警察隊に取り囲まれ、クルマのチェックが始まったといいます。

 速度は問題なかったようですが、いったいどんな違反をしたというのでしょうか。

「速度違反ではなく、まさかの整備不良でした。

 正確に言うと、『整備不良(尾灯等)』のなかの『車枠車体整備不良車運転』という理由で青切符を切られました。

 反則金は普通車7000円の違反です。

 リアウィングがわずかに車体からはみ出していたために『整備不良』となってしまいました」

 ちなみに「整備不良」には整備不良(尾灯等)と整備不良(制動装置等)の2種類があります。

 前者の反則金は7000円(+1点)、後者は制動装置(ブレーキ関係)で危険度が増すため9000円(+2点)となっています。

 Aさんの場合はリアウィングのわずかにはみ出していたことで、軽いほうの違反になりました。

 しかし、驚くことにAさんはその翌日も同じ理由でまた青切符を切られました。

 反則行為が確認された時間は前日が午前2時50分であるのに対して、翌日は午前3時半。ほぼ同じ時間帯、同じ理由、同じパトカー(高速隊の中隊番号だけ異なる)で反則の告知を受けることになりました。

 そして手続きが終わったあと、高速隊の警察官は意外なことを口にしました。

「SNSをやっているのなら、このことを拡散させてください」

 外観はどうみてもルーレット族ではないAさんの愛車ですが、何としてでも、「首都高に上がるクルマを減らして事故のリスクを削減したい」という警視庁高速隊の意地でしょうか。

 スポーツカーのような外観を持つクルマは手あたり次第、追尾し何かしらの違犯が見つかれば反則を通告しているようです。(何もなくてそのまま解放されるクルマもあります)

2022年1月の大学生死亡事故を受けて翌2月に「取締り強化」を宣言

 2022年1月5日にC1銀座料金所付近で4台が絡む事故が発生。

 20代男性が運転するBMW「3シリーズクーペ」が仲間である男子大学生運転のホンダ「アコード」に追突し、大学生が即死するという痛ましいものでした。

 この事故をきっかけに警視庁ではその後、2022年2月上旬に「ルーレット族の取締り強化」を公表。さらに厳しい取締りが始まったものと思われます。

 もちろん、新型コロナ禍以降、首都高速におけるルーレット族対策として集合の拠点となる辰巳第一や箱崎、芝浦などのパーキングエリアを夜間閉鎖したり、移動オービスを使った速度取締りも盛んにおこなったりしてきました。

 年末年始には450名体制で取締りを強化、大みそかから元旦にかけては首都高で3台の整備不良車を取り締まっています。

 また、2月以降、強化された取締りにおいては、速度違反の超過速度もこれまでの30km/h前後から、なんと10km/hから20 k//hオーバーでも速度違反で切符を切られることが増えているとのこと。

 具体的にどんなクルマが対象となっているのでしょうか。

 実際に取締りの対象となった人からの情報を含めると、以下のようなクルマがマークされやすいと考えられます。

 ・リアウィングなどを備え、スポーツカーらしい見た目をしている

 ・都心環状線C1を走っている。何周もしていなくても、1周でもターゲットになることも。

 ・速度が速いクルマだけではなく、整備不良で切符を切れそうな「派手な見た目」を狙う。

ルーレット族への対策としてパーキングエリアが封鎖されることもある(写真:加藤博人)

 ルーレット族への警戒を強めるパトカーにマークされると、ナンバーや画像、動画の撮影はもちろん首都高の周回数をチェックされ追尾が始まり、Aさんと同じように停止を求められ、高速隊や首都高の施設がある場所に誘導され、そこで詳細をチェックするということになります。

 いってみればかなり「アナログ」な方法での取り締まりとなりますが、これには理由があります。

 移動オービスといっても、取締りをおこなう警察官の安全を考えると設置できる場所は限られます。

 1か所あたり2、3時間で場所を変えながら速度取締りをおこなうケースが多いのですが、SNSなどで仲間内ですぐに情報が共有され、速度取締りの場所も知れ渡ってしまう。

 そこで、1台ずつ追尾をおこない、速度違反以外も積極的に捕まえるという「アナログ」方式に変更したといえるでしょう。

 また、Aさんがそうであったように取締りの時間も2時から4時といった未明におこなわれることも珍しくないようです。

 大きなウィングをつけているなど、明らかにスポーツカーであることが分かるクルマで首都高を走る際には、普段よりもさらに安全運転を徹底して走られることをお勧めします。