本質重視のエルメス好きから、意外にもファストファッション族まで!ドン小西が、白金ファッションを語った!
白金。
東京に高級住宅街は数あれど、ここほど有無を言わさぬ圧倒的なブランド力を誇る地名はない。
だが、そもそも白金は、なぜこれほどまでに人々の羨望を得るのか。白金に住む人とはいったい何者で、なぜそこに住むのか。
その理由を、実際に白金で暮らす住人や有識者への取材を基に、歴史、ファッションなど、様々な角度から全三回に分け考察していく。
第一回目は、生まれも育ちも白金というハイスぺ美女の一日を通じて、白金のリアルに迫った。
白金歴33年のドン小西が白金ファッションのべールをはぐ!
白金に住む人々のファッション考
この街の独特な空気は、人々の装いからも感じられる。
港区の他エリアの人とは一線を画すオーラ。
この正体とは何なのか、なぜそれが生まれるのか。
白金という街を紐解く、最終回の今回は、ファッション界の重鎮であるあのドン小西が、白金の人々のファッションをズバッと解説する。
ホイールまでまっくろの「カイエン美女」が
今、白金を席巻している

白金で取材中も何度も見かけたポルシェの「カイエン E ハイブリッド」1,257万円。SUVでありつつも高級感ある見た目と、スポーツカー並のエンジンでの走行を楽しめる
白金な人々は、いわゆる“シロガネーゼ”の時代からは、ファッションも人種もだいぶ多様化している。
中でも最近特に目立ってきているのが、タワマンに住む新規参入組だ。
「30〜40代の華やかな美女が増えたよね。プラチナ通りでは、黒いポルシェのカイエンをよく見る。まっくろけのホイールでね。たくさんいるよ」。
乗っているのは数年前はかなりモテたであろう美女たち。
頭にサングラスをのせ、イタリア系ファッションを“さりげなく”まとう。
美意識は高めで、ドンさん曰く「お顔はちょっとお直し済み」な女性が最新外車SUVを乗りこなす風景が常態化している。
その正体は、ITや外資系企業で財を成した30〜40代の夫婦や、40〜50代の地方の御曹司とそのパートナーなど。
そんな彼らが、白金のタワマンや新型マンションに移り住んで増えてきた。
彼らは従来の住人に比べて華やかだが、ポイントなのは、それでも港区の他エリアと比べると車のチョイス然り、上品な印象であること。
それなりに歳を重ね、既婚者がほとんどなことから、比較的落ち着いたものを好む傾向があるという。
「港区らしい華やかさがあるけれど、それでもギラつきは抑える。新シロガネーゼは、ハイブリッドな感じかな」。
ブランドを強調しない
シンプルな上品さが白金ネイティブの証

ヴァレクストラのような、一見してブランド名がわからないものを愛用。「ミディアム イジィデ」¥415,800〈ヴァレクストラ/ヴァレクストラ・ジャパン TEL:03-3401-8017〉
20年程前に話題になった、白金で暮らすセレブ、いわゆる“シロガネーゼ”と呼ばれた人たちは、生活にゆとりがあって、高い美意識を持っている人たちが多い。
行動にもファッションにも品位と品格があり、最近増えている、前述の新シロガネーゼよりも、更に落ちついているのが特徴だ。
「東京コンサバっていうのかな。王道のコンサバティブなファッションの中にちょっとの個性を出すくらいの上品さの人が多いよね。」
「イメージで言うなら、デパートに入っているような正統派なブランド。マダムなら、ハナエモリやジュン アシダあたりかな。外商でお買い物なんてのも、よくあるよ」。
港区でありながら閑静な住宅街を好む人々は、他者の評価を気にするよりも、自分たちの充実した生活にプライオリティを置いているのだという。
ブランド物を持つ場合でも、一面にロゴが散りばめられているものよりも、ぱっと見だとどこのものかわからないものを使うことが多いよう。もちろん選ぶ基準は、他者目線よりも自分が好きかどうか。
「そういう人たちは『ドヤーッ』とやらない。人に見られたいという意識がそもそもあまりないんだろうね。堅実さと上品さを兼ね備えているのが、白金ネイティブのファッションなんじゃないかな。 」
「たまに、派手でモダンなおばあちゃまや、オレみたいなのもいるけどね(笑)」。
ドンさんしか知らない、真のお金持ちの見分け方とは…?
真のお金持ちや業界の大物は
案外リラックスウェア

ここ数年で出現したファッションもある。白金というステータスに憧れて住み始めた30〜40代OLの“ファストファッション族”だ。
27?、家賃15万円などと、収入に対して家賃割合が高いからか、地味なファストファッションを好み、マルエツやいなげやのお惣菜で食費を節約したりも。
「それでも白金に住みたい、と前向きに頑張る姿は、健気で応援したくなっちゃうね」。
また、トイプードルを連れ、ルブタンのピンヒールで闊歩する、20代“自称タレント予備軍”が増えたのも最近のトピックスだ。
「色んなファッションを見かけるようになったけど、シロガネーゼより更に古くからの住民や真のお金持ちたちは“安らぎのファッション”だね。和食『うさぎ』に行けば、そんな人々とファッションが見られるはず。」
「政治家や、芸能関係、音楽家などの大物たちが集まってハイレベルなカルチャー談義をしているよ。よく聞くと30年前の逸話なんてこともあるけど(笑)」。
白金に住む本当の地元の人々は、気取らないリラックススタイル。お金持ちや大物ほど自然体、というのが白金の真骨頂なのだ。
「とにかく、白金っていうのは、全体を通して美意識の高い人が集まってるよ。ちなみに、オレは派手だから、この街では浮きまくってるよ(笑)」。

全三回にわたり、白金という街を「住人」という観点から紐解いてきた本シリーズ、いかがだったであろうか?
総じて言えるのは、白金に住む人はもちろんお金持ちの人が多いわけだが、意外と嫌味がなく、鼻につくようなギラギラ感が無いということ。
これは、真のお金持ちだからこその、心の余裕が生み出すものなのかもしれない。
そして、白金のこの独特の空気感は、これからも、白金の住人たちによって、守られていくのであろう。

答えてくれたのは…

ドン小西さん
1950年三重県生まれ。80年代からコレクションに参加するなど、ファッションデザイナーとして活躍。
大手企業のユニフォームを手掛けるなど、多岐にわたり才能を発揮。TVでは辛口ファッションチェックがお馴染み。

ちなみにここがドンさんの7億円の豪邸!

インテリアの一つ一つが個性的!
Photos/Akihiko Sonoda, Kazuhiro Fukumoto@MAETTICO., Text/Mayuko Hamaguchi @SEASTARS Inc.
