広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】

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新人王のヤクルト村上、DeNAルーキー上茶谷ら若手も大幅アップ

 今季も様々なスターが生まれたプロ野球界。ベテランから若手まで様々な活躍があり、契約更改ではそれに見合った金額が提示された。もちろんアップだけでなく、苦しい1年間にダウン提示をされた人も。21日までに行われた契約更改の、主な大幅増減提示と選手の成績を振り返る。(金額は推定)

○セ・リーグ

【巨人】
 原辰徳監督のもと、5年ぶり37度目のリーグ優勝を果たした巨人。MVPの坂本勇人内野手は現状維持の5億円更改となったが、2年連続30本塁打となった岡本和真内野手は4番として打率.265、31本塁打、94打点を記録。1番や5番で打線を支え、好守備も続けた亀井善行外野手は打率.284、13本塁打、55打点と活躍し、それぞれが初めて大台に到達した。岩隈久志投手は故障に苦しみ、今季は1軍登板がなかった。中島宏之内野手は移籍1年目の今季は43試合出場で打率.148。野球協約の減額制限(1億円超は40%)を大幅に超えるダウン更改となった。

岡本和真内野手 8000万円→1億4000万円(6000万円増)
亀井善行外野手 7000万円→1億1000万円(4000万円増)
沢村拓一投手 1億2150万円→1億5400万円(3250万円増)
▽岩隈久志投手 5000万円→2000万円(3000万円減)
▽中島宏之内野手 1億5000万円→2000万円(1億3000万円減)

【DeNA】
 1998年の優勝以来、21年ぶりの好成績となる2位で終えた。開幕投手を務めた今永昇太投手はエースとして成長し、13勝7敗、防御率2.91とキャリアハイを更新した。さらに山崎康晃投手は30セーブを挙げて、2年連続のセーブ王に輝いた。またドラフト1位ルーキー上茶谷大河投手はプロ入り1年目ながら25試合に登板し7勝6敗、防御率3.96と好成績を収めて、球団に高い評価を受けた。また昨季加入した伊藤光捕手は国内FA権を行使せず残留となった。

山崎康晃投手 2億5000万円→3億5000万円(1億円増)
今永昇太投手 6700万円→1億3600万円(6900万円増)
上茶谷大河投手 1500万円→4300万円(2800万円増)
伊藤光捕手 5500万円→4年総額4億5千万円プラス出来高
▽桑原将志外野手 8400万円→6500万円(1900万円減)
▽砂田毅樹投手 7200万円→5600万円(1600万円減)

【阪神】
 今季は話題の選手が多かった阪神。ルーキーの近本光司外野手は記録尽くしで、長嶋茂雄氏の持つセ・リーグ新人安打記録153本を更新するNPB歴代3位の159安打をマーク。142試合に出場して打率.271、9本塁打、36盗塁の成績で、新人ではNPB史上2人目の盗塁王も獲得した。また今季39歳の藤川球児投手は防御率1.77で16セーブ、23ホールドをマークと年齢を感じさせない活躍を見せた。

藤川球児投手 1億4000万円→2億円(6000万円増)
近本光司外野手 1500万円→4500万円(3000万円増)
島本浩也投手 850万円→3700万円(2850万円増)

【広島】
 リーグ4連覇を逃して4位に終わり、4シーズンぶりにBクラスに転落した。しかし、主砲の鈴木誠也外野手は今季も絶好調だった。140試合に出場し、打率.335、28本塁打、87打点、167安打、出塁率.453の好成績を残して4度目のベストナイン、3度目のゴールデングラブ賞に輝き、11月の「第2回 WBSC プレミア12」では侍ジャパンの4番として存在感を示した。巨人から人的補償で加入した長野久義外野手は2軍暮らしも経験し、苦しいシーズンとなった。

鈴木誠也外野手 1億6000万円→2億8000万円(1億2000万円増)
會澤翼捕手 9200万円→3年総額6億4000万円プラス出来高
▽田中広輔内野手 1億8000万円→1億5000万円(3000万円減)
▽長野久義外野手 2億2000万円→1億7000万円(5000万円減)

【中日】
 大野雄大投手は今季、史上81人目92度目のノーヒットノーランを達成するなど9勝8敗、防御率2.58を挙げ、11月のプレミア12では侍ジャパンにも選出された。大島洋平外野手は海外FA権を行使せず、新たに3年契約を結んだ。

大野雄大投手 6000万円→1億3000万円プラス出来高(7000万円増)
大島洋平外野手 1億8000万円→2億5000万円(7000万円増)
高橋周平内野手 3500万円→6000万円(2500万円増)

【ヤクルト】
 2年ぶりの最下位に沈んだ今季だが、プロ入り2年目の村上宗隆内野手は明るいニュースだった。全143試合に出場し、10代での最多本塁打記録を更新する36本塁打、リーグ3位となる96打点を挙げ、新人王に輝いた。

村上宗隆内野手 800万円→4500万円(3700万円増)
▽川端慎吾内野手 1億4000万円→4000万円(1億円減)

西武は大幅昇給組が続々、最下位でも“暖冬”のオリックス

〇パ・リーグ

【西武】
 リーグ連覇を達成した西武は、MVPを獲得した森友哉捕手が1億2000万円アップという上げ幅で2億円プレーヤーに。他にも中村剛也内野手、山川穂高内野手らが大活躍した野手陣が大幅アップ。外崎修汰内野手、源田壮亮内野手はシーズン中のみならず侍ジャパンでも活躍するなど、1億円プレーヤーが多く誕生した。

平井克典投手 3500万円→1億円(6500万円増)
森友哉捕手 8000万円→2億円(1億2000万円増)
山川穂高内野手 1億1000万円→2億1000万円(1億円増)
外崎修汰内野手 7000万円→1億4000万円(7000万円増)
中村剛也内野手 2億6000万円→3億5000万円(9000万円増)
源田壮亮内野手 8000万円→1億4000万円(6000万円増)
金子侑司外野手 5700万円→1億2000万円(6300万円増)
▽内海哲也投手 1億円→7500万円(2500万円減)

【ソフトバンク】
 ルーキー甲斐野央投手は開幕1軍入りすると、NPB記録となるデビュー13試合連続無失点と鮮烈なデビューを飾り、65試合に登板して2勝5敗8セーブ26ホールド、防御率4.14の好成績を残した。高橋礼投手も12勝(6敗)をマークして新人王に輝いた。周東佑京内野手も侍ジャパンに大抜擢されるなど、3年連続の日本一だけでなく話題の多い1年間だった。柳田悠岐外野手や、千賀滉大投手、今宮健太内野手らの契約交渉はまだ行われていない。

甲斐野央投手 1500万円→5000万円(3500万円増)
高橋礼投手 1400万円→5000万円(3600万円増)
周東佑京内野手 600万円→2000万円(1400万円増)

【楽天】
 平石洋介監督のもと一時は首位争いを繰り広げる奮闘したが、最終的に3位となった。松井裕樹投手は68試合に登板し、38セーブ12ホールド、防御率1.94と大活躍。最多セーブのタイトルを獲得した。来季はロッテから鈴木大地内野手が加入するなど大型補強が行われており、今季を上回る好成績が期待できそうだ。

松井裕樹投手 1億1000万円→2億5000万円(1億4000万円増)
銀次内野手 8500万円→3年総額3億3000万円プラス出来高(2500万円増)

【ロッテ】
 今季は4位と、昨年の5位から順位を上げたロッテ。益田直也投手は今季は60試合に登板し、4勝5敗27セーブ、防御率2.15と安定した成績を残した。また国内FA権を行使せず残留し、新選手会長に就任する。

益田直也投手 1億3000万円→3年総額6億円プラス出来高(7000万円増)

【日本ハム】
 今季は5位に沈んだ日本ハム。有原航平投手は今季24試合登板し、15勝8敗、防御率2.46とエースとして成績を残し、契約更改の場で来オフにもポスティングシステム(入札制度)を利用してメジャー挑戦したい意向を球団に伝えている。野手では近藤健介外野手が3年契約を結び、大田泰示外野手が大台到達した。

有原航平投手 7000万円→1億4700万円(7700万円増)
近藤健介外野手 1億円→1億5000万円プラス出来高で3年契約(5000万円増)
大田泰示外野手 6500万円→1億円(3500万円増)
▽吉川光夫投手 7500万円→3500万円プラス出来高(4000万円減)

【オリックス】
 最下位に沈みながらも“暖冬”となったオリックス。吉田正尚外野手は2年連続で全試合に出場し打率.322、自己最多の29本塁打、85打点をマークしベストナインにも選出された。入団5年目以内での年俸2億円到達は史上13人目。また山本由伸投手は8勝6敗、防御率1.95で最優秀防御率に輝き、山岡泰輔投手は26試合登板で13勝4敗、防御率3.71。勝率.765で初タイトルとなる最高勝率に輝いた。

吉田正尚外野手 8500万円→2億円(1億1500万円増)
山岡泰輔投手 4500万円→1億円(5500万円増)
山本由伸投手 4000万円→9000万円(5000万円増)(Full-Count編集部)